遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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( ゚д゚)「まさかのちょうど百話目ですね。あ、理子さん誕生日おめでとうございます。」

理子「あーうん、ありがとー……」

( ゚д゚)「テンションが死んでやがる」

理子「そりゃ死ぬよ!? あの後ユーくんは普通に接してくれるから罪悪感沸くし、、アリアん達が時々すっごい冷たい目で見てくるんだよ!? 真正面から殴られた方が百倍マシだよ!」

( ゚д゚)「妖刃戦よりダメージ受けてますねこれ。まあ今回はリベンジマッチみたいなもんなんで、頑張ってくだせえ」

理子「……う、うん、頑張る」

( ゚д゚)(自信無くしてるじゃねえか)




( ゚д゚)「あ、これ最終話です」

理子「……え!?」




第四章 受け取らなかった理由、受け取らせる方法

 

「や、遠山君。これから峰さんのところ?」

 

「おう、亮。理子が真っ先に名前出てくるのは何故か説明プリーズ」

 

「今日は峰さんの誕生日でしょ? 遠山君に会う前見かけたんだけど、ずっとソワソワしてたよ」

 

「子供かあいつは、ウチでもそんな感じだったけどよ」

 

 あと何かしたの? みたいな視線をやめい。

 

「何かあったの?」

 

「口に出すのはまだマシなのは、こいつがイケメンたる由縁。

 まああるにはあったぞ、ホワイトデーに」

 

 冬場に強制ダイビングさせらるとか意味分からんかったが。

 

 あ、忘れてた。ドーモ、トオヤマ=ジュンデス。あいさつがいつもと違う? 気にするなよ、スレイヤーが飛んでくるぞ(真顔)

 

 さて現在、亮が言う通り女子寮にある理子の部屋(そこで女子だけのパーティー開いてるとか)を目指してるのだが。なんでイケメンスマイルのまま自然に道を塞いでるんですかねえ、こいつは。

 

「亮、通れねえんだけど」

 

「ああ、ごめんね。ちょっと遠山君に用事があったからさ、逃げられる前にと思って」

 

「なんで俺が逃亡するの前提なんですかねえ。で、何の用だよ。理子に渡すプレゼントの運搬依頼か?」

 

 あいつ友人多いから山ほど貰ってるけど、いくら増えても喜ぶからな。お返しはそれ以上が主義みたいだが(中身の良し悪しは除く)。

 

「いや、遠山君に渡すものがあるんだ」

 

「あん? 俺?」

 

「うん、ちょっと失礼して。

 

 

 遠山潤、殺人未遂の罪で逮捕する」

 

 

「ーーーーあ?」

 

 何言ってんだコイツと目を向けてたら、マジで手錠をかけられた。ご丁寧に対超偵用のだな、これ。

 

「身に覚えがないんだけど」

 

「ーーーーえ?」

 

 オイなんて顔してんだコノヤロー。鳩がビーム喰らったみたいな顔しやがって。

 

「え、いやだって。……ホントにないの?」

 

「オメー俺を何だと思ってるんだ」

 

「限りなく黒に近いグレーを、平然と漂白出来る人」

 

 真顔で即答すんなし。というか犯罪者みてえな評価じゃねえか(今更)

 

「ーーよう遠山潤、久しぶりだなあ。不知火は足止めご苦労さん」

 

「スーツ姿の筋肉モリモリマッチョマンが気さくに話しかけてきた件について」

 

「は、相変わらず口の悪い奴だ」

 

「言っていい相手と悪いのの区別は付けてるつもりなんで。

 で、こんな色気のないアクセサリー付けさせてまで、何の用ですかい? 公安0課の皆さん」

 

 手錠を持ち上げながら軽口を叩くと、公安0課のエースである獅堂虎巌(しどうとらお)と(と愉快な仲間達。警察組織の癖して個性的過ぎるだろ)はあくどい笑みを浮かべる。

 

「もちろん、ウチにスカウトだ。去年は話の途中で逃げられちまったしな。

 しつこいのは嫌いだから一年待ったが、返事を聞きに来たぜ」

 

「( ゚ω゚ )お断りします」 

 

 公僕とか合うイメージが湧かねえよ。

 

「はは、清々しいほどつれねえなあ。まあ予想はしてたし、そのための手錠(そいつ)だ」

 

「ブタ箱に入れられたくなかったら、仲間になれと?」

 

「そーいうこった。嫌なら俺達を倒してから、無実の証明をするんだな。前者はともかく、後者は簡単だろ」

 

「ーーなんだ、そんなのでいいのか。それじゃあもちろん嫌だし、抵抗するわ」

 

「ほう、超能力でか? そいつ以外にも、対策として専門家も連れてきてるが」

 

 獅堂は余裕の笑みを浮かべているが、俺はそれに笑い返し、

 

「うんにゃ、違うな。

 

 

 風穴でよ」

 

 

「は? ーーうおおおおおお!?」

 

 

 関節を外して手錠を捨て、隙だらけな獅堂のどてっぱらに右ストレートをぶち込んでやった。10mくらい吹き飛んでいったわね。

 

「うっわ、人間とは思えないくらい固いし重いわね。何で出来てるのよアイツ、未来から殺人ロボット?」

 

「それを殴り飛ばすのも大概じゃないかな、神崎さん」

 

「あ、やっぱりバレてたか。いつから気付いてたの? 亮」

 

「違和感は最初からあったかな、親しい人間なら気付く程度の。

 一番分かりやすかったのは、殺人未遂の容疑を否定したことだけど」

 

「……アイツ武偵よね?」

 

「僕に言われても」

 

 まあたしかに、ジュンなら否定より「え、どれが引っかかった?」って真顔で言うわよね、何もなくても。うーん、やっぱりガワだけの真似じゃバレるわよね。

 

 というわけで理子が施した特殊メイクを落とし、身長等も元に戻してっとーー遠山潤改め、神崎・H・アリアよ。変装ってやっぱり難しいわ、アイツらよくなりきれるわよね。

 

 さて、ジュンが0課にストーキングされてるって聞いた理子(ヘタレ)に頼まれて、暇だったアタシが囮を買って出たんだけどーー

 

「おーいって。やってくれるじゃねえか、神崎の嬢ちゃんよお」

 

 ……色金パワーなしとはいえ、かなり本気で殴ったのにピンピンしてるとかなんなのよ、こいつ(吹っ飛ばした奴のセリフ)。

 

「……割に合う依頼かしらね、これ」

 

 まあママを助けてくれた借りを返しきれてないし、多めに見ておきましょうか。

 

 獅堂がやる気になり、アタシも拳を構える。ここまでしてるんだし、ヘタレたら風穴ジェノサイドするわよ、理子。

 

 

 どうも、遠山潤です。アリアと0課の人達が戦うのを尻目に、ビルを飛び移りながら理子の部屋に到着。白熱したバトルしてたから、道変えただけでも気付かれなかったかもしれん。

 

「理子―? お邪魔するぞー?」

 

 遊びかトークに熱中してるのか迎えが無かったので、勝手に玄関を開けて入ることにする。合いカギ渡されたから入るのは余裕、一年の頃に押し付けられたからな、何故か。

 

「あ、遠山様がいらっしゃいましたの!」

 

「主役の登場ですの!」

 

「何故誕生日になった人間を置いて主役なのか説明してくれ、島姉妹」

 

 ちなみに前者が妹、後者が姉である。ぱっと見はそっくりなんだよな、声もほぼ同じ声域だし。違うのは恋愛対象の性別と所属学科くらいか。

 

「火野さん、火野さーん? おーい、飛んでるけど大丈夫かー?」

 

「あああ、もう無理、幸せすぎぃ……はっ!? とと、遠山先輩、いつの間に!?」

 

「ついさっきだよ。すまんね、ロリ酔いしてる時に邪魔して」

 

「いやロリ酔いってなんですか!?」

 

 さっきまでのお前さんだよ(真顔)

 

「ユーくんおっそーい! 理子、待ちくたびれたんだよー?」

 

「わーるかったって。こいつを作るのに時間かかったんだよ」

 

「「「わーーーー!!」」」

 

 机の上に散らかった菓子類をどけて、持ってきてた箱ーー大量のデコレーションが施されたショートケーキを見て、合法ロリ三人が目を輝かせる。思った以上に作るの大変だったわ、過剰装飾は普段やらねえし。

 

「さっすがユーくん、主役は遅れてやってくるもんね!」

 

「お前さっきと言ってること180度変わってるぞ」

 

「麒麟的には、女装した遠山様も見たかったですの!」

 

「苺もですの!」

 

「あ、実はアタシも……」

 

「いややんねえよ」

 

 露骨に残念そうな顔すんなって、俺が悪いみたいだろ(白目)

 

「しまった、誕プレとしてお願いすれば良かった……!」

 

「お前たまには別のもの言えよ」

 

「愛をください!」

 

「投げたのはお前だろ」

 

「ぐぼあ!?」

 

 あ、死んだ。まだ引きずってるっぽい。

 

 まあそんなこんなでゲーム、漫画、コイバナなど、各々好き勝手に遊びながら理子を祝ってやる。多分一番幸せなの火野さんじゃねえかな、定期的にヘブン状態だったし。

 

「遠山様、ここからですの!」

 

「男を見せるですの!」

 

 帰り際のロリ姉妹にそんなことを言われたけど、前回見せようとしたら強制キャンセルされたんだよ(真顔)

 

「いやー、ひーちゃん(火野ライカのこと)顔が緩みっぱなしだったねー。大丈夫かな?」

 

「CVRトラップ的にはもうダメだと思う」

 

 あれは全身沼に浸かってるわ、しかも自分から望んで。

 

「……えーと、あのさ、ユーくん。二人っきりだね?」

 

「何だ今更、珍しいことでもないだろ。というかまだ気にしてんのか、ホワイトデーのこと」

 

「そりゃまあ……ごめんね? ホントに」

 

「いーよ別に、もう三回目だし」

 

「ぐふう!? 誕生日くらい理子をイジメるのやめない!?」

 

「自業自得って知ってるか?」

 

「そんな言葉で理子は自分を抑えられねえ!」

 

 知ってた。まあお詫びとして理子特製ホットケーキ(激甘)を食わせてもらったし、これで水に流そう。

 

「あ、そうだこれ。誕生日プレゼント」

 

「わっほい! ありがとユーくん! なにかなーなにかーーってあの、ユーくん? これって……」

 

「誕生石ってことで、カイヤナイトを使ってみたんだが」

 

「いやそうじゃなくて、そうじゃなくて!?」

 

「何だ、気に入らなかったか?」

 

 素材から用意して作ったんだが。まあデザインは俺の好みだしな。

 

「いや違うよ!? デザインも理子の好みだし、嬉しいんだけど、嬉しいんだけどこれは……」

 

 あーうー、うぼあーとか言いながら、理子は手にした小さな箱ーーその中に収まっている指輪を見て、変な声を上げる。

 

「……なんで指輪? アクセサリーは良く作るけど、ユーくん他人にあげるのはこれだけはやらなかったじゃん」

 

「前回本気度が伝わらなかったと予測したから、こっちにしてみた」

 

「いやそれわざと外してるよね!? 確かにこっちなら本気だって伝わ、る、けど」

 

 箱を両手で握りしめたまま、理子は赤くなって俯いてしまう。しおらしいと長子狂うんだが。

 

「理子」

 

「……っ」

 

 名前を呼ぶとビクリと肩を跳ねさせ、理子は座ったまま後ろに下がった。その分、俺が距離を詰める。

 

 下がり、詰める。続けていたら理子は壁際に追い詰められ、困惑と羞恥の赤い顔でこちらを見つめてくる。

 

「……あう。ゆ、ユーくん、近い……」

 

 音も立てず壁に手を付くと、理子は益々混乱した顔になる。こういうの壁ドンっていうんだっけ、別に追い詰めるつもりはないんだが。

 

 一歩でも動けば唇が触れ合う距離で、俺は口を開く。

 

「……怖いか? また失うのが」

 

「ーーーーっ」

 

 そう告げると、理子は再び顔を伏せーー泣きそうな声で、ポツリポツリと語り出す。

 

「……理子ね、子供の頃は本当に幸せだったんだ。お父様がいて、お母様がいて、友達もいた。お屋敷の中で何不自由ない暮らしをしていて、こんな日が続くことに何の疑問もなかった。

 ……でも、そうじゃなかった。二人とも死んじゃって、ブラドが来て、檻の中に閉じ込められて、形見のロザリオ以外全部失って。

 ……その時、思っちゃったんだ。幸せも隣にいる人も、当たり前に無くなっちゃうんだって。そう思うと、大事なものを持つのが、怖くなって……」

 

 ……ブラドが残した傷は、復讐を果たした今も深く残っている。理子にとって、幸せとは吹けば飛ぶような儚いものでしかないのだろう。

 

「ユーくんのことは、大好きだよ? 他の人にあげるのなんて、本音を言うならユキちゃんやリサ、めーちゃんにもあげたくないくらい独占したいくらい愛してる。

 一緒に依頼をこなして、ご飯食べて、バカやって、イチャイチャして、ずっと一緒にいたいと思ってる。

 ……笑っちゃうよね。もう抜け出せないくらい好きなのに、最後の一歩が踏み出せないんだからさ」

 

「……」

 

 泣き笑う理子の顔は、酷く美しくーー己の感情の矛盾を自覚し、苦しそうなものだった。

 

「でもね、ダメなの。ユーくんと恋人になれて死んじゃったりしたら、理子は耐えられないの。また不幸になるのがーーううん、違う。一人になるのが、怖いの。暗闇に戻るのが、怖いの。 

 だって、ユーくんーー理子が知ってる誰よりも、いつだって死んじゃいそうだもん。死ぬの、受け入れてるでしょ?」

 

「……そうだな、その通りだよ」

 

 潤という人間は、魔術師でも武偵でも、死を受け入れている。人を呪わば穴二つ、殺されたって文句が言えないのは当然だろう。

 自分だけは生き残る権利があるなどという傲慢は、持ち合わせていない。否定してもいいが、それは嘘よりも質の悪い空虚な言葉だ。

 

「……それに、ユーくんがどこまで愛してくれるか分からないもん。好きって想われてるとは想いたいけど、愛以上のものがあれば、そっちに行っちゃう気がする……

 ……う、ヒック。ごめんねユーくん、勝手に暴走して、勝手に決めつけて。でもね、理子はーー」

 

「理子」

 

「……? ユーくーーふみゃ!?」

 

 カーテンを閉めた部屋で静かに泣く理子に、出来るだけ優しく声を掛けーーその額に、デコピンしてやった。

 

「あうう、かなり痛いい……ユーくん、何するのさあ……」

 

「勝手に暴走した分だよ。……まあ、否定は出来んけどな。口でも行動でも、本当の意味で信頼されることはないだろうし」

 

「……」

 

 額を抑えながらも理子が申し訳なさそうな顔をしているが、積み上げてきたものによる自業自得なのだから、当然だ。

 

「……だから、俺はこれを持って証明としよう」

 

 亜空間から取り出したるは、魔術によって形作られた一枚の用紙。理子はそれを訝しげに見てからーー驚きに目を見開く。

 

「……ユーくん、これって」

 

「お察しの通り、『魂約(こんやく)』の契約分だ」

 

 対象二人が本心からの合意の元、魂の一部を共有することで力を得る契約術式、『魂約』。その代償は、『どちらかが死ねばもう片方』も死ぬという、神代のある戦乙女が造ったといわれる魔術式。名前を書く部分の片方には、俺の名前が刻まれている。

 

「……ユー、くん。どうして、ここまで」

 

「……ああ、そうだな。この選択は、非合理的だ。何せ強くなるとはいえ、死ぬ確率が格段に上がるんだからな。

 でもな、理子。俺はそんなリスクを背負ってでも、魔術師であった頃の自分に唾棄されようと。

 ・……お前の不安を殺して、その想いに応えてやりたい。いや、信頼されるために想いを伝えたい、って思っちまったんだよ。文字通り、命を懸けてでもな」

 

「……っっ!!」

 

 驚きと嬉しさ。そんな感情が混ざった目を向ける理子を見て、改めて確信する。

 

(ああ、そうなんだよな)

 

 バカキャラ演じて、実際バカやって、弱さにコンプレックス持ってて、それでも折れずに進んで、悪戯好きで、狡猾で、バトルジャンキーで、それでいて肝心なところでは億秒で、迫る癖に攻められると弱くて、矛盾だらけで弱い癖に、抗い続けてーー

 

 二年間。たったそれだけの期間だが、ずっと見てきたこいつ、峰理子にーーいつの間にか、魅かれてしまったのだろう。いいとこも、悪いとこも含めて全部。

 

「……っ」

 

「おっと」

 

 我慢できなかったのか、理子から抱き着いてきた。顔を胸に埋めたまま、ゆっくりと語り出す。

 

「……理子、不安ばっかりなっちゃうよ?」

 

「知ってる」

 

「独占欲、強いよ?」

 

「知ってる」

 

「大好きなユーくんを、疑っちゃうよ?」

 

「知ってる」

 

「……本当に、ユーくんをーー潤を愛しちゃって、いいの?」

 

「ーー愛していいし、愛させてくれ」

 

 理子の背中に手を回し、痛いくらい強く抱きよせる。小柄な体から伝わってくる鼓動は、おかしくなりそうなほど大きい。

 

「理子、好き、大好き、愛してる。だから、一緒にいよう。

 死ぬときは、一緒で」

 

「……うん、うん。理子も大好き、愛してる。だから、一緒にいたい。

 ……あは。なあんだ、こんな簡単に、言えちゃうんだ」

 

「肝心なとこで悩みすぎなんだよ、お前は。巧遅が過ぎるんだ」

 

「むー、しょうがないでしょ? ユーくんこそ、普段は思慮深い癖にいざって時は拙速なんだから」

 

「決断する時に止まってられないだろ」

 

 お互いに睨み合いーー同時に噴き出した。やっぱり、この遠慮なく言える距離感がいいんだよな。

 

「……うん、じゃあこれでカップル成立だね! 改めてよろしく、ユーくん!

 あ、でも一つだけお願いがあるんだ。魂約はしないで貰えるかな?」

 

「……あん? いいのか?」

 

「うん、いいの。りこりんはユーくんを独占したいけど、自由にも生きて欲しいと思う理解あるカノジョですから!」

 

「そりゃまた、寛大な恋人に感謝だな」

 

「くふふ、でしょー? だからその分ーーんっ」

 

 理子が顔を近付け、軽く唇を合わせる。魔術的な効果は何もないがーー

 

「ーー理子に溺れさせてあげる。潤がもっと好きになって、心の中にいつでもいて、求めずにはいられないーーそんな共依存の関係に、なろ?」

 

「……それは、怖いな。でも、何故かーー魅力的に思っちまう」

 

「くふふ、でしょでしょー。ダメになるくらい、ユーくんを愛してあげる」

 

「じゃあ俺は、溺れるくらい理子を愛するか。

 なら改めてーーこれからよろしく、愛する人」

 

「うー、らじゃ!」

 

 

おまけ 理子が潤にあすなろ抱きされた状態での会話

「ところでよ、恋人って何するんだ?」

 

「えーそれはあれでしょー。一緒にお買い物行ったり」

 

「いつも言ってるじゃん」

 

「ドライブしたり―」

 

「この間四国一周してきたな、バイクで一緒に」

 

「オシャレなカフェ行ったり―、ゲーセン行ったり―」

 

「甘味もハイスコア挑戦もやってるな」

 

「……ほとんど変わらないネ!」

 

「中々恋人にならなかった理由が分かった気がする」

 

「あ、でも一個明確に違うのあったよ!」

 

「というと?」

 

「えっちいこと! くふふー、りこりんは美味しいですよー?」

 

「……ふむ」グイッ

 

「ーーふえ? ユーくん、急にどうしーーんむっ!?」

 

「……ぷはっ。甘味とは違う甘さがあるな」

 

「ふみゅっ……にゅああ!? ゆ、ユーくん、何しゅるの!?」

 

「あーいや、その……何か急に愛しいというか、理子が欲しくなって」

 

「ふえ!? ……デジマ?」

 

「デジマ」

 

「「……」」

 

「……うん、なんかーーすっごく、理子が欲しい」

 

「あ、ユーくーー」

 

 

おまけ2 誕生日の後

「ううううう、ユーくんのバカバカバカ!! スケベ大魔神!!」

 

「スケベなことしたのはお互い様だろ。何故そんな蔑称を受けねばならないし」

 

「すーこーしーはー恥ずかしがれコノヤロー!! 大好き!!」

 

「はいはい、俺も愛してるよ」

 

「えへへー……」

 

(((チョロイ)))

 

「ほらほら二人とも、ご飯出来たよ? 今日はお赤飯にしたから」ニコニコ

 

「……ねえメヌ、白雪の笑顔がなんか怖いんだけど。というか人が武装検事に説教させてる間、何してるのよアイツら」

 

「ナニでしょうね。お姉様でも分かるくらいには、複雑なものが胸中で渦巻いてるようです」

 

「どーいう意味よそれ!? というかここでガチの修羅場起こるんじゃないでしょうね?」

 

「大丈夫ですよ。どうせ理子一人で終わるわけないですし」

 

「そんなどっかの落第騎士みたいな展開、ごめんなんだが」

 

「浮気はギルティだよユーくん!」

 

「同性限定とはいえお前が言うか。そもそも、俺に複数人を愛する器はねえよ」

 

「大丈夫ですよジュン、愛せるかじゃなくて愛され包囲網は決定事項ですから」

 

「妹も付いてくるよおにーちゃん!」

 

「ナニソレコワイ」

 

「むう……!」プクー




 あとがきは次の話に書きます。読んでくださり、ありがとうございました。

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

  • 読みたい!
  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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