ゆうかりんか   作:かしこみ巫女

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最終話 幽香、燐香 (挿絵あり)

 冥界、外れの方にある小高い丘の上。

 そこに、少しだけ大きな石が並べられている。不恰好で不揃いな石。無銘の石碑たち。

 額の汗を拭い、一息つく。石碑は今作り終えたばかりだ。その中心に手を翳して周囲に彼岸花を咲かせる。色は赤色。自分の色だ。目を瞑って、祈りを捧げる。

 後ろに、気配を感じたので振り返る。

 

「ここにいると聞いたから」

「アリス」

「言ってくれれば、手伝ったのに」

「いえ、これは私がやりたかったんです。私の手で作りたかった」

 

 私は、誤魔化すように無理矢理に笑った。本当に簡素で、石碑と呼ぶにはおこがましいもの。だが、これで良いんだ。いずれ、朽ち果てて忘れられていく。だけど、自分だけは覚えている。それで、十分なのだ。今まで一緒にいたのだから、自分には分かる。

 

 アリスが隣に立ち、同じように祈ってくれた。

 

「……これは、お墓なの?」

「さぁ、どうなんでしょうね」

「貴方が作ったんでしょうに」

 

 アリスが少し呆れている。上海と蓬莱もだ。とても可愛らしい。

 

「たくさんの黒が消えていきました。力を使い果たしたかのように。でも、あの私たちは、元々生きても死んでもいなかった。だから、お墓というのは違う気がします」

「…………」

「それに、黒だけじゃない。いつか、どこかの世界の私たち。これは、その全てのためのものなんです」

「……はたてと輝夜の能力のこと?」

「正直言って、輝夜さんや、はたてさんの能力は分かりません。でも、あの記憶は、幻じゃないと思います。私も、少しだけ見てました」

「そう。ならば、ここは貴方達のとても大事な場所になったということね」

「そうなのかもしれません」

 

 違うどこかの世界の話。パラレルワールドなのか、それとも、この世界に収束したのかは分からない。輝夜なら分かるのかもしれないが、きっと答えてはくれないだろう。彼女は少し意地悪だから。

 

 変異した花映塚――彼岸花異変。今回私が起こした異変は、黒幕である私――風見燐香とその一派が博麗霊夢に打ち倒されて解決したことになっている。幻想郷中にばら撒かれていた彼岸花は、その殆どが力を失い、枯れて土へと戻っていった。世界は再び元通り。最初から何事もなかったかのようだ。

 

 でも、私は変わった。幽香にそっくりだった私の肉体は以前の私に戻ったけど。右肩らへんに浮かんでいる花梨人形に目を向ける。

 彼女の腹部には、八卦炉のようなものが装着されている。はたていわく、『携帯回路』らしい。意味は良く分からない。私の携帯カイロが最大にまで進化した結果だとか。本当に意味が分からなかった。

 

 その花梨人形からは二本の魔力糸が伸びている。それは、私の体にくっついている。例えるなら、さとりのサードアイみたいな感じで。これがなければ、私は存在する事ができない。花梨人形は、私の身体の一部分となった。

 ちなみに、魔力の糸だから、服を着るときやお風呂に入るときに支障はない。ただ、決して取り外せない。花梨人形と私は、言葉通り一心同体となったのだ。

 

 私の感情が昂ぶったとき、八卦炉もどきの中心にある、謎の陰陽印がぐるぐると急速回転を始め、荒れ狂う黒い力を循環させるのだ。力を回転へと向けさせ、更に熱?を放出して冷却を行なう。それで白ともうひとつの何かを保護するのだとか。まるでロボットにでもなったみたいだ。格好いいからいいけど。

 

「花梨人形の調子はどう?」

「全然問題ありません。感情を読み取られてしまう弱点が出来てしまいましたけど」

「それぐらいは我慢しなさい。むしろ逆手にとればいいのよ」

「あはは、そうですね」

 

 何らかの感情が昂ぶると、回転を始めるのだ。これでは、ゲームをするときにとてつもないハンデとなる。それと、嘘がつけなくなりそうだ。人形は口ほどに物を言うことになる。でも、そんなことはどうでもいいぐらいに、アリスたちには感謝している。自分がここにいられるのは、彼女達のおかげである。

 

「メディスンという妖怪が、貴方に会ってみたいって。鈴蘭畑に彼岸花を咲かせてくれたお礼をしたいそうよ」

「……えー。それって、怒ってましたか?」

「むしろ嬉しそうだったけど。鈴蘭と彼岸花のコラボができたって。貴方の姿を見れば、さらに喜ぶでしょうね。人形と仲良しだし」

「それは、楽しみです」

 

 異変の最後、紅魔館の主の間で、私は変異して暴走していたとのこと。それを助け出してくれたのが、アリス、はたて、霊夢、そして幽香。なんとなくだが、そんな記憶は残っている。白い風が黒い闇を切り裂いて。そして、赤いマフラーを幽香がかけてくれた。そして、抱きしめてくれた。最後にアリスがつなげてくれて、私はここに残った。

 

 次に目が覚めると、私はフラン、ルーミア、妖夢にもみくちゃにされていた。皆、敗者のはずなのに、とても嬉しそうだった。だが、フランの羽の宝石の一つが黒に染まってしまっていた。ルーミアのリボンは黒かったし。妖夢の半霊は灰色に変色してしまっている。制御しきれない黒は霧散したはずなのに。どういうことかは、良く分からなかった。

 

「あんまり、実感はないんですけど。異変、終わったんですよね」

「そうね。まだ余波は残ってるけど、終わったと言って良いわね」

「私、これからどうなるんでしょう」

「しばらくは、このまま冥界で謹慎だそうよ。まぁ、謹慎というのは名ばかりだけどね。天狗の面子を立てるとか、八雲紫が言ってたけど」

 

 地底、地獄、妖怪の山に手を出したのは、やはりまずかったらしい。私は冥界で幽々子の監視下に置かれるわけだ。ちなみに、妖夢は小町と一緒にばら撒いた彼岸花の後片付け中。花は土に還っても、それに宿っていた霊はまだそこらをうろついている。後でお礼を言っておく必要があるだろう。

 

「……そうですか。じゃあ、アリスとも暫くはお別れですかね」

「馬鹿ね。今までと何も変わらないわ。貴方に教えることはまだまだ沢山ある。花梨人形もお手入れが必要だし。のんびりなんてさせてあげないわ」

「あはは。それは、楽しみです」

 

 私は、アリスと笑いあった。またこんな日がくるとは思わなかった。アリスが差し出してきた手を握り、私たちは歩き始めた。

 

 

 

 

◇※◆

 

 

 

 ――で、今の私は白玉楼で真面目な顔を維持しながら座禅を組んでいる。隣には、妖夢。半霊は相変わらず灰色だ。私が漂白してあげますと言ったら、馬鹿な真似はやめろと大騒ぎだった。漂白剤をばら撒いたら、幽々子に軽い拳骨を受けた。連帯責任で妖夢もである。あれは中々面白かった。

 その妖夢に向かって、ちょっと前に顔芸を見せたら、良いリアクションをゲットできた。またもや連帯責任で二人仲良く棒で叩かれた。今度は閻魔様に。

 

「また雑念が生じているわね。何故たった3分も我慢できないの?」

「いえ、超頑張ってます。心頭滅却心頭滅却」

「口だけは達者だけど、行動が伴わない。貴方は、少し軽すぎる」

「あはは」

「笑い事ではありません。精進なさい」

 

 背後には映姫。悔悟棒を持って、じろりとこちらを見下ろしているのだろう。恐ろしいことである。泣く子も黙る閻魔様。でも、本人はちょっと子供っぽい。つまり小閻魔――。

 

「雑念去るべし!」

「ふぎゃっ!」

 

 頭を叩かれた。痛い。

 

「ちょっと燐香。変な声ださないでよ。なんか、猫がつぶれたような声が」

「猫踏んじゃったという奴ですね」

「いや、細かい説明は求めてないんだけど」

「ところで妖夢、暇なのでお喋りしません? そうだ、折角映姫様もいることだし大喜利でも」

「い、今はまずいとおもうけど。それに、何が折角なのか分からないし」

「へーきえーき。あ、これは、平気と映姫様を掛け、更に辟易と言う言葉にも掛けた高度な――」

「――喝ッ!!」

 

 さっきより強力な一撃が炸裂した。私はばたんきゅーと倒れこむ。

 

「……なんでこうなると分かってやるのかな?」

「わ、笑いのために、命を掛ける。いわゆる、葉隠?」

「全然違うし!」

「全く、貴方がたときたら。少しは真面目にやったらどうなの」

「わ、私は真面目にやってますよ!」

 

 映姫のジト目。とばっちりを受けた妖夢は、心外であると言い訳するが、連帯責任なので諦めてもらおう。

 というか、わざわざ映姫も来ることはないのに。今日はフリーだからと言っていた。休みなのにお説教とはご苦労なことである。だが、小町いわく、これが趣味かつ気晴らしを兼ねているらしい。嫌な趣味である。

 

「これは、負の感情を制御する鍛錬なのですよ。心を平静に保ち、自らを省みることはとても良い行いです」

「はい、そうですね」

 

 私が棒読みで同意すると、映姫に睨まれた。

 

「もっと誠意を篭めなさい」

「妖夢、怒られてますよ」

「怒られてるのはお前だ!」

「……まぁ、このやりとりは、全て無意味という訳ではないのですが」

 

 映姫が苦笑いを浮かべる。妖夢はよく分からないという顔。

 

「そ、そうなのですか?」

「こういった笑いからは負の感情が生じようがないでしょう。無論、褒められたものではありませんが」

「な、なるほど」

 

 妖夢がツンツンと花梨人形を触っている。回転はひどくゆったりだった。

 

「しかし、鍛錬にはなりませんので、次ふざけたら尻を叩くことに決めました」

「えー!」

「えーではありません。真面目にやりなさい」

「えー、きさま?」

「……二度目はありませんよ。私は白黒はっきりつけますので」

「はい!」

 

 軽いジャブのダジャレをかました後、私は再び座禅を組み始めた。

 

 ――三時間後、私のお尻は真っ赤に腫れ上がっていた。妖夢も同じように、涙目で擦っている。

 

「ふー。いやぁ、酷い目に遭いましたね」

「あ、あれだけ言われたのに、またやるからだよ!! な、なんで私まで! あ、痛たた」

「軽いジョークなのに。やるなと言われたら、やりたくなりますよね?」

「だからってやるな、このお馬鹿! 後、映姫様のはフリじゃねーし!」

「あはは。ツッコミ、本当に鋭いですね」

 

 私は前に倒れながら、笑いかける。妖夢は、溜息を吐いた後、仕方ない奴だという感じで笑みを浮かべた。

 

「でも、本当に、いつもの燐香だ。安心した」

「あはは、当たり前でしょう」

「……うん」

 

 なんだか微妙な空気が流れる。別に嫌なわけじゃない。ただ、私が妖夢の半霊に視線を向けてしまったからだ。色が灰色は、やっぱりまずいと思うわけで。フランの羽の宝石しかり。ルーミアのリボンは知らないけど。

 

「何度も言ってるけど。半霊のことは気にしないでいいよ。これは、大事な記憶なんだ。私じゃないけど、きっとどこかの私の。だから、これで良いんだ」

「そ、そうなんですか?」

「うん。だから、次に気にしたら斬るから」

「なぜぇ!」

「ははは、嘘だよ。ただ、皆好きで異変に参加したんだから。気にするわけがないでしょ」

 

 妖夢が強く言い切った。それを見た私は小さく頷き、ありがとうと感謝を伝え、これからもよろしくといっておいた。妖夢はなんか照れくさそうだったが、うんと頷いてくれた。

 

 縁側で座りながら、私は今回迷惑を掛けてしまった人妖のことを思い出す。

 霊夢は、今回のは貸しにしておくから後で百倍にして返せといっていた。しかも、聞くところによると魔封波を習得してしまったとか。なんで死んでないのとか色々言いたいことはあるが、更に鬼巫女に近づいてしまったようだ。

 

 魔理沙は、弟子を助けるのは当たり前と笑っていた。花梨人形の携帯回路は、魔理沙の八卦炉に良く似ていた。師匠と弟子の絆の証と言っていたが、霊夢に、陰陽玉はどうなるのよと突っ込まれていた。そのうちまた遊びにいくと言っていたから、間違いなく来るだろう。

 

 はたては、実は紫のバラの人だったらしい。凄く挙動不審になりながら、私に紫のバラをプレゼントしてくれた。私が心からの感謝を述べると、盛大に泣き出してしまった。泣き上戸らしい。そして、今は永遠亭の専属カメラマン。意味が分からない。なんでも、山から追放されたとかなんとか。やっぱり意味が分からない。本人は兎たちと気楽に過ごせるからいいやと笑っていた。文は怒っていたが。

 

 その永遠亭だが、輝夜と再会したとき、私は軽く額を突かれて怒られてしまった。輝夜いわく、『私との約束を破るとは何事なの』と。そういえば、人質にするという約束をしていたのを思い出す。次は絶対に人質にするようにと念を押されてしまった。輝夜は、姫は攫われてこそだと笑っていた。永琳は心から呆れていた。人質というのはあれなので、次の悪戯一緒にやろうと誘うと、二つ返事でOKを貰った。多分、そのうち来る守矢神社に、一緒にロケット花火を打ち込みにいくことになるだろう。既にいつもの四馬鹿で何かやろうとたくらんでいる。妖夢は乗り気じゃなかったけど。四馬鹿+姫、実に新しいユニットである。

 

 残りの四馬鹿、フランとルーミアは、レミリアや咲夜、美鈴と協力して紅魔館の修復作業だ。一緒に直した方が愛着が湧くぞと、レミリアに協力を強く促されたようだ。フランはいやがったが、ルーミアに説得されて仕方なく付き合っている。そのルーミアは、お菓子一年分でレミリアに買収されていた。異変の最中にも裏切ったようなので、相変わらずである。

 

 ちなみに、今の紅魔館は見事に天井がない。綺麗サッパリお空に吹っ飛んだから。レミリアが丁度良いからプラネタリウムを作ろうと宣言すると、パチュリーに呆れられていたとか。だが、実現する気ではいるらしい。ロケットを作り出した技術と知識は伊達ではない。

 私は紅魔館の人達に心から謝ったが、レミリアに背中を思い切り強くたたかれた上で、気にするなと言ってくれた。小悪魔が『なんだか超つまんねー』とふて腐れると、パチュリーに電撃を浴びせられて気絶した。

 

「……あの二人、将棋やってるんですよね?」

「うん。一応そのはずなんだけど。終盤になるといつも騒がしくて」

 

 

 幽々子と紫は、私たちの背後で、将棋盤に真剣に向かい合っている。時折、スキマが開いたり、蝶が舞ったりしているが、ちゃんと将棋を指している。時折、勝手に駒の位置が変わったり、駒の文字が変わったり、将棋盤がひっくり返ったりするが、ちゃんと将棋を指している、と本人達は主張している。

 

「こんのインチキ幽霊!! どこからその飛車もってきたのよ! いい? 飛車は二枚しかないのよ! に、ま、い!! 三枚あるのはおかしいの!」

「あら、妙な因縁をつけるのはやめてほしいわねぇ。大体、玉を討ち取ったのに、替え玉とか言って復活させるのはどうなのかしら。そっちの方がインチキじゃない」

「ふふ、影武者を用意するのは淑女の嗜みよ。将棋指しなら常識よねぇ」

「はい、王手」

「だから、どこから角を――」

 

 そんなこんなで、最後には取っ組み合いの喧嘩になる。異変の後から、いつもの胡散臭いやりとりではなく、こうした子供染みたやりとりが増えているらしい。藍と妖夢が溜息を吐くが、二人とも本気では気にしていないようだ。あれはあれで確かに楽しそうではある。本気で喧嘩している訳ではないのだし。『紫様は良い意味で遠慮がなくなった』と、藍が苦笑しながら呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 ――そして。今、私は太陽の畑の真ん中で、幽香と二人きりで座っている。私の彼岸花畑は、前と変わらずだ。世話は幽香がしてくれているらしい。

 冥界で名前だけの謹慎に入ってから、一週間に一度、こうして太陽の畑にくることになっている。少しずつ、感情を慣らせていき、最後には前と同じように暮らせるようにと。

 私は平常心を保っているつもりなのだが、花梨人形はそれはもう凄い勢いでぐるぐると回っている。陰陽印だけじゃなく、人形も回っているし。私はとても動揺しているのだろう。客観的に見れてしまうのも、それはそれで困るのである。

 

「…………」

「…………」

 

 無言。でも、前よりは気まずくない。今は、なんとなく自然体でいられる。花梨人形が発する音以外は。

 幽香は私を叩き潰して恨みを向けさせる必要はなくなり、私は憎悪を向ける必要がなくなった。もとより、彼女に対しての憎悪などなかったのだから当たり前だ。

 ただ、そう簡単に割り切れるものでもない。特に私が。今更、どの面さげて、幽香と接すればいいのか分からないのだ。ぶっ殺すだの、殺してくれだの、言いたい放題言ってしまった。どれだけ傷つけてしまったのだろう。

 今までのことを考えるだけで、人形の回転が速くなる。

 

「飲む?」

「あ、ありがとうございます」

 

 幽香が、花のお酒を渡してくれた。前に飲み干してしまったと思ったが、また作っているのだろう。うん、馨しい香りと爽やかな後口。とても美味しい。

 

「冥界はどう?」

「静かですけど、賑やかでもありますね。幽霊さんたちも一杯いますし」

「そう。そのうち、私も行くわ」

「あ、じゃあ幽々子さんに伝えておきますね」

 

 幽香が私の巻いているマフラーに目を向ける。マフラーは、少しほつれていた。だけど、これはこれでいいのだ。

 

「また、縫い直さなきゃいけないわね」

「これは、このままで」

「新しい物を縫うわ。それを取り上げたりしないから」

 

 幽香はそう言うと、私の頭を撫でてきた。そして、目を瞑って、太陽の光を浴び始めた。これが、幽香の強さの秘密。太陽と、向日葵の力を少しずつ集めて行く。

 私もそれにあやかろうと、幽香の身体に寄りかかり、目を瞑る。なんだか、とてもいい気分だ。太陽の陽射しが気持ち良い。お酒がほどよく回ってきた。ついでに、向日葵と彼岸花たちが私に力をくれる。背中を後押ししてくれる。

 

「あの」

「……なに」

「…………」

「…………」

「ありがとう、そして、これからもよろしく。――お、お母さん」

 

 幽香の腕が私の体を強引に引き寄せる。太陽が眩しい。このまま二人でのんびりと昼寝をする事になりそうだ。

 

 きっと、まだまだ時間は必要だろう。でも、慌てる必要はない。

 きっと、いろいろな事件が起こるのだろう。でも、慌てる必要はない。

 

 花梨人形の陰陽印がぐるぐる、ぐるぐると回り続ける。のんびりと、それでいて力強く。まるで、風車みたいだった。

 

 

【挿絵表示】

 







 これにて完結となります! 
 当初の予定より長くなってしまいましたが、無事完結です。最後までこれたのは、感想を頂いた皆様、楽しみに待っていただいた皆様のお蔭です。ありがとうございました。


 完全無欠のハッピーという訳ではないですが、それなりにハッピーだと思います。
 多分伏線は回収したはず。ちょっと甘めのエンドです。


 温い! と思われた方は、バッド4つからお好きなのをお選びください。流石に、収束ENDで後味悪くする勇気はありませんでした。二次創作ですし!
 これからは賑やかにやっていくと思います。想像すると楽しそうです。
 命蓮寺とか出せてればそこで座禅コースでした。


 一人称の練習は出来ました。次に活かします。完結させるのは本当に大変ですが、パワーアップできるのです。
 燐香は一人称、他のキャラ視点は三人称でした。この組み合わせはやりやすかったです。


 反省点は今思うと結構あります。原作知識持ち、というのを上手く伏線に組み込めませんでした。もう少し何かできた気がします。

 ギャグから、ちょっとずつシリアスにするのは予定通りでした。

 アリスをちょっと尖らせすぎてしまった感じ。好きなキャラなので、ちょっと登場させすぎてしまったのです。
 幽香が後半でシーンがちょっと少なくなってしまいました。真相を知るキャラなので、前面に出すのが難しかったのです。

 魔理沙はやっぱり動かしやすかった。あと霊夢も。とても主人公向きです。辛かったのはフランドール。好きなんですが、根が純粋なキャラは難しい! よって私としてはチルノが一番難易度が高いのです。勿論、嫌いなわけではなく、書きやすさの意味で。
 
 輝夜とはたての能力は、勝手に解釈して、ちょっと進化させちゃいました。ご容赦!

 魅魔様は、いつのまにかフェードアウト。彼女は陰から見守るのです。



 それでは、最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

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