玉座の間は4畳半   作:820

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再びオーバーロードの理想を掲げるために、星の屑成就のために、ハーメルンよ、私は帰ってきた。

と復帰セリフを書いてみる。
(PCがダウンし新規購入するもパスワードを忘れた。書いてためていた2~3話がきえた。
エタってましたよ。すいません)

でもタブラさん話が…ソリュシャンになってしまった…
何を書いてるのか?自分でも…





桜舞い散る…

都内某所

 

ある男が、窓もない無機質なコンクリート造りの建物の前でタクシーから降りる

 

「ふ~、3年ぶりか…」

男はそう呟き、厳重な警備がされている門を通る。

 

男はある部屋へ入る。

「係長!お久しぶりです。」

「あ~、久しぶり。相変わらずだよな、ここまで来るのに疲れたよ。はは」

その部屋に入るまでも数回に及ぶセキュリティーチェックを通過していた。

「ははは、まあ諦めてください。そうそう課長が出社したら来てくれって言っていましたよ。」

「了解。帰国早々あの課長の顔を見るのは…」

男はヤレヤレといった感じで両腕を上げ頭を振る。

 

2時間後…

男はガラスで区切られた部屋に入る。

そのガラス越しの向こう側の部屋には20代前半であろう女性が揺り篭を揺らし

何か口ずさんでいた。

 

男は自分の目の前のスイッチを押すと、彼女の声が室内のスピーカーから流れた。

「ねんねん~ころり~よ~♪」

 

その声を聞きながら…

「ただいま」

と男は声を出し彼女を見つめる。

 

完全防音を施された無菌室に居る彼女には聞こえない筈だが、彼女の視線がその男に向く。

 

彼女がこちらを向き微笑んだ様に見えたのは男の錯覚だろうか。

 

彼女は何もなかった様に、揺り篭を揺らす。

 

男は室内のビジネスフォンを手に取り番号を押す・

 

「田辺だ。課長の話も終わったから今日は退社するが、明日までに俺が海外出張中の彼女のデータを揃えていてくれ。」

男はそう話し返事もろくに聞かずにその場を離れ、外に向けて足早に歩きだした。

 

 

 

AOG財団本館…デミウルゴスの執務室

 

部屋の主であるデミウルゴスは不在だが、数人の男がキーボードを一心不乱に叩いている

現在執務室は改修工事をしていた。

壁面の3面にそれぞれ複数のモニターが新たに設置され中心部には複数の操作デスクが設置されている。

 

1人の男がキーボードを叩きながら声を出す。

「主任、ここまでのシステムを組むって、この財団は何をしているのでしょうね」

「そうだな~、下手なアーコロジーの生命維持システム以上のシステムだからな。」

「でも俺たちいつまで働かされるんですかね?」

「まったくそうですよ。数日前までは複合企業体の販売管理システムで、今回はこれでしょう!?」

「あ~、そうだったな~、もう俺時間の感覚がないからあのシステム作成も数か月前の気がしていたよ。」

「そういえば主任、あのシステムの追い込みの時にお気に入りのゲームのサービス最終日だったんですよね」

「そうだよ、でもなんとか時間内には顔をだせてよかったよ、本当なら最後の時間までギルマスと話してたかったけどね。眠くて落ちちゃったけど…」

「ははは、主任らしいですね。」

「無駄口もこれくらいにして、あとひと踏ん張りだ。」

「「「わかりました。」」」

 

とある部屋の1室

 

男はここ数日のメールのチェックをしていた。

「あ、なんだこれ!」

 

メールの個人フォルダは全てペロロンチーノからのメールで埋まっていた。

「あいつは、仕方ないな。」

男は呟きながら

短い返事を打ち込み送信ボタンを押す。

そして座っている椅子の背もたれに体重を預け天井を見つめ呟く。

「そうだよな。楽しかったよな…」

 

 

2日後

「久しぶり。ペロ」

「やめてくださいよ、リアルでその呼び方。まるで可憐な子犬みたいじゃないですか。」

「はあ!お前のどこが可憐な子犬なんだよ!」

「え~どこって、全身からもうオーラがでているでしょ?俺」

そう言われた男は頭を振る

「で?この後は…」

「じゃ!行きましょうか。タブラさん」

 

 

 

 

「モモンガさんは、居るかな?」

ドアの前でメイドが一礼し扉を開ける。

「モ、モモンガさん!」

「そうですよ。モモンガさん、遊びに来たよ~」

 

「いらっしゃい。ペロロンチーノさん、タブラさん」

「じゃあ、俺あっちにいってくるわ。」

満面の笑みで部屋をそそくさと出ていくペロロンチーノ。

「お前たちも下がってよい。」

悟は正面と天井に視線を動かし告げる。

 

メイドたちが渋々ペロロンチーノに続いて退室する。

「あ、すません。タブラさん。お掛けください」

悟はタブラにソファーに座るように勧める。

タブラは未だに状況を掴めてないようだったがソファーに座る。

 

悟は執務机からタブラの前に来ると、徐に体を回転させ飛び上がる

周囲に旋風が起こり、反射的に目を閉じていた、タブラは目を開けると

そこには土下座をしている悟がいた。

 

「ト、トリプルアクセル土下座!?モモンガさんいきなりどうして?」

「すいません。ごめんなさい。許してください。俺…俺はタブラさんに対して謝罪してもしきれない事をしてしまいました。」

「モ、モモンガさん、落ち着いて下さい。」

 

そしていきなり悟の執務室の扉が吹き飛んだ、そこには完全武装したアルベドが立っていた。

そして土下座をしている悟を視界に入れた瞬間、戦斧を振り上げ背中しか見えないソファーに座っている男の首筋目掛け薙ぎ払うが、寸前で止まる。

 

「あ、貴方様は!」

顔を上げた悟の表情は安堵感で包まれている。

「そうだ、アルベドよ。この人はタブラさんだ。」

「タブラ・スマラグディナさ…ま。」

アルベドは慌てて臣下の礼を取るがその顔は後悔とも憤怒とも取れない顔をしていたが、

悟にもタブラにも見えなかった。

 

「あの~モモンガさん、説明してくれるかな?どうなっているの、これ?」

「はい、説明しますね。アルベド下がってよい。」

「いえ、しかしモモンガ様」

「2人だけにしてくれ」

「畏まりました。」

怒気を含んだ悟の言葉にアルベドは渋々退室する。

 

悟は、タブラに対しユグドラシル最終日に起こった事の顛末を話す、そして

「アルベドの設定を勝手に変更して申し訳ありません。」

再度土下座する悟。

 

「ははは、いつ書き換えるかみんなと話していたんですよ。」

「へっ!?」

「最終日、それも最後の最後にやっとですか。ははは」

急に真顔になったタブラは言葉を続ける。

「ナザリックはどうなっているのですか?」

 

悟からナザリックの現状の話も聞き、タブラはすでに意識がそちらに行っているようだった。

「氷結牢獄にいきませんか?モモンガさん!」

屈託のない笑顔で言われた悟は、全力で首を左右に振り

「あ、あそこだけは勘弁してください。」

悟は、コキュートスとシズを呼び出す。

 

「タブラさん、失礼ですがユグドラシルのアカウントは?」

「あ~、残していますよ、ってか短期出張のつもりだったので3年分の月額課金はキツかったですけどね。」

 

「では、これを。」

悟は、無限の背負い袋から指輪を取り出しタブラに渡す。

「リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン!」

「そうです、それと後からタブラさんから預かっていた物も全てお返ししますね。」

「あなたって人は。」

そう言って頭を下げるタブラ。

「失礼シマス」

コキュートスとシズが入室すると同時に戦闘態勢になる。

その動作を悟は軽く手を挙げる事によってやめさせる。

「すまないな。コキュートス、シズ。よく来てくれた。」

「御方ノ御呼ビナラ即座ニ」

コキュートスとシズは再度恭しく頭を下げる。

 

「タブラさんを、ナザリックへ案内して差し上げてくれ。」

「「タブラ・スマラグディナ様!?」」

 

「タブラさん、転移門で直接行かれますか?」

「いや、ナザリックが、ナザリックをリアルで見たいですから正面からゆっくりと行きますよ」

「わかりました。コキュートスとシズ頼んだぞ。」

「ハ!」

 

 

デミウルゴスの執務室

 

相変わらず数人の男達かキーボードを叩いている音だけが響いている。

「そういえば主任、このシステムって…」

「あ~、詮索は止めておけよ。」

「そんなに、ヤバいもの何ですか?」

「そうだな、軽く説明だけでもしておくかな…」

「私が説明しましょうか?」

「で、出門さん。」

「詳しくはお教えできませんが、この世界の全ての情報を把握、そして利用するためですよ。主任さんには見て頂きましたが、この世界の全ての国家、複合企業体は敵対しておりますが裏では協力もしていますね。これからの言葉は私が崇敬してやまない方のお言葉になりますが」

出門は軽く丸眼鏡を指で持ち上げる。

「正義とは悪、悪とは正義。水と油の関係の様に決して混ざらないものですが、目指す終末は同じ場所、同じ価値観、同じ頂です。」

出門の言葉を聞きながら主任はある男の事を思い出す。

【…さん、今の複合企業体による統治機構ですが、理に適っているんですよ。現在では、もし100年前の統治方法なら人間は絶滅していますよ。金はかかりますが教育を受けれますし、仕事も出来てその対価も受け取れます。奇跡に近い確率ですが夢も実現出来ます。まあその恩恵を受けれるのは絶対的富裕層ですが、庶民でも成功者になれます。これは悪い事ですか?人類を絶滅の危機から救った正義のヒーローじゃないですか?】

「…ですが、ご質問などありますか?」

主任は現実に戻される。

【あ~、確かあの後すごい喧嘩に発展していたな。】

「主任さん、あとどれくらいで完成しそうですか?主任さん…」

 

「あ、すいません。そうですね後3週間くらいですかね?」

「お~素晴らしい、3週間ですか、では10日でお願いします。」

出門は口角を軽く上げ狡猾な笑みを浮かべる。

「いや、出門さんいくらなんでもそれは!現状でも我々は睡眠時間を極限まで削って作業していますから…」

「おや?これは失礼いたしました。御方の言葉で、生かさず殺さず絞り取れるだけ絞れと教えられていますので。」

「ははは、私の知っている人にそっくりですね、出門さんは。」

 

【あ~、あの時も有休取って連休の時にNPCのAIを組んでいた時に、ウルベルトさん、茶釜さん、やまいこさん、餡さん、ホワイトブリムさんに囲まれて寝落ちも許してもらえなくて…】

遠い目をしユグドラシルを思い出す主任と呼ばれる男。

 

「すみません、出門さん。一生懸命頑張りますので2週間下さい。」

「お願いしますよ、主任さん。」

出門が退出する。

「「しゅ、主任!なんて事を。」」

「ははは、寝なかったら出来るだろ。」

すでに達観の域に主任と呼ばれた男はいた。

 

 

 

悟の執務室

悟はデミウルゴスから提出された報告書を読んでいた。

「う~ん、ぷにっとさんとかウルベルトさんとかタブラさんが好きそうなだな」

と独り言を言うが本人が一番ワクワクしていることに気付いていなかった。

 

扉がノックされ本日の悟付き一般メイドが応対する。

「モモンガ様、デミウルゴス様がお越しです。」

悟は軽く手を上げ入室の許可をする。

「失礼します。モモンガ様」

「報告書は読ませてもらった、楽しみだな。」

「は、有難うございます。それではご案内致します。」

デミウルゴスに続いて悟もAOG財団本館へ入る。

ここで一般メイドは本館担当のソリュシャンと交代する。

 

「ソリュシャン、あの者たちは?」

「はい、デミウルゴス様。取り扱いの説明をする主任と呼ばれる人間以外は退出致しました。」

「それで?」

「はい、眠っている間にタブラ・スマラグディナ様に扮したパンドラズ・アクター様に記憶を操作して頂きました。」

「よろしい。」

 

【相変わらずここって凄いよな。いつ来ても緊張する。】

と悟は二人の会話が聞こえていなかった。

 

【ダメだ。眠い…】

説明するため残っていた主任は立っているのが精一杯で睡魔と戦っていた。

 

ソリュシャンが扉を開けデミウルゴスと悟が入室する。

 

【えっ!スゴ!なにこれ!まんま秘密基地の指令室じゃん!】

 

悟の瞳はキラキラと輝き心は幼少時代に戻っていた。

 

 

 

「あ、出門さん。ご説明を……」

ドサリと主任が崩れ落ちる。

その音で我に返った悟は音のした方に視線を動かす。

 

 

「え~!ちょ、ちょ!何が起こったの?」

悟はキョロキョロと視線を動かす。

デミウルゴス、ソリュシャンの瞳に光は無く憤怒の色が見える

 

悟は慌てて倒れこんだ男に目を向けて驚愕する。

 

「へ、ヘロヘロさん!!!!」

悟はその男に駆け寄り声を掛ける。

「ヘロヘロさん!大丈夫ですか~!」

 

悟の言葉に

デミウルゴスとソリュシャンの時間が止まる

 

「あ~!ペストーニャを呼べ。いやこのままヘロヘロさんのナザリックの私室へ」

悟の狼狽した声が響き渡る。

その声を聞きつけ近くで作業をしていたユリ・アルファが駆け込んでくる。

 

「ソリュシャン、直ぐにナザリックのヘロヘロ様の部屋へお運びするのよ」

ユリの声で我に返ったソリュシャンは元々の姿であるスライムになりヘロヘロと呼ばれた男を飲み込む。

プレアデスであるソリュシャンであるならば通常のメイドの姿でも軽々とヘロヘロを抱き運べた筈だが狼狽のあまり自身の体内へと飲み込むという荒業をつかってしまう。

 

【あ~なんだろう…気持ちがいいなあ~】

眠っているヘロヘロは人間なら一度は経験しているが記憶にはない母の子宮の中とはこんな感じなのかと思っていた。

 

ナザリック第9階層 ヘロヘロの私室

ソリュシャンからヘロヘロを預かりベッドへ運ぶペストーニャ。

「大丈夫です…わん。眠っているだけです・・・わん。」

 

「ソリュシャン!すまなかった仕事に戻ってくれ」

悟に声を掛けられ我に返ったソリュシャンは慌ててメイド状態に戻り退室していく。

 

 

ナザリック内を足早に歩くソリュシャンは、先程の事を思い出していた。

 

【あ~なんと甘美な時だったのかしら、人間の姿形をしているといっても至高の御方をこの私の中に…食事の時の気持ち良さに比べて数千倍の…でも危なかったは少しイケない何かが私の身体の奥から出てしまって…】

ソリュシャンは顔をピンクに染め恍惚の表情を浮かべながら仕事へと戻るのであった。

 




デミ「わ、私はなんて事を…」
ソリュ「カ・イ・カ・ン」
ヘロ「なんか所々溶けてるんですが?」
ウル「AI組は潰さないように潰すもんだ。気にするなデミ」
アル「あ~モモンガ様、私がモモンガ様を蕩けさせます~」
タブ「俺が主役話じゃないのかよ」

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