とある魔術の人類超越   作:さくそう

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神代優斗

ここはスキルアウトが集う裏路地。そこにある廃墟ビルに優斗はいた。部屋にはソファ二つと冷蔵庫しか無く殺風景だがこの部屋一体はこのビルにミサイルを撃ち込んでもこの部屋だけ残る程の頑丈なフレームで覆ってある為奇襲などの心配がない。ソファに座り冷蔵庫から取った水を飲んでるとどこと無く急に由利が現れた。

 

「も〜折角今から寝ようと思ってお風呂入ったのに〜」

「来て早速愚痴言うなよ。和正はまだなのか?」

「和正は少し遅れるって言ってたよ〜」

「じゃあ先に行ってるか。電話でも行ったけど12学区の研究所内の研究者及びデータの排除。明日学校だから早く終わらせるぞ。てことで研究所まで頼むぞ。」

「了解で〜す。」

 

 

 

研究所に着くと早速二手に分かれ仕事を始める。いつものように研究者を殺す。何回も仕事をして行くうちに人を殺すのが流れ作業のようになっていく。研究者達は助けてくれ、なんでこんな目に、涙を流しながら研究者達は死んでいく。

 

(一体いつからだ、こいつらを殺しても何も思わなくなったのは。)

 

淡々と研究者達を殺しある一室に入った。そこには研究者達はいなかったが研究台の上に一人の少女が拘束されていた。その少女の元へ行くとかなり衰弱していたが行きはあった。

 

「お、お兄ちゃん誰?あの白い人達のお友達?」

「...いや、あの人達のお友達じゃないよ。君をここから救いに来たんだ。」

「本当に?もう怖い事されないで済むの?」

「あぁその為に俺は来たんだ。他の君のお友達はどこにいるか知らないかな?」

「ううん。もうここには私だけだよ。」

 

もうと言うとはまだここにはこの子の様な子が数人いた。だがここにはこの子しかいないという事は他の子は皆死んでしまったという事だ。

 

「そうかじゃあここから出してあげるからここで少し待っててくれ。」

少女を台から降ろし能力で少女の容体を診た。

 

(衰弱はしてるけどまだ助かる範囲だ。)

 

少女の体を治しこの部屋から出ようすると。

 

「ありがとうお兄ちゃん。」

 

少女は泣きながら優斗にお礼を言った。少女の頭を2、3度撫でこの部屋を出た。

この研究のデータを管理する部屋行きUSBを刺すと研究所のデータが次々と消去されていく。その様子を見ながら優斗は自分の幼かった頃を思い出した。

 

自分も気がついたら学園都市に捨てられていた。『置き去り』学園都市には親に捨てられた子供達を皆そう言う。優斗もその一人だ。優斗も初めは置き去りが集まる施設に入っていた。そこでは同じ置き去りの子供達が沢山いて同じ気持ちを知る同士すぐに仲良くなった。だが能力の有無を調べる為に『開発』を受けたのが優斗の人生をこの学園都市の闇へと落ちるきっかけになった。

研究台に乗せられ色々な薬、頭には多数の電極。それらから読み取られたデータがディスプレイに映し出される。それを見た研究者達は驚愕した。

 

『この能力はlevel5になりうる。』

 

能力が肉体強化と分かりこの少年は人をも超越する存在になる。では肉体強化は何をどこまで耐えうるのか。そこからは地獄だった。

 

肉体強化は一体何度まで耐えられるのだろう。

肉体強化は一体何トンまで耐えられるのだろう。

肉体強化は一体致死量の何倍までの毒に耐えられるのだろう。

 

何度殺されかけたか。その体は何度も殺され何度も肉体強化で再生される。毎日死ぬほどの経験をした。毎日痛みで叫んだ。ある日を境に身体の強度実験が終わった。もう地獄から解放されると思った。だが学園都市の闇は優斗を再び光へと帰さない。強度実験の次は細胞を肉体強化により改変する実験が始まった。その実験自体は痛くなかった。だが心が死んだ。肉体強化によって改変された細胞はすざましいものだった。人に移植すればその人物の体を操りその人物の脳を操る。さらに細胞を移植された人物は100%とまでは行かないがある程度の肉体強化をされた。だがこの細胞はある一定の量を超えると移植された人物が細胞に耐えられなくなり悶え苦しんで死んでいった。毎日細胞を移植された人物の絶叫が聞こえた。自分のせいで人が死ぬ。まだ幼い子供の人格を壊すには十二分だった。

 

気づくと辺りは血の海だった。そして自分の体は返り血で真っ赤だった。自分か何をしたのかを思い出した。だが恐怖は無い。むしろ清々しかった。そう、こいつらは死んで当然の事をした。その日ある研究は中断され一人のlevel5が新たに現れた。肉体強化により人を超越した存在になり学園都市の研究者に怨みを持つ少年。

 

『人類超越 神代優斗』

 

ピーーーーーッ。USBがデータの消去を終えた音でふと我に帰る。

 

(チッ、昔の事を思い出しちまった。)

 

部屋を後にして少女がいた部屋へと向かう。

 

「待たせたね。じゃあ行こっか。」

「うん!本当にもう怖い事されないで済むんだよねお兄ちゃん?」

「あぁ、これからは新しい場所で楽しい事が待ってるさ。」

 

研究所を出る途中で由利にあった。

 

「...今回はその子だけ?」

「あぁ。」

「お姉ちゃん誰?」

「私は井川由利。このお兄ちゃんのお友達だよ。」

「よろしくね由利お姉ちゃん。そういえばお兄ちゃんのお名前は?」

「俺は優斗だ。だけどもうお別れだ。」

 

バチィ電撃で少女を気絶させた。

 

「やっぱりこの子の記憶も消しちゃうんだ。」

「この子には研究所の記憶は重たすぎる。この子が新しくやり直すには余りに辛すぎるからな。」

「...この子には私達みたいになって欲しく無いもんね。」

「その為に俺達はこうして研究者達を殺してるんだろ?」

「そうだね。」

 

ピリリリ。優斗の携帯に着信が入った。

 

『もしかしてもう終わったか?』

『あぁ。』

『どうした?なんか口数が少ないというか元気が無いというか...』

『...いや、何も無い。また仕事が来たら連絡する。』

『はいよ。』

 

「和正?」

「そうだ。じゃあ由利はこの子を施設に送って行ってくれ。」

「了解。じゃまた今度ね」

「あぁ」

 

家に帰る道中自分の昔の事を思い出した。あの実験の事を思い出すと吐き気がする。無意識に拳に力が入る。

 

(もう俺達みたいな子達を増やさない為に俺は学園都市の闇を潰す。絶対に。)

 

くらい道で拳を強く握り優斗は暗闇へと消えていった。




今回は優斗の過去にまつわる話でした

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