「ハッハッハッ...クソッ!何なんだよあいつらは!」
その研究者は赤黒く染まった白衣を纏い、ただならぬ表情で研究所内を走っていた。目には涙を浮かべながら研究者は必死に逃げていた。
全ては急に現れた侵入者からはじまった。研究者達が置き去りの子達を使いいつものように実験をしてると研究所内の警報がなった。すると他の部屋や廊下などから悲鳴が聞こえたそれを不思議に思った別の研究者が扉を開け廊下を確かめた瞬間、その研究者が飛んできた何かによって部屋の奥まで飛ばされた。飛ばされた研究者が自分に飛んできた何かを確認した。
「っ⁉︎」
飛んできたのはここの研究者だ。だが研究者に飛んできたのは頭がなく全身血だらけだった。研究者達が驚いた瞬間部屋に1人の少年が入ってきた。
「ったくよ〜、報告より人数多いじゃねぇかよ。これじゃ報酬2割り増しだぞ」
返り血を大量に浴びた少年が愚痴を言いながら部屋に入ったきた。
『こちら優斗。こっちは最後の奴ら見つけたけどお前らはどうだ?』
『はーい、こちら和正もう終わったぞ』
『由利も同じく』
『じゃあ迎え寄越して子供達を乗せたら待ってろ。あと洗浄液持ってくるよう言っといてくれ。』
『りょうかーい』
無線機のようなもので仲間らしき奴らと連絡を取ると優斗と言う少年がこちらを向き冷たい目で
「こんばんはクソ野郎ども。そしてさよなら。」
次の瞬間少年は拳ひとつで次々と研究者達を殺していった。人間離れした早さに駆動鎧に負けず劣らない力ですぐに研究者達が死んでいった。隙を見て1人の研究者が部屋から逃げ出した。
そして冒頭へ戻る。
(なぜ自分たちが殺される?置き去り達を食い物にしたからか?研究結果がでなかったからか?)
様々な疑問が頭の中でグルグルと回るの。だが一先ずはあの少年から逃げなければ。すると研究所の出口が見えた。
「やった!これで助か...ぶげっ⁉︎」
急に顔面を強く蹴られ研究者は派手に吹っ飛んだ。鼻は折れ前歯も折れ鼻から下が血だらけになった
「ぐぁぁ、一体何が...がはぁ!」
次は腹を蹴られ壁にぶつかった。肺の中の酸素が全て出切りうまく息ができない。声が出ずもがいていると血だらけの少年が目の前にいた。
「痛いか?痛いよな、けどあの子達に比べたらお前の痛みは一瞬だけだ。本当はもっと痛めつけてから殺したいけど時間もないからこれで終わりだ。あの世で懺悔でもしてな。」
最後に研究者の目に映ったのは少年の靴底だった。
研究者を全て排除し研究データも全て消して研究所を出るとトラックと黒いワゴンが止まっていた。
「優斗遅〜い。みたいドラマ始まっちゃうじゃんよ〜。それに血生臭いし〜。」
「うるさいな、録画位しとけよ。和正洗浄液くれ。」
「はいよ。いつも思うけどお前も他の能力使えばそんなに血だらけにならないのに何でいつも肉弾戦なんだよ。」
「素手の方が殺したって実感があっていいんだよ。」
「やだ優斗悪趣味〜w」
「黙れこの野郎。」
「いった〜い。デコピンされた〜。」
ポリタンクに入った洗浄液を頭から浴び体に付いた返り血を落とし黒いワゴンに乗り研究所をあとにする。
「あ〜!ドラマ始まっちゃてるよ〜。」
「だから録画しとけって言ってんのによ」
「私はテレビは生で見る派なんです〜」
「別に録画も生も変わんないだろ。なぁ和正?」
「俺は録画派だな。cmとかめんどいし。」
「2人は分かってないな〜あのcmがあるからcm後の続きが楽しみなんじゃよ〜」
たわいもない会話をしてると優斗が何かを探しているのかズボンのポケットをいじっている。
「あー携帯アジトに忘れちったよ。おい運転手、アジトに向かうからここで降ろしてくれ。お前ら先に帰ってていいからまた仕事が入ったらアジトでな。」
「おつかれ〜」
「さいなら〜」
アジトで携帯を取り終わり路地裏から出ようとすると常盤台の制服の女子が2人の男に絡まれていた。
「いいじゃん少し俺らと遊ぼうよ。」
「カラオケでも行こうよ。奢ってあげるからさー」
「...」
絡まれているのか常盤台の子は壁に寄りかかり無言のまま腕を組んでいた。
「おい、シカトしてんじゃねぇよ!」
「あんま舐めてんじゃねぇぞおい!」
1人の男が少女の腕を掴んだ。基本優斗は優しい性格だ。仕事関係を覗くと困った人は率先して助ける。
「おいお前らやめとけよ。」
「あ?何だお前?邪魔すんじゃねぇよ。」
「お前痛い目に遭いたくなきゃさっさと帰れよ」
男が少女の腕を離し優斗へと向かってきた。
「お前俺たちの邪魔するとかいい度胸じゃねぇか。」
「お前らその子の制服見てわかんないのか?常盤台は最低でもlevel3だぞ。下手したらお前らその子に返り討ちにあうぞ。」
「ハッ、なら大丈夫だな。俺らどっちも最近level3上がったらばっかなんだよ」
1人の男が手手の平から火の玉を出した。
「丁度いい、お前俺らの実験台になれよ!」
男が優斗に火の玉を投げ出した。
「はぁ面倒くさいな。」
火の玉を流れるようにかわすと
「どうせならこれ位の火出せるようにならないとな!」
男が放った火よりも明らかに大きく火球を作り出した。火の玉を出した男ならすぐに分かった。あれを食らったらひとたまりも無い。それを優斗は躊躇なく男に投げた。
「うわぁぁぁぁぁ!」
だか火球は直撃せず男の横を通り過ぎたがあまりの怖さに気絶してしまった。残りの男は気絶した仲間をみて逃げ出してしまった。
「きみ大丈夫か?」
常盤台の少女に声をかけると。
「あんた何やってくれんのよ。」
「は?」
何故この子は助けたのに「何かやってくれんのよ?」と意味がわからなかった。
「君が絡まれて怖くて能力使えなかったから助けてあげたのにそれはないだろ。」
「別にあんな奴らにビビって能力使えなくなるほど私は腰抜けじゃないわよ。」
「だったら能力使ってさっさと追い払えばよかったのにお前タチ悪いな。」
「なっ⁉︎面倒くさくなったから能力使おうとしたらあんたがタイミング悪く来たのよ!」
「ッチ、助けて損したわ。」
少女の前を通り帰ろうとすると
「待ちなさいよ!あんたのせいで私のイライラをぶつける奴がいなくなっちゃたからあんた私と勝負しなさい!さっきの能力見ると結構な発火能力っぽかったし。」
「嫌だよめんどい俺は帰る。」
「待ちなさいってんでしょ!」
少女が優斗の腕を掴むと
「しつこいな。帰るって言っんだろ。」
すると優斗は急に消えた。
「え⁉︎今の瞬間移動!何であいつ発火能力者じゃないの⁉︎」
少女は後輩の瞬間移動を思い出した。だが瞬間移動の能力では火球は出せずその逆も同じだ
「面白いじゃ無い。この美琴様から逃げるなんて絶対に見つけ出してやるんだから!」
この日を境に少女の戦い相手記録に2人目が乗った
瞬間移動で家に着くと風呂に入って寝室へと向かった。
(あの常盤台の子変な奴だったな。あれじゃまるで戦闘狂だな。)
さっきのことを思い出しながら優斗は眠りに入った。
優斗の暗部構成を少し変えました。やっぱり1人じゃ寂しいので新たに2人増やしまた。
井川 由利 (いかわ ゆり) 14歳
吉野 和正 (よしの かずまさ)16歳
2人の能力は次の話に載せます。