ゲート チート自衛官 彼の地にて理不尽に戦えり 作:メガネ二曹
夏休み、思ったより忙しいですメガネです。
投稿遅れて申し訳ない。
さて。今回は自衛隊要素薄め……というか後半は急展開です。
では、本編をどうぞ。
「さあ、もうすぐ到着ですぜ。二尉、準備させといてくれ。」
「了解。テュカ、レレイ、ロウリィは降りる準備。暁は小銃を持って一番最初に降りてくれ。何かあったら絶対に三人を守れ。俺は大丈夫だ。」
「了解。任しといて下さい。」
暁は小銃に実包入りの弾倉を差し込みながら答える。
「栗林、富田は残って第二会場へ。ピニャ殿下とボーゼスさんの警護は公安と警察がやるそうだから大丈夫だけど警戒は怠るな。」
「「了解」」
「殿下とボーゼスさんは、二人と一緒に別の会場へお願いします。あ、非公式なのもあるので、絶対に二人の目の届かない場所には行かないで下さい。」
「わ、わかった。」
「ようし。じゃ、気合入れてけ!」
「「「応っ!」」」
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「伊丹二尉、国会へ到着しました。」
バスを運転していた警察官がそういうと、ドアが開く。
「よし。暁、行ってくれ。テュカ達も来てくれ。」
は、小銃を持ち、警戒しながらバスを出る。その後ろにテュカ、ロウリィ、レレイ、伊丹が続いて行く。
外にはスーツ姿の男と、数名の警察官が待っていた。
「お待ちしておりました。伊丹二等陸尉、特別地域からの参考人の方々、警護の暁二等陸曹ですね?」
レレイが頷き、暁と伊丹が敬礼する。
「ご案内します。どうぞこちらへ。」
「隊長、俺が最後尾で行きます。」
「判った。頼むぞ。」
暁は最後尾に回ると、槓桿を引き、初弾を装填した。
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「あーあー。つまんないなー。」
薄暗いオフィスビルの一室。
並べられたデスクに腰掛けた少女はそう呟き、何かを蹴った。
蹴られたそれは、灰色のカーペットに赤い線を描きながら壁まで転がり、座り込んでいる左腕と右足が無い男の足に当たって止まった。
「工作員は強いって聞いて寄り道してみたけど……大した事無いなぁ。期待して損したよ。ボクの時間をどうしてくれるのさ?」
少女は机に置いてあったボールペンを握ると机から降り、男の目の前でしゃがむ。
「ねえ?生きてんでしょ?ボクの質問に答えてよ。」
「……黙れ化け物。」
「酷いなー。女の子に化け物って。失礼だよ?」
「へっ……可愛いとか冗談だろモンスター。女の子だなんて笑わせるぜ。」
「むっ、つくづく失礼だなーおじさん。ま、どうでもいいや。」
少女は立ち上がる。
「どうせ死んじゃうんだし。」
少女は、笑顔でそう言った。
「……化け物が!」
男は残った右腕で拳銃を取り出し、少女に向かって乱射した。
燻った真鍮の薬莢がカーペットに散乱し、マズルフラッシュが部屋を照らす。
弾倉内の弾丸を撃ち尽くした拳銃は、ホールドオープンし、沈黙する。
「はあ……無駄だって言ったのに。まあ、そういうの嫌いじゃないけどね。」
拳銃弾をマガジン1本分、至近距離で喰らったハズの少女は平然とした顔でそういうと、手に持つボールペンを男の肩に突き刺した。
男に鋭い痛みが走り、呻く。
ボールペンは肉をえぐり、かなり深く突き刺さっていた。
「そろそろ行こうかな……じゃあねおじさん。」
少女はボールペンを手放すと、コートから紙を取り出し、それを破る。
破れた紙は淡い紫色の不気味な光を発する。
そして、男に刺さったボールペンも、同じように光った。
そして次の瞬間。誰も触れていないボールペンが勝手に動き出し、男へどんどん深く突き刺さっていく。
「があっ!……畜生……待ちやが……れ……」
少女はそれを無視し部屋を出て行く。
ドアが閉まり、部屋は一瞬の静寂に包まれ、そして。
「?!がっ!…………あ………………ああ…………あああ!」
男の悲鳴と、何かが飛び散る音が響く。
ほんの数ヶ月前まで多くの会社員が働いていたオフィスは、屍と薬莢、血液が散乱する地獄と化した。
「ああ!速く会いたいなぁ♡」
薄暗い廊下に、少女の嬉しそうな声が響く
「待っててね♡半天使の自衛官さん♪」
頬を桜色に染め、屈託の無い満面の笑顔。
少女の目は、狂気と慕情で深く混沌に染まっていた。
いやー、疲れた。
慣れない事するもんじゃありませんね。
恐らく初めて、女性キャラをまともに真面目にオリジナルで考えました。
ま、俺の性格と性癖と好みの関係で、「普通の女の子」になんてなりませんけどね。
暁と絡ませる女の子は、まともなキャラだと難しいです。
目には目を。歯には歯を。魔法には魔法を。異常者には異常者を。
どうなるかは今後にご期待下さい。
……工作員がかわいそうになってきた。
まあ慈悲は無いけどね