絶望を超えし蒼穹と勇気ある花たち   作:黑羽焔

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『結城友奈は勇者部所属』ベースの夏凜回。『勇者部所属』での夏凜にとって重要な子の登場です。

それとファフナー原作キャラ元のオリジナルキャラが出します。

2016/12/10:誤字修正(あとがきの『晴信』→『春信』)


第2章最終話 皐月-かりん-(後編)

「どんどん運ぶわよ―――!」

 

依頼日当日、勇者部の一同と夏凜・一騎は依頼主である老夫婦が管理している小麦倉庫を訪れていた。総士は諸事情があってこの依頼には不参加である。

 

東郷は備蓄数の纏め、他のメンバーは小麦を運ぶという雑用という分担だ。

 

(なぜこんなことをしているのかっ!?)

 

夏凜も前日に一騎から言われたことが効いたのか渋々ながらも参加していた。

 

「ごめんなー重いん持ってもろうて」

「いえ、こういう時のアタシ達なんで」

 

(…ったく、こんな活動がなんになるっての…力を伸ばす努力はしないし。やっぱりこの部活なんて……)

 

こういう和気藹々なのが感にさわった夏凜はぶつくさと文句を言いながらも次の小麦袋を運ぼうとしたが、

 

「重いもの運ぶのは私にお任せあれー」

 

元気いっぱいに小麦袋を両側に抱えた友奈がダッシュで運んできた。

 

「あんただけには負けないんだからっ!」

「よーし、競争だーっ!」

 

それを見た夏凜は負けず嫌いな部分が表に出てしまい友奈に宣戦布告の形で叩き付ける。一方、友奈としては夏凜が乗ってきたように思ったのか競争する気満々のようである。2人は多数の小麦を抱え運ぼうとした。

 

「2人ともそうやって無理に持っていくと腰痛くするぞ」

 

そこに通りがかった一騎により注意された。……彼自身も3袋を抱えながらゆっくりと運ぶというなんともシュールな光景であったが。

 

「あはは…ついエキサイトしちゃったよ」

「…分かったわよ。(真壁一騎…、こいつも結城友奈と同じで本当におせっかい野郎! こんなんのやっていったい何がわかるっていうのよ)」

 

「ほんと仲がいいわね3人とも」

「…そうかなぁ~」

 

 

 

――― 閑話休題(時間が経ちまして)

 

 

 

『お疲れ様でした―――』

 

「みんなありがとうね。なんか思うとったよりはよ終わったのぉ」

 

「はぁ……(やっと終わった)」

 

勇者部の依頼はお昼前になんとか終わらせることができた。夏凜はようやく依頼という名の無駄な行為が終わったことに大きく息を吐きながら呟いた。

 

「それでは頂いていきます」

「子供らにたんと食べさせてな」

 

「…なんの話?」

 

「今の依頼でお婆さんたちから小麦1袋融通して頂いたの」

「保育園で子供たちと一緒にうどん作って食べるんですよ」

 

「はぁっ!? 終わりじゃないの!? トレーニングは……」

 

風たちの様子に指を指しながら尋ねる。隣にいた東郷と樹がこの先の予定を説明すると自分だけ聞いてなかったことに夏凜は反論しようとした。

 

――― ぐううぅぅ……

 

「腹が減っては戦はできぬってねー♪」

 

夏凜から腹の音が盛大に鳴った。恥ずかしさのあまりは顔が真っ赤となった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

-讃州地方 某保育園-

 

「みんなーっ。今日はおうどん作るわよ―――!!」

 

『は~い』

 

風の挨拶に元気よく答える子供たち。四国香川のソウルフードである讃岐うどんを一から手作りすることに子供たちのテンションは十分に高い。。

 

「なんで…なんで私がこんなこと…」

 

エプロンを付けた夏凜が明らかに不機嫌な様子でぼやく。夏凜を怖がってなのか子供たちは近ようろうとすらしない。

 

「夏凜さん…あんな顔じゃあ子供たち怖がっちゃう…」

 

「私にまかせて! 夏凜ちゃーん、スマイルスマイルー」

 

「友奈、さすがにそれは……」

「アカン! それアタシでもイラってくる!」

 

(イラッ! 別に羨ましくなんか思ってもないし)

 

夏凜や場を盛り上げようと顔芸をする友奈、それに一騎は引き気味にぼやき、さすがの風も思いっきりツッコミを入れた。しかし、一部の子供たちには好評だったのか注目の的となってる友奈の元に集まってきた。夏凜はそれに照れ隠しなのかわからないが自分にそう言い聞かようとする。

 

「すみません、遅くなりました」

 

「お、来たわね~。時間通りね総士」

 

そこに遅れて総士が乙姫も連れてやってくる。兄妹ともに大赦での要件を終えこのうどん会のみの参加だ。

 

「みんな~元気~!?」

『元気元気~』

 

乙姫が子供たちに呼びかけ片手を高く掲げると子供たちもそれを真似する。

 

「みんな来たことだし。手筈通りにお願いね。……それじゃあはじめーーー!」

 

子供たちのテンションも最高潮である。風はうどん教室は開催を宣言した。

 

 

 

視点:3人称(夏凜を除く)

 

「わからないことはすぐに聞いてくださいね」

 

樹に子供たちは明るく返事をすると担当する勇者部員のところに集まって作り方のレクチャーを受けた後、園児たちが我先にとうどんの材料をとっていく。

 

「元気だね~」

「そうだな」

 

友奈と一騎もその光景に思わず笑みが綻ぶ。友奈はパートナーである東郷に一言言ってから材料をとろうとした。

 

「あれぇ~? お姉ちゃん、お兄ちゃん?」

 

聞き覚えのあるような声に気づきその手を止める。声をした方に振り向くが小さな子供たちは見づらい、

 

「こっちだよ」

 

そこに肩までかかる黒の長髪の5歳くらいの女の子がいた。2人はその小さな女の子に見覚えがあった。

 

「もしかして、猫の? ええと、名前は」

「よく覚えてたね~。あ……私は『羽佐間(はざま)翔詩(そら)』って言うの」

 

3年前に友奈に讃州市を案内してもらった時に出会った猫の飼い主である少女であった。一騎は女の子の似たような容姿と紛らわしい名前で困惑したがすぐに平静となる。

 

「今日が初めてなの?」

 

「うん。あのあとね~お父さんの仕事の都合で引っ越しちゃって…この前戻ってきたから勇者部のイベントに初めて参加するの」

 

「そうか…ん、三好?」」

 

顔見知りという事で話をしながらうどん作りの準備を進めていく。その最中、一騎は夏凜が集団から離れ1人残されているのとその傍に小さな園児がいることに気が付いた。

 

「あのお姉ちゃんは~?」

 

「あぁ。新入部員だけど…傍の園児は」

 

「私が引っ越した時にできたお友達。なんだけど……また、取り残されちゃったんだ…あれ?」

 

翔詩と名乗る園児が簡単に事情を話す。ふと見れば夏凜がその園児に何か言っているように見える。

 

「友奈お姉ちゃん~はやく~」

「一騎お兄ちゃんも~」

 

なんとなく放っておけない気持ちの一騎と友奈だったが自分の持ち場にいるほかの園児の事もありなんだか申し訳のない気持ちとなった。友奈は子供たちの人気者であり、一騎は園児たちから『料理のお兄さん』という認識を持たれている。どちらか片方が離れれば支障をきたすことになろう。

 

「一騎、僕たちが応対する。行ってこい」

 

「(!?)わかった」

 

「一騎お兄ちゃん~私も行く~」

 

総士は一騎の意図を読み取ったかのように促す。こういう場が初めての夏凜をフォローするために事前に話し合われて一騎が担当することになっている。2人は夏凜の元へと向かっていった。

 

「一騎お兄ちゃん来ないの~?」

 

「ごめんねみんな。今日の一騎君は新しい勇者部員のサポートなんだ」

 

「えーー!」

「一騎お兄ちゃんに教えてもらいたかったんだけどー」

 

友奈と東郷が事情を話す。一騎の作った料理を知っている園児たちからは文句が垂れるが……、

 

(乙姫!)

「ちゅうもーーーーくっ!」

 

黄色のキャラクターがプリントされたエプロンを着け三角巾を被った乙姫が園児たちに待ったをかける。それにより園児たちの視線が皆城兄妹に集まる。

 

「仕方ない……料理というものを教えよう!」

 

『おおーーー!』

 

「「えぇ!」」

(総士君が料理って……)

(初耳です)

 

紺色のエプロン姿の総士に園児だけではなく勇者部一行からも感慨の声があがる。総士はうどんの生地作りへととりかかる。

 

非常に手際が良かったので一同の注目は総士の方へと集まった。

 

「……ふむ…残り30回」

 

『ずごー!』

 

その最中真剣なまなざしでうどんを練っていた総士からの呟きに一同は思いっきりずっこけた。

 

「はぁ……乙姫ちゃん、総士君って料理の時はこうなのかしら?」

「あはは……これでも良くはなったほうなんだけどね」

 

その様子に東郷は思わず頭を抱えた。一騎の指導もあり多少の分量は気にはしなくなったがたまにこうなると乙姫が軽く笑いながら言った。

 

 

 

視点:三好夏凜

 

一方、夏凜は子供たちの輪から離れ独りぽつんと工程に入っていた。

 

「(…ふんっ。いつものことだしっ! 好きでやってるわけじゃ…)…最初は塩」

 

ぴりぴりとした一触即発の雰囲気を醸し出しながらうどんの生地を作り始める。

 

(こんな事…やっぱり意味ない)

 

最初に塩をとろうとしたが、夏凜はふと誰かに見られているような気配を感じる。

 

「何!?」

 

「はわっ!」

 

しどろもどろしかった夏凜は猛獣のごとく威嚇するように声をあげた。夏凜の視線の先にはその声にびくついたセミロングで脇にうさぎのヌイグルミを抱えた少女が自分の身を護るかのようにカーテンに包まっていた。

 

さすがに罪悪感を覚えた夏凜は少し声の質を落として少女を怖がらせないように尋ねる。

 

「…で、何よ」

 

「えっとぉ…えっとぉ。…ちょ、ちょっと待ってぇ! たいむっ!」

 

あっけにとられる夏凜をよそに園児は自分に言い聞かせようとうさぎのヌイグルミを相手に見立て自らを奮起させようとする。

 

「うんっ。私がんば…」

 

「早く。言いなさい」

 

夏凜は笑いかけながら園児をせかす。だが目元などが笑っていないのに園児は恐怖し観念した様子で、

 

「……お姉ちゃん上手…って言いたかったの」

 

「別に…普通よ」

 

小さな園児が独りうどんを作る夏凜の手際を褒めたかったとうさぎのヌイグルミを抱えながら小さく言う。夏凜はその園児の話に仕方ないなという感じで聞き入る。

 

「私、何をしても下手っぴいで……とっても上手なお姉ちゃん見てたの。それで『トロ子』って呼ばれてるの……」

 

(この子……)

 

『トロ子』と呼ばれる少女の話を聞いた夏凜は昔の事を思い出した。何も出来ず本当は自分のことをもっと見てもらいたい。それなのに振り向いてもらえない。

 

(あたしと…同じ…)

 

夏凜はいつの間にかトロ子と幼き日の自分の姿に重ねていた。なぜかわからないがそれをくだらない事と割り切る事が出来ず彼女は少し迷う。

 

【そこに自分がいたんだろ?】

 

一騎の言葉が思い出される。夏凜は少し自分に素直になってみることにした。

 

「私、三好夏凜。あなた名前は?」

 

「……『富子(とみこ)』」

 

優しく名前を言うと、園児たちからはトロ子と呼ばれるが自分の名前である富子と名乗る。

 

「…教えたげる」

 

「ふえ?」

 

「できないなら努力すればイイのよ。やり方教えるっての!」

 

きょとんとする富子の頭をポンと手を乗せ後ろにたつ。富子はうなずくと2人はうどん鉢に材料を入れうどんの生地作りへと入る。

 

「そうやって…ダマにならないように素早く丁寧に…」

「こ、こう…かな?」

「そうそう」

 

「富子ちゃーん」

 

そこに1人の園児が駆け寄ってきた。富子が声をしたほうに振り向く。

 

「あ、翔詩ちゃん」

 

「あぁ。…凄い~これ、富子ちゃんが?」

 

夏凜の指導の甲斐もあってか富子のうどん生地は丁寧に纏まっていた。

 

「うん。やればできるじゃない」

 

「へーやるじゃんトロ子!」

「私なんかすぐくっつちゃうんだよー」

 

それに反応した園児たちが集まり富子を称賛した。

 

「ありがとう。カリンお姉ちゃん!」

 

自分にもできた…その嬉しさのあまり富子はまぶしい笑顔でお礼を言う。夏凜はまんざらでもない様子で顔を赤くする。

 

(なんだ、そんな顔できるじゃないか)

 

「ねーねーお姉ちゃん。私にも教えてよ~」

「ずるいぞ~僕も~」

 

そんな夏凜の様子を少し離れたところから一騎は見ていたが、夏凜のお手並みに興味を持った園児たちが集まりもみくちゃにされそうになる。そのほほえましい光景に一騎もつい笑みが綻ぶ。

 

「ちょ、ちょっと、分かったから離れなさ~い」

 

一騎は子供たちに揉まれている夏凜に助け船を出すことにした。夏凜は一騎が来たことによってさらに動揺するものの子供たちのやんちゃに対応出来ずになりそうだったためその申し出を受けた。

 

 

 

「あのさ、今だから言えることなんだけどさ」

 

出来たうどん生地を麺棒で伸ばしているときに一騎が話を切り出した。

 

「今回の依頼のことで言い出したのは友奈なんだ」

 

「えっ?」

 

一騎は今回の依頼のことを説明する。クラスが一緒だったためか夏凜の凄いところを知り、さらに前回の子供会に参加していなかったため友奈が発起人となり夏凜を誘うという件になった事を。

 

『あんなに頑張り屋さんでイイ子のカリンちゃんなのに暗くなって、みんな怖いって言うんだよ。だからさ、一緒に頑張って自身とり戻させれば、きっと笑いあえると思うよ』

 

その事に夏凜も気になりさらに踏み込んで聞いてきた。

 

「なんで? あたしなんかのために」

 

「あいつとはそれなりに長い付き合いで、人の事ばかり考えている……そういうのは敏感なんだ。少しお人よし過ぎるように見えるんだけどな」

 

「……。余計なお世話だっていうの

 

一騎にも聞こえないように呟く夏凜であったが、これまでの棘のあるような感じではなく「しょうがないなあ」という感じであった。

 

 

 

「それじゃ、手を合わせて…『いっただきまーす!!』」

「おかわりいっぱいあるからね~」

 

風の食前の挨拶とともに園児たちは自分で作った個性的なうどんに舌鼓をうつ。夏凜もうどんに関しては無条件で好きであるためおいしそうに啜っている。すると、友奈が駆け寄ってきた。

 

「ねぇねぇ、夏凜ちゃん」

 

「なに?」

 

「勇者部の活動、楽しかった?」

 

「まぁ…今でも「なんでこんなことしたんだろう」って思うけど……楽しくはないかもね」

 

おそらくこれまでの自分だったら絶対に否定していたであろうが、夏凜は心に感じた気持ちを友奈に伝えた。友奈は「そっか」と返すが、その表情に笑みが綻んでおり今回の依頼の成功したと思ったようだ。

 

「カリンお姉ちゃん」

 

「ん、どうしたの?」

 

「あ…えっと…」

 

「富子ちゃん、がんばっ!」

 

翔詩が富子の背中を押すように声援を送る。

 

「お、お姉ちゃんの…弟子にしてくださいっ!」

 

「はあっ!?」

 

「カリンおねえちゃんみたいな出来るお姉ちゃんになりたんです! し、ししょーと呼ばせてくだしゃい!」

 

「し…師匠ーーー!」

 

翔に背中を押され富子は勇気を出してお願いをし夏凜は素っ頓狂な声をあげた。その微笑ましい光景に勇者部はニヤニヤし、園児たちははしゃぎながら見ていた。

 

夏凜は周りの視線に顔を真っ赤になりながらも富子の必死なお願いに渋々了承する形でなんとか場は落ち着いた。

 

「♪~」

 

乙姫がスマホを取り出すと、はにかんだ様子でその光景を撮った。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

side:三好夏凜

 

正直、あいつの言っていたことはあたしには理解できなかった。

 

だけど誕生日や今日の活動、それにあたしを慕ってきた子の事は悪くは思えなかった。

 

いや、むしろイイものだと思った。

 

――― まあ、もうしばらくあいつらと一緒にいてもいいかな。

 

これがあたしの存在と居場所を見出す。最初の切欠のおはなし。

 

side out

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

――― 数日後

 

「わー、夏凜ちゃん、一番乗りだ!」

「すごいです!」

 

「……私は時間通りよ」

 

勇者部部室には夏凜が今日も一番乗りしていた。

 

「フン……おせっかいなアンタ達にまた勝手に心配されたら迷惑だもの」

 

「夏凜も勇者部員として自覚が出てきたわね」

 

夏凜は腕を組み照れ隠ししながら言う。その光景に東郷はくすりと笑い、風は自覚が出てきたことにうんうんと頷く。

 

「失礼する」

「みんな早いな」

 

少し遅れて一騎と総士も入室する。

 

「みんな、少し時間いいかしら……」

 

すると、夏凜が意を決したように一騎と総士に告げる。

 

()()()()。あたしも『ジークフリードシステム』とやらを…使わせてください!」

 

「なぜに敬語!」

 

変貌した夏凜に風が驚愕し、ほかの勇者部員もざわめくも夏凜は話を続ける。

 

「大赦から正式に許可をもらった。……もう、勇者だけでは手に負えない事態になってるようだしね。それに…このままあいつらにやられっぱなしで終わるわけにはいかないのが本音よ。だから、使えるものを使うだけよ」

 

「……わかった。今はそれでいいとしよう」

 

総士も夏凜の真意を深くは聞かずにあっさりと許可を出した。

 

「よーし、勇者部一同。今日もはりきって行っちゃうかーー!」

「ほらぁ、夏凜ちゃんもー!」

「わ、わかったわよ……」

 

「真壁と総士もね♪」

 

「「なぜだ!!!」」

 

風の掛け声に合わせ夏凜を含めた勇者たちは鬨をあげた。一騎と総士は鬨の声をあげないながらも渋々それに付き合う。

 

「勇者部~~っ!」

 

「「「「ファイトーーーッ! ファイトーーーッ!」」」」




これにより夏凜のエピソードである第2章がようやく終了となります。1年かけてやっと原作3話まで終わらせることができました。

《解説》
●富子
『結城友奈は勇者部所属』に登場する夏凜の弟子となる少女。引っ込み思案で自分に自信がない。夏凜関連のイベントでまた出番あり。

●羽佐間翔詩
『蒼穹のファフナー』の登場人物『羽佐間翔子』と元にしたオリキャラ。今作品では富子の友達として登場。実は第2話の少女をベースにしてたりもする。

(重大なネタバレ:俗にいう一騎ヒロインである3キャラはゆゆゆ世界には登場しません。ただし、本編では多少なりとも出番はあります)



《趣向を変えましておまけを2つ》
●おまけA【一騎の思い人】
side:真壁一騎&皆城総士

「ところで一騎、三好を誰に重ねていた」

「重ねていたって?」

「とぼけるな…どのくらい長い付き合いだと思っている」

「お前にはかなわないな」

一騎はふと目をつむる。一騎は夏凜が島のある仲間に似通っておりその子の事が思い出された。

「『カノン』だよ。最初はあんなそっけない態度だったな」

「確かにな」

『カノン』という少女の事を知るのはまだ先の未来である……。



●おまけB【その時の春信】
side:三好春信

「ん? 乙姫ちゃんからメールが」

この日も大赦で仕事に精を出す春信はメールが受信されているのに気づく。送り主は乙姫のようだ。

「……夏凜」

そのメールには2枚の画像が添付されていた。1つはパーティ帽を被りまんざらでもない様子で祝われている。もう1つは園児たちに囲まれ世話を焼いている。春信の妹であり現在讃州地方に勇者として派遣されている夏凜の様子であった。

(……よかったな夏凜。それを大切にしろよ……っと、この2つは)

すぐさま秘蔵のフォルダに厳重に保管する春信であった。



追記解説:
●羽佐間カノン(旧名:カノン・メンフィス)
『蒼穹のファフナー』での原作キャラ。原作では一騎のヒロインの1人である。

(重大なネタバレ:俗にいう一騎ヒロインである3キャラのためゆゆゆ世界には登場しません。ただし、本編では多少なりとも出番はあります)

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