玉座の間は4畳半   作:820

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幕間的なお話になります。


ナザリック胎動す

ナザリック内

「デミウルゴス、今回の会議の議題は何?」

「アルベド、今回は私が収集した情報を皆に報告し、これからの我々を含めたナザリックの行動を守護者一同で共有しようと思います。」

「それでどの様な情報が集まったんでありんすか?」

「そうですね。まずは、我々はユグドラシルというゲームの世界の中で創造された存在という事です。」

「ソ、ソレハドウ言ウ事ナノダ。」

「本来我々はそのゲームの世界の中だけの存在だった。そして先日そのゲームも終了した。我々は終了と共に消滅するはずだったということです。」

「でも何かの原因でモモンガ様の部屋と繋がり、今があると。」

「そうです、アルベド。」

「では、なぜ我らが創造されたのかという事ですが、至高の御方々はこの[りある]という世界では、脆弱な存在である人間であるがゆえに、ゲームの世界では強大な存在になろうとなされたのだろうね。」

「それはどういうことでありんすか?」

「シャルティア、率直に答えるなら[りある]から逃げ出されたのだよ。」

「ソレハ不敬過ギダゾ。」

コキュートスが斬神刀皇を構える。

「なんで、逃げ出す必要があったの、デミウルゴス?」

「コキュートス、落ち着いてくれますか。アウラ、良い質問ですね。それは[りある]では支配体制が強固に固められて、御方々の現在の力では破壊出来ないからでしょうね。」

「で、でも今は僕たちが…い、居ますよね。」

「その通りだよ、マーレ。今は我々がこの[りある]に存在する。なぜでしょうね?」

「それは、[りある]で至高の御方々を本物にする為ね。」

「アルベド流石ですね。そこで明日モモンガ様をこのナザリックにご招待致します。もし御方々がこのナザリックであのお力がお使い出来るならば、このナザリックを[りある]に転移させます。そうすれば至高の御方々の夢であられた、世界征服が成就されるでしょう。」

「ス、素晴ラシイ。」

「ペロロンチーノ様の夢が実現するんでありんすね。」

「ぶくぶく茶釜様とも何時でも会えるね。」

「い、何時でも…い、一緒。」

 

 

 

 

鈴木さん宅

悟は、デミウルゴスからの招待を了承し、当日ペロロンチーノ、ウルベルトの3人で行く事にした。

ホロPCを使いペロロンチーノ、ウルベルトとテレビ電話をしていた。

「まさか現実でナザリックに行けるって凄い事ですよね。」

「あ~そうだな、モモンガさん」

「もしナザリックに行って魔法とか使えたらどうする、モモさん?」

「さすがにそれは無理じゃないです、ペロさん?」

「やっぱり無理かな~ははは」

「世界征服したいな、俺は…ははは」

「ウルベルトさんらしいですね。」

「じゃ、明日待ってますね。」

「「了解」」

 

 

 

ナザリック内

シャルティアは自室の飾り付けをしていた。

「明日はペロロンチーノ様がいらっしゃるでありんすえ。」

僕である、ヴァンパイア・ブライドに指示を出す。

 

 

鈴木さん宅

悟、ウルベルト、ペロロンチーノの3人は迎えに来たナーベラルに連れられ

押入れの転移の門をくぐる。

 

 

 

玉座の間

守護者一同とセバス、プレアデスの面々が臣下の礼をとる。

そして転移の門より、悟、ウルベルト、ペロロンチーノの3人が姿を現す。

「おかえりなさいませ。我らが造物主であられる、モモンガ様、ウルベルト様、ペロロンチーノ様」

「た、ただいまです。」

3人は慌てて返事をするが、

「ふわ~!現実の目で見ると凄いですね。」

「うん、こんな物を作ったんだな、俺たちは。」

悟とウルベルトが辺りを見渡し感嘆の声をあげる。

「ペロ、どうしたんだ?」

ソワソワしている、ペロロンチーノにウルベルトが声を掛ける。

「いや~、シャルティアに自室に来てくれって昨日連絡貰ってるんですよ。」

シャルティアもどこかソワソワしている様だったので、

悟は、シャルティアに声を掛ける。

「シャルティア、ペロロンチーノさんの相手をお願いします。」

「有り難きお言葉、それでは失礼させていただくでありんす。ペロロンチーノ様どうぞこちらでありんす。」

シャルティアに手を握られ案内されるペロロンチーノの上気した顔はなんともいえない表情をしていた。

「相変わらずだな、ペロは。」

ウルベルトは冷めた目で見ている。

 

「モモンガ様、ウルベルト様、それでは自室の方へ。」

デミウルゴスに促され2人は移動する。

 

悟は自室でくつろぐ

「はあ~、高級ホテルに来た感じで少し落ち着かないな~。今頃、ウルベルトさんはデミウルゴスと話でもしてるのかな?」

悟は周囲を見渡しゲーム時代の事を思い出していた。

腕を前に突き出した瞬間、手首から先が虚空に消える。

「へっ!」

驚き腕を戻し、悟は手をじっと見る・

「何かに触ったような?」

もう一度腕を伸ばす、やはり手首から先が虚空へ消える。

何かが指先にあたる感触が有り、頭の中に直接画像が浮かび上がる。

「ユグドラシルのアイテムか!」

腕を戻す悟の手にポーションが握られていた。

「はは、アイテム使えるんだ。だったら魔法はどうなんだろう、《伝言》」

 

「うお!そこは!ぐふ~!も、もう!」

「ペロさん!ペロさん!大丈夫ですか?」

「へ!モモさん、どこに?あれ?頭に直接モモさんの声が!」

「《伝言》の魔法がつかえるんですよ。ところでペロさん何やっていたんですか?」

「いや~、シャルティアが…もうね…ムフフなんですよ。」

「はあぁ、程々にしてくださいよ。」

《伝言》の魔法を切り、ウルベルトに《伝言》を繋げる。

 

「ウルベルトさん、今大丈夫ですか?」

「あれ!モモンガさん、なにこれ声が頭に直接響くんですが?」

「魔法が使えるんですよ。」

「え!魔法が使える。」

「はい、ユグドラシルのアイテムも使えるみたいですから、私の部屋に来て貰えますか。」

「了解です。今から行きます。」

 

数分後、コンコン。

「はい、どうぞ。」

「モモンガさん、アイテムに魔法が使えるって本当ですか?」

「はい、それでこれをお渡ししたくて。」

悟の手には、ナザリック内を自由に転移出来るアイテムであった、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが握られていた。

「これを使って第6階層に転移して魔法の実験をしてみませんか?」

「いいですね。試してみましょう。」

 

 

第6階層

円形闘技場に悟とウルベルトの姿がある。

「とお~」

アウラが貴賓席より飛び降りこちらに駆け寄ってくる。

「モモンガ様、ウルベルト様、ようこそ第6階層へ。」

「アウラ、お邪魔するよ。」

「至高の御方々である、モモンガ様、ウルベルト様がどこに行こうがご遠慮なされる事はないです。」

「ありがとう、アウラ。ところで…」

アウラが貴賓席の方に向き大きな声で

「マーレ!モモンガ様にウルベルト様がお越しになってるんだよ。早く降りて来なさい。」

「お、お姉ちゃん。む、無理だよ。」

「マーレ!そんな事言ってると…」

「わ、分かったよ。えい!」

マーレが飛び降り綺麗に着地し履いているスカートの裾を直しながら悟たちの方にやってくる。

「モモンガさん、確かマーレって男でしたよね。」

「そうですね、所謂男の娘ですね。設定は…」

「俺は悪に拘ったが…茶釜さんの闇は理解できん。」

 

「アウラ、マーレ次回は茶釜さんも連れて来るよ。」

「ありがとうございます。モモンガ様。」

「少しここを借りて実験がしたいんですが、手伝ってもらっていいですかね?」

「実験ですか?よろこんで。」

 

「ウルベルトさん、では俺が下位アンデットの軍勢を召喚するので大丈夫ですか?」

「なんなら、でかいやつ使いましょうか?」

「いやいや、ここ消滅しますから。大人し目でお願いしますよ。

不死者の軍勢(アンデス・アーミー)

地面から様々なアンデットが数百体出現する。

ウルベルトは、初めのうちは個別に魔法をかけていたが、

「めんどくさい、失墜する天空(フォールンダウン)

ウルベルトは、スキルを使い超位魔法の発動時間待ちをキャンセルし詠唱する。

「え!ウルベルトさん、暗黒孔(ブラックホール)

悟は、ウルベルトの超位魔法の衝撃波を吸収する為、慌てて魔法を詠唱する。

「ちょ!ウルベルトさんやり過ぎですよ。闘技場を直すのにどれくらいの金貨がいるか。」

「すまない、モモンガさん。ドカンとしたかった。」

 

アウラがキラキラと瞳を輝かせ、マーレはアウラの背後で震えていた。

「凄い、流石ウルベルト様。」

「も、モモンガ様も…す、凄かったね。お姉ちゃん。」

 

「ウルベルトさん、円卓の間に行ってみませんか?試してみたいことがあるんですが。」

「OK行こうか。」

「ちょっと、ペロさんにも《伝言》」

 

「ぐは!うお!そ、そこは!だ、だめだ!シャ、シャル…!」

悟の目が座り。

「行きましょうか。」

「え!ペロはいいのか?」

「いいんです!」

 

 

鈴木さん宅

悟とウルベルトは、お互い無言で先程までの体験を振り返っていた。

 

最初に声を出したのは悟だった。

「まさかユグドラシルのシステムが生きていて生身の体で使えるなんて。どうなってるんでしょうね?」

「う~ん、現実の世界とゲームの世界が混ざっているのか?こっちにナザリックそのものが来たら凄い事になりそうだな。」

「あ~!」

「どうした?」

「ペロさん忘れてきた。」

 




次あたりで、たっちさんかな?

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