ゲート チート自衛官 彼の地にて理不尽に戦えり   作:メガネ二曹

31 / 35
どうも。ドグマ初めました。
高校生のメガネです。
授業が辛くて眠くてしょうがない····
でも明日は機械の実習だーやったー
ではGO。


開いたゲート

―朝。アルヌス駐屯地、ゲート前。

 

そこには、二人の男が立っていた。

 

左の男、名は暁。

 

迷彩服に弾帯、サスペンダー、弾倉、マガジン、水筒、そして小銃を持っている。

 

左腕の腕章には、要人警護の文字が。

 

厚い生地の迷彩服を長袖で着て、日に当たっているが、汗をかいたり疲れた様子はない。

 

彼の体はほとんどが作り物。熱を受け付けない物質で出来ている為、汗を使って冷却する必要も、暑さを感じることも無い。

 

例え感じても、血管も、筋肉や骨すら通っていない彼の体は、汗を一滴も出さないだろう。

 

右の男、名は伊丹。

 

ただでさえ暖かい特地なのに冬用制服を着込まされ、制帽を被って、荷物をもっている。

 

手にはカバンと緑の上着。

 

防衛記念章も徽章も付いていない、階級章と名前だけの上着は、なにか寂しい。

 

そして暁とは対照的に、汗だくだくである。

 

「暑いってわかってんのになんで冬服きてんの?バカなの?」と思わないであげて欲しい。

 

何故なら、ゲートの奥。これから彼が行く祖国、我らが日本は、現在冬なのだ。

 

たまに資材を積んだトラックが通り、ゲートが開くたびにこちらに冷風が吹き込むのだが、

 

たまらなく気持ちいい。

 

そのため、彼は開くたびにゲートに向かって腕を広げ、風を受けていた。

 

それほど暑いのだ。

 

しかもこの時間帯。

 

日は上り、朝露を蒸発させている。

 

そのため、ムシムシした暑さが周囲を包んでいるのだ。

 

「····暑い·····暑い·····なぁ、暁、」

 

「なんですか?」

 

隊長がだるそうに話かけてくる。

 

「お前暑くねえの?」

 

「まあ、体が少々特殊な構造ですからね。」

 

「作り物···だっけか?結構うらやましいな。自由に動くし、動力もいらないんだろ?」

 

俺は苦笑いする。

 

「結構不便っすよ?指紋が無いから色々めんどくさいし、コタツとかでぬくぬくしててもあんまり暖かくないし。あと調子悪いと、完全に感覚が抜けます。」

 

「マジか。お前も苦労してんだな。」

 

「···ま、戦闘に支障は無いですし、いいんですけどね。俺、戦う以外出来ないし、やったことないんで。」

 

「···お前、彼女とか居たことねえの?」

 

「高一の時居ましたよ。愛想尽かされました。」

 

「作らねえの?」

 

「作り物で人殺しの化け物と付き合いたいヤツ居ないでしょう、?」

 

「暁···お前、「隊長ー」

 

伊丹が何かを言いかけると、後ろから声がした。

 

振り向くと、栗林と富田、そしてテュカ、レレイ、ロゥリィ、ピニャにボーゼスが居た。

 

「すいません、準備に手間取ってしまって。」

 

「いいや、良いよ。ははは。」

 

伊丹は苦笑いだ。

 

恐らく頭の中では「もっと速くこいよ畜生」とか思っているのだろう。

 

そんな事を考えていると、レレイ達に声をかけられた。

 

「アカツキ、」

 

「ん?どした?」

 

「ショウジュウがいつもと違う。ダンソウが曲がっているし、アクハの形状も異なる。そして何より、ぐりっぷと、すとっくの素材が違う。」

 

「本当ねぇ?」

 

「いつものより、少し短いわね。」

 

「ああ、コイツは89式小銃。自衛隊で制式採用されてる小銃だ。」

 

「?ジエイタイで制式採用されているのは、「ロクヨンシキショウジュウ」ではなかったのか?」

 

「64式は日本では退役済みの旧式なんだよ。陸自の部隊じゃもうほとんど使われてない。教育隊でも今は89さ。」

 

「?!そ、それは本当なのかアカツキ殿!」

 

ピニャが何故か驚いた表情でこちらを見ている。

 

「?はい。64式は、もう40年近く前から使われてましてね。1989年から89式に変わってます。今ココに持ち込まれてたのは、予備として倉庫に置いてあったヤツです。」

 

「あれが····40年前の旧式だと····?ほ、他の装備はどうなんだ?センシャとかは!流石に最新の兵器だろう?」

 

「ええっと、74式戦車はまだかなり使われていますが、最新のは10式です。74式は約35年くらい前からですね。ちなみに74式と10式の間に90式というのもあります。」

 

「た、大砲は?!」

 

「退役済みのが優先配備されていますが、現用の物もそれなりに持ち込まれています。」

 

「へ、へりこぷたぁは?!」

 

「あれは現用です。」

 

ピニャは少しほっとする。

 

流石に、帝国軍を圧倒的な力で蹂躙した装備が、あちらでは旧式だというのには耐えがたかったらしい。が、一部最新の物が使われていたので、少し安心したようだ。

 

(それでも30~40年は使ってますとか言ったら、絶望した顔になるんだろうなぁ···言わないでおこう。)

 

そんな暁を尻目に、何故かピニャはほっと息をつくのだった。

 

――――――

 

「ゲート、開きます!」

 

門の管理をしている自衛官の声がすると、門を覆っていたコンクリートのドームの扉がゆっくりと開いていく。

 

そして、ゲートが見えた。

 

真冬の日本からの冷たい風が吹き込む。

 

「じゃあ、行こうか。」

 

 

 

「日本へ。」

 

 

 

そして、レレイ、ロゥリィ、テュカ、ピニャ、ボーゼスの五人は、未知の日本へと、

 

暁、伊丹、栗林、富田は、久しぶりの祖国へと踏み出した。




前回よりはマシかな。
ではでは。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。