先週風邪で死んだあと、FGOイベとモンハンにいそしんでました。
評価バーの色が初めて変わって高まりましたありがとうございます。
そんなありがたい中、今回の話は賛否両論あると思います。文字数少な目だし、正直自分でも満足のいく出来じゃないんで改稿するかも…。
無印編は白野の人間関係を描けたらなと思っています。
あ、そういえば呼符で金セイバー演出来ました。
…デオンくんちゃん、お前じゃない。
■
「無様ですわね遠坂凛!まずは一枚!カードはいただきましたわ!」
ルヴィアさんが高笑いしてる。現状を把握しよう。おーけー。
まず、英霊…あの女の子いわくクラスは
で、その女の子を連れてきたと思われるルヴィアさんが高笑いしてて、凛姉が苦々しそうにうめいてる。イリヤとルビーは新たなライバル?に慄いてる…のかな?
「ステッキ
………
なんて言うんだろう…凛姉に口撃してるつもりなんだろうけど、私たちまでバカにされてるような気がする。
「ここしかないというタイミングで如何にして必殺の一撃を入れるか…その一瞬の判断こそが勝負をわけるのですわ。だというのに————相手の宝具に恐れをなして逃げ惑うなど笑止千万!!とんだ道化ですわね遠坂凛!」
「やっかま————「ふうん、じゃあルヴィアさんはどんな宝具でも相手が発動する前に仕留めきれるんだ」————白野?」
少しケンカ腰になってるのは自覚する。昨日襲われていたのもあってルヴィアさんに若干の苦手意識があるのも自覚している。でも、凛姉を侮辱するのはいただけない。戦いの記憶はなくなっても、あの4騎の宝具を覚えている以上そういうわけにはいかない。
「ミス,キシナミ、でしたわよね。その質問には是、と答えておきましょう。そもそも宝具というのは英霊の伝承を基にした必殺の一撃。発動前に倒すのは必然といえるでしょう」
「そうね、その考えは間違っていないわ。でも、相手は英霊————人間を超えた存在です。そんな相手を先手必勝で倒せるの?」
「私———いえ、ミユに預けたクラスカードは
「違う」
私の一言に戸惑ったような雰囲気が流れるが、気にせず続ける。
「因果を捻じ曲げる槍。それは確かに強力だけど、それに頼り切りじゃ勝てない。英霊はもともとの身体スペックが違いすぎるし、宝具を甘く見すぎです。たとえ必勝の一撃でも躱されることもある。避けられなくても、それに耐えられるだけの防具を持つものもいる。相手の宝具だって一撃じゃないかもしれない。圧倒的な物量での攻撃だったり、自分に有利な条件の形成だったり。決めつけて、先入観を持って戦うのは————
「ハク、ノ?」
———————っ」
戸惑ったような親友の一言に、早口でまくし立てていたのが思わず途切れる。
…しまった、話しすぎた。思わず頭を抱えたくなる。
イリヤは不思議そうな顔をしているがステッキたちは黙ったままだし、青い少女は私をじっと見つめてる。凛姉は戸惑ったような視線を向けているし、ルヴィアさんは———ルヴィアさんは疑うような視線を向けてきている。
そりゃそうだ。「岸波白野」は哀れな事故でステッキを持った一般人なのだ。そんな私がいきなり宝具や戦闘について語りだしたら何か裏があるんじゃないかって思うだろう。
「————すみません、先に戻ります」
いたたまれなくなりその場から
凛姉たちの視線が、痛かった。
□
白野がいなくなった後、私たちは境界面の崩壊に巻き込まれないよう元の世界に戻った。
正直、妹のようにかわいがっていた白野の反応に戸惑いが隠せない。
「遠坂凛。あの少女は本当に一般人ですの?」
「わかんない。私が面倒を見ていたときにそんなそぶりはなかったし、何より魔術師にしては思考に無駄がありすぎる。…私が言えたことじゃないけどね。イリヤ、あの子の学校での様子はどんな感じなの?」
私たち以外誰もいない校庭で問う。
「…ハクノは、ハクノは私の親友だよ。ちっちゃい頃から仲が良くて…一緒にアニメ見て、遊んで、勉強して、遊んで。魔法少女が好きな女の子だよ」
…イリヤも知らない、か。
イリヤは状況がわかっていないようで戸惑ったっまま答えてくれた。この子は正真正銘一般人だ。さっきのことがわからなくても、親友がルヴィアに好印象を持たれていないことは察したようで不安そうな顔をしている。
「もし魔術関係者の手にカレイドステッキが渡ってしまったらどうなるのかわかっていますの?宝石翁のあの礼装の価値を知るものが————」
「わかってる。それでもルヴィア、あの子のことは私に任せてくれない?きっちりとはっきりさせて、しっかり判断してくるから」
その後も少し話したが、結局ルヴィアは私に任せてくれた。いろいろ言っているけど気にしてはいるんだ。かわいいとこあるんじゃない。絶対に口には出さないけどね。
◆
柳洞寺には何もなかった。そのことに安心しつつも違和感を覚えながら深山町の方を巡回し、せっかくここまで来たのだからと学校も見ていくことにする。
あと地脈の異変に関係ありそうなところって言うと、郊外の森くらいかな…。
そんなことを考えながら自転車をこいでいると、前から見覚えのある少女が歩いてきた。
「あれ、白野じゃん。どうかしたのか?」
「士郎兄…」
こんな夜遅くに歩いているから一言言おうと思ったが、憔悴した顔を見て口を噤む。
「…送っていくよ」
気の利いたことが思いつかず、黙ったまま一緒に歩くこと数分。ポツリポツリと話し出してくれた。
「士郎兄は何にも聞かないんだね」
「あー、すまん。気の利いたことが言えなくて」
「そうじゃないの。その…いつもの士郎兄なら怒りそうだなって思ったから」
「そんなの俺もだ。こんな時間にほっつき歩いていたのは一緒なんだし。…イリヤには内緒にしといてくれよな?」
「…ふふっ、どうしようかなー」
「………」
「そんな顔しなくても話さないって!心配性だなあ」
それに、と白野は続ける。
「ちょっと話づらいしね」
夕食前のことを思い出す。イリヤのやつ、喧嘩していないんじゃなかったのか?
「喧嘩でもしたのか?」
「ううん、違うよ。ただ…ただ、私が一方的に話し辛いだけ」
「…そっか」
そのまま再び沈黙が下りる。
「でも」
ふと言葉が漏れた。思い出すのは
もう戻ることはできないとわかり、過去のものとして割り切る事が出来るようになったのはそう遠くない。
「一人で抱え込みすぎるなよ。イリヤだって藤ねぇだって他の友達だって、もちろん俺だって白野のことは大切に思ってるんだからな」
桜は相当特殊な事情があった。でも、白野はまだ戻れる。悲しいすれ違いはもうこりごりだ。
「あり、が、とう…」
しばらくしてすすり泣くような声で白野が答える。
そうだ。俺はこの日常を守るって決めたんだ。
その後、白野を送り届けてから自宅に帰る。思いがけないところで、決意を再確認することになったけど、まあ、いい機会だったと思うようにしよう。
■
士郎兄に送ってもらい、家に帰って一息つく。
思いのほか、ラルドたちとの出会いは私の精神に影響を与えていたらしい。
考えてみると納得もする。何やかんや言って、私は10年間も転生者であることを隠し通してきたのだ。それが昨日ラルドにばれてしまい、凛姉たちが魔術師だとわかって、いつばらされるかと脅され、今までの日常を壊されるんじゃないかって無意識のうちにすごく負担になっていたみたい。
そう簡単に気持ちは切り替わらないけど、前向きに考えるしかないんだ。
『ごめんねはくのん。僕に並行世界関連のことがばれたのが想像以上に負担になっていたみたいだね』
ラルドもそう言う。ホントそうだ。家に誰かいるーって浮かれていた今朝の自分が恨めしい。
「ねえラルド。あなたから見てさっきの私ってどうだった?」
『…正直、聞きたいことはいろいろあるよ。なんでそんなに戦闘に向けて意識の切り替えが早いのか、とか英霊についてなんで詳しいのか、とか。でも、答えなくていいよ。僕も無意識のうちにはくのんを追い詰めていたんだ。これ以上負担になりたくない』
「なんで?」
『マスターだからさ。いろいろ言っているけど、僕のマスターははくのんだけだよ』
「……ありがとう」
これからのことを考えよう。
やっちゃった分は仕方がない。まずはみんなに信用してもらわないと。
特に、お世話になっていた凛姉に。並行世界関連のことはまだ言えないし、言う決心もついていないけど、それでも誤解は解いておきたい。ルヴィアさんも…ルヴィアさんも、正直苦手だけど仲良くしたい。あの青い少女のことも結局何も知らないし、私は逃げただけだ。
とりあえず明日、と決意を固める。
話せることを凛姉に話そう。これ以上不信感なんて持たれたくない。
一応補足です。
ルヴィアは慢心も若干ありますが、任務遂行に堅実性を持とうとしています。その結果が近づいてゲイボルグなんですけど。そんな中、素性の知れない少女が英霊や宝具について知っているそぶりを見せると、そりゃ疑いたくもなります。
実際、宝具についての概要を知る機会など現代では
まあ、彼女も一般人だと思っているミユにステッキ取られていますが、それは相手を一般人だと思っているからなわけで。無限の魔力供給が可能な魔法使い宝石翁謹製の礼装が魔術関係者の手に渡るとか普通に考えてやばすぎますもんね。
予定としては、次は月曜くらいになるかな?
学校とキャスター戦一回目までくらい進みたいです。
…今回の話、文句とか来ても豆腐メンタル作者に特攻ダメしか入らないから(汗