ゲート チート自衛官 彼の地にて理不尽に戦えり 作:メガネ二曹
メガネです。
やっと投稿です。まあ今回は感覚を取り戻す為の慣らし運転みたいなのなんで短めですが。
そのせいで、今回、暁くんの出番が一切ありません。
参考人招致編ではチートの予定なんで、許して下さい。
ではどうぞ。
朝5:00。
日の出前のイタリカ、フォルマル伯爵邸の一室では、顔に赤い跡をつけた伊丹と、その部下、そして手を押さえつけられ、完全武装の暁と富田に挟まれたボーゼス、達が集まっていた。
帝国の皇女、ピニャの姿もある。
···彼女は、頭を抱え、唸っていた。
それもそのはず。こちらの失点を消す為に、伊丹の所にボーゼスをやったのに、失点が増えていたのだ。
メイド曰く、「いきなり入ってきたボーゼスがイタミに暴行を加えた。」と。
···なんでこうなった。
考えれば考える程頭痛が酷くなる。何故自分はこんな目にあわないといけないのか。
そうやって考える内に、頭痛が酷くなっていく。
これ以上考えた所で頭が痛くなるだけ無駄だ。そういう結論を出したピニャは、伊丹達、「ジエイタイ」に許される為にどうすればいいかを考える。
···もう一度籠絡を?
いや。ダメだ。もう朝になってしまう。それに行かせる人間が居ない。ただでさえ人員が不足しているのだ。
···いっそ全員を倒して隠滅する?
いや。不可能だ。あの数の盗賊を滅却し、単独で我々を制圧するような連中と戦える訳が無い。逆に皆殺しにされる。
···いっそのこと、頭を下げて慈悲を乞うか?
これが現実的だろう。イタミの様な下級士官相手に頭を下げるのは何か癪だが、この際仕方が無い。
···だがしかし、どこで謝罪をするべきか。
やはりしっかりとした場が好ましいし、誠意を伝える為、それなりの格好、それなりの用意が必要だ。
ならばしばらく準備をしなければならない。
··そんな事を冷静に考えていたピニャだが、富田の次の一言で一気にその冷静さは打ち砕かれた。
「あの、···自分たちは隊長を連れて帰りますんで、後のことはそちらで···」
―終わった。死刑宣告にも等しいセリフだ。
「ままま待ってくれ!えっと、あの、その、···あ、あれだ、あの、朝食を一緒に食べていかないか?は、腹もへっておろう!」
「いえ、お構い無く。···というか隊長、国会からの呼び出しがあって、昼前には帰隊していなければいけないんです。」
倉田の言葉をレレイが翻訳すると、ピニャはさらに青ざめた。
「こここ国会?よ、要するに元老院か?」
そう。ピニャは、伊丹が国会にこの協定違反を報告し、日本が戦争を仕掛けてくると勘違いしたのだ。
(どどどどうすれば良い!どうすれば!···このままではあの地獄が、帝都に·······)
ピニャは考えた。
必死に考えた。
国の為、自分たちの為に。
今やらねばならない事はなんだ?
―話し合い、そして元老院への報告の阻止だ。
―どうすれば阻止できる?
―伊丹より高位の者に、伊丹を説得してもらうしかあるまい。
···ならばやることはただ1つ。
私が、直々にアルヌスに居る敵の指揮官···ジエイタイの司令官の下に赴き、直接話す。
その為には···
「···伊丹殿ッ!」
「は、はい」
「妾も····妾もご同行させて貰っても良いだろうか。···今回の件、あなた方の上官に、正式に謝罪したい!」
「えっ?·····ええええええ!!!」
「構わんな!」
「いや···あの、ちょ」
「か!ま!わ!ん!な!!」
「え、あ··········はい。」
伊丹は、面倒事の予感がして、ガックリと項垂れた。
マジで主人公要素ねえな・・・
またこれからもよろしくお願いします!