やはり俺が恋愛に積極的になるのはまちがっていない。   作:部屋長

44 / 55
今回も大事な話があるので後書きまで読んでください!色々投稿スタイルが変わります!というわけで、オリキャラ√3話目です!


やはり俺と恥ずかしがり屋な女の子のテンプレ青春ラブコメはまちがっていない。⑶

『……男子に慣れる練習をしないか?』

 

 俺のこの言葉を聞いた葉月は、何のことを言っているか理解できていないのかくりんと首を傾げたままだ。

 

「男の子に慣れる練習、ですか?」

 

「ん、そう」

 

 まだ分からないのか、首を傾げたままううむと唸る葉月。

 

「男の子に慣れる……」

 

「そう」

 

「あっ」

 

 葉月はやっと俺の言ったことを理解したのか傾げていた首を戻す。だが、なぜか葉月の頬はみるみるうちに赤くなっていき、

 

「つ、つまり比企谷君とあんなことやこんなことをするってことですか……?」

 

「え?」

 

 顔を真っ赤にしながらもじもじし始めてしまった。な、何かエロい……!

 や、そうじゃなくて。この子今何て言った? あんなことやこんなこと?

 

「え、えええ、えっちなことはだめです……!」

 

「いや、そういうことじゃないから……」

 

 わちゃわちゃ慌てながらぶんぶんと首を横に振る葉月。そのたび艶のある短めの黒髪がふわふわと揺れて甘い匂いが鼻腔をくすぐる。何でこんな甘い匂いするの? 女の子って不思議!

 つーかこの子ほんとに大丈夫なのだろうか……。いや、俺の言い方が悪かったのか。ちゃんと弁解しないと完全に変態になってしまう。

 

「あー、言い方が悪かったな。俺が言いたいのはそういうことじゃないから安心してくれ」

 

「そ、そうですよね。よかった……」

 

 ほっと安堵の息を漏らして落ち着く葉月。何かそれはそれでちょっと辛いけど当たり前のことだから気にしない。うん、ほんと気にしない。

 

「え、えっと、じゃ、じゃあどういうことですか?」

 

「……葉月は男子苦手なんだよな?」

 

 こくこくと頷く葉月。やっぱり小動物っぽいよな。なんというか動きが小さいというか。

 まぁ今はそのことはどうでもいいな。とりあえず説明しなくては。

 

「簡単に言っちまえばあれだ。これから先、いくら苦手とはいえ男子と関わる機会は必ずくるはずなんだよ」

 

「そ、そうですね」

 

「その時に今みたいに苦手なまんまだとどうなる?」

 

「う……た、大変ですね……」

 

 葉月は知らない男子と一緒にいる自分でも想像したのだろうか、その表情は一瞬にして青ざめてしまった。ほんとにどんだけ苦手なんだよ……。

 

「だから俺が葉月の話し相手とかになって少しでも男子に慣れるようになろうって話だ」

 

「あ、そういう意味で男の子に慣れる練習ってことですか」

 

「ん、そういうこと」

 

 大まかに一通りは説明はしたが、葉月は少しだけ渋い表情をしている。

 ……まぁそうだよな。今日初めて話すようなクラスのぼっちにこんなこと言われてもな。やだ、もしかしなくても俺恥ずかしいことしちゃった……?

 

「あー、あれだぞ? ただの俺のおせっかいだし断ってもいいんだからな?」

 

「い、いえ、そんなことは……。ただ、少しだけ気になったので」

 

「何をだ?」

 

「……何で比企谷君はここまで私に気をかけてくれるんですか?」

 

 目が合ったらすぐに逸らしていた彼女が、今は頬を少し朱に染めながら頑張って見つめてくる。彼女もここは目を逸らしちゃいけないと思ったのだろうか。

 あ、と思ったら逸らした。頑張れたの三秒くらいだった。

 

「委員会の仕事ずっと一人でやらせちまってたからな。その礼ができればなって」

 

 そ、それだけなんだから勘違いしないでよねっ! とか付け足そうとしたけどやめた。マジで変人になってしまう。俺がツンデレとか誰得だよ。

 俺の言葉に葉月は目をぱちくりさせるが、しだいに穏やかな表情になって──。

 

「やっぱり比企谷君は良い人ですね」

 

 そう言って、葉月は嬉しそうにくすりと微笑んだ。初めて見る彼女の笑顔が妙に気恥ずかしくて、今度は俺から目を逸らしてしまう。

 

「……ただのおせっかいだよ」

 

「そんなことないですよ。嬉しいです」

 

「……さいですか」

 

 はぁ……普通にちゃんと話せてるじゃねーか。今は嬉しいって感情のが羞恥より上ってことか。

 むしろ今は俺のが恥ずかしいんですけど……。

 

「じゃ、じゃあこれからよろしくお願いします」

 

「お、おう、こちらこそ」

 

 ぺこりと頭を下げる葉月につられて俺まで頭を下げてしまう。何だこの状況。

 つーか今さらだけど気づいてしまった。それも最重要案件。

 

「なぁ葉月」

 

「はい? 何ですか?」

 

 こてんと首を傾げる葉月。お前それ好きだな。大丈夫? 首痛めない?

 

「自分で言ったはいいんだけど、男子に慣れるって例えば何すればいいんだ……?」

 

「それ、比企谷君が言っちゃうんですか……?」

 

 さすがにこれには葉月も呆れ顔になってしまう。多分俺は死にかけた顔してると思う。

 

「いや、だって俺が相手だぞ? あんまし変なことしたくないだろ?」

 

「へ、変なことって……。え、えっちなのはだめって言ったじゃないですか……」

 

 小さな声でぽしょぽしょと呟く葉月。人差し指同士をもじもじと絡めているその姿は子どもっぽくて少し可愛く見えた。

 でも、あれだ。それ以前に何でこの子は毎回そっち方面に持ってくのだろうか。

 

「だからそっち方面のことじゃねぇって……。なに? もしかして葉月ってむっつりなの?」

 

「い、いや、そ、そそそ、そんなことないです! ち、違いますから!」

 

 声を荒らげながら耳まで顔を真っ赤にした葉月が否定してくる。初めて聞く彼女の大きな声に少しだけ驚いてしまった。

 ていうかさっきの完全にセクハラだな。八幡反省します。

 

「つーか普通に喋れてんな」

 

「あ、そ、そういえばそうですね。な、何ででしょうか?」

 

「いや、それを俺に聞くなよ……」

 

 何ていうか、もう既にグダグダである俺と葉月のよく分からない関係。自分で言うのもなんだけどほんとに何だこの関係。

 これから俺と彼女がどうなっていくのか不安しかなかった。うん、ほんと不安。いや、マジで。

 




前回アンケートを取った結果、ヒロインごとにまとめて欲しいという票が多かったのでこれからはそうしていこうと思います!

2日後の7月13日の0:00〜2:00の間に完全非公開にしてヒロインごとにまとめる作業をしたいと思います。どんな感じになったか気になったら出来終わったあとにぜひ見に来てください!

これからは活動報告にも書いたように、連続で同じヒロインを書かずに途中で別ヒロインを書くことも可能になりました。せっかくなので、次回の投稿はオリキャラちゃんではなく最近登場していないあの子とのいちゃいちゃssを投稿したいと思います。

長くなりましたが以上です。投稿スタイルが変わっても今まで通りの甘々ssをひたすら書いていきますのでこれからもよろしくお願いします。

ではでは今回もお読みいただきありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。