ゲート チート自衛官 彼の地にて理不尽に戦えり 作:メガネ二曹
メガネです。
……言い訳をしておきますと中間テストがありました。
…すみません。
ま、まあダラダラ言い訳をしててもしょうがないので、さっさと始めます。
門。
突如として日本に現れ、銀座に悲劇をもたらした、異世界へのゲート。
そして、今。
数人の人間(+α)が、門を超え、日本の土を踏んだ。
ゲートを覆う、分厚いコンクリートのドームの扉がゆっくりと開き、光がと冷たい風が差し込む。
伊丹や、富田達の故郷。日本の光だ。
ーー
武装した暁を先頭に、一同は門から出る。
真っ白な曇り空に目が一瞬眩むが、すぐに目が慣れた。
ふたたび回りを見ると、アスファルトに、立ち並ぶ四角いビル。
紛れもなく、日本。銀座だ。
「これが……ニホン……」
「なんという構造物だ…いったいどれほどの高さがあるのだ…」
「中に人……ということはぁ、あれは住居なのかしらぁ?」
「いや、中の人間は今アカツキが着ているメイサイフクと同じ柄。おそらく、ニホン側のジエイタイ。」
「居眠りしてるわね…ということは、あれは兵舎?」
「あの透明な壁がたくさんついた建物がぁ?…ニホンの人は見られるのが好きな変態なのかしらぁ?」
日本の感想を自由に述べている特地からの使節に、伊丹や暁達は苦笑いする。
「なんか、あらぬ誤解をしてますね…」
「見られる方が良いってのは、隊長だけですもんね!」
「俺にそんな特殊な趣味はねえっ!」
「まあまあ隊長。認めて下さい。」
「暁までっ!おじさん泣いちゃうよ?!」
「見苦しいんで、私達に見えない所で泣いてきて下さい。」
「随分と辛辣だな!」
暁と栗林の言葉に、伊丹が激しく抗議する。
「まあ……その……隊長。…人間、それぞれ個性がありますし…」
ここで富田の1発が入る。…本人はフォローしたつもりだろうが。
「……もうやだ……部下に虐められた……訴えてやる……」
「すいませんすいません。久しぶりの日本でうかれちゃって!」
栗林が手を合わせて謝る。
「おう。随分と、楽しそうじゃあないですか。」
「!!」
突然の後ろからの声に暁が反応。暁は、持っている89式小銃の銃口を、声の主の眉間に向けた。
「おおっと!!勘弁してくれ。敵じゃあないぞ。」
声の主は突然驚きながら両手を上げる。
「!!…すみません。いきなりだったもので。」
暁は謝ってから銃口を下ろした。
「あなたは?」
「情報本部から来ました。駒門です。今回、特地からの使節の警護に当たらせて頂きます。…そちらは、暁二曹かな。」
「はい。」
「上からの指示だ。二曹は伊丹二尉と特地からの来客の内、三名を警護せよ。ほかの来客については、こちらで対処する。」
「了解。」
「…で、あなたが伊丹二尉ですか?」
「あ、はい。」
伊丹は書きかけの書類を机に起きながら答える。
「噂は聞いてますよ?それとついでに色々調べさせて貰いました。」
「色々?」
「伊丹耀司二等陸尉。平凡な大学を出て、一般幹部候補生で入隊。成績はブービー。部隊配属後の勤務はギリギリ可。見かねた上官が幹部レンジャーに放り込み、なんとか終了。……その後がちょいと面白かったよ。」
「…」
…レンジャー資格取得後、習志野駐屯地に異動。そして、S。特殊作戦群に異動。」
「…よく調べてるよ。」
伊丹が苦虫を噛みつぶしたような顔になる。
…だが、そんな伊丹よりも酷い状態の人間が、暁の後ろでうずくまっていた。
「嘘……そんなの嘘………こんなのが特殊作戦群?……認めない……認めない……」
暁と富田の背骨が震える。
「お、おーい、くりぼー、大丈夫?」
暁が顔の前で手をふる。……反応は無い。
顔を覗くと、目のハイライトが消え、いわゆる「レ○プ目」になっている。
これ以上の接触はこちらに害があるかもしれないと判断した二人は、そっと元の場所に戻った。
「…栗林は?」
「この世の不条理を呪ってます。」
「あらら。聴かせないほうが良かったかねえ。」
顎を弄りながら、駒門が笑う。
「でもね、伊丹二尉よりも面白いのがいましたよ?」
「誰です?」
「暁二曹。あなたですよ。」
それを聴いた暁が、目を細める。
「暁二等陸曹。6年前、一般曹候補生過程で入隊。こちらは伊丹二尉とは対照的に成績優秀。後期教育は空挺過程。その後習志野駐屯地へ配属され、空挺レンジャー過程を終了。数年間第一空挺団で過ごし、その後、第1普通科連隊へ異動。銀座事件に際して出動。…ここまでは普通だ。」
いろいろ普通じゃないが。
「その後はあんたら皆知ってるだろう?特派の第2自陣で派遣され、3recに配属。」
「と、この辺は変じゃない。だが問題は、入隊前だ。暁二曹、あんた、7年前まで戸籍がねえだろ。」
「…よくご存じで。」
「あんたの経歴はこうなってる。平凡な家に、東雲って苗字で生まれ、小、中、高と普通の学校を卒業。両親が他界し、暁家に引き取られた。…だが、いくつかおかしいとこがある。死んだあんたの両親は、そもそも元々存在していない。ついでに、あんたの通ってた高校の卒業生に、あんたの名前は無い。」
「…」
「こりゃ、どういうことだ?あんたは本当に、信用出来る人間か?」
「…俺は服務の宣誓をした自衛官だ。スパイじゃない。…信じろとは言わないが、少なくとも俺は隊に尽くすつもりだ。恩があるからな。俺の経歴については今度、しっかりとした場所で話すよ。」
「…解った。この話は後にしようか。…全員、このバスに乗ってくれ。」
暁君の経歴曝しの回~
…といっても全部じゃ無いですが。
僕の前作読んでた人は全部わかると思います(現在は非公開なので読めません)
まあ、いつか全てを知れますよ。ではでは。