玉座の間は4畳半   作:820

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戦闘シーンが難しくてすっとばしました。
ごめんなさい




モテ期・・・!?

とある1軒のカフェ

「なぁ、こんな所でゆっくりしていていいのか?」

体躯のガッチリとした男に見えるが、声は女性そのものの人物が呟く。

 

「これも、仕事の内だ、蘭子。」

小柄な少女が答える。

 

「はいはい、藍ちゃん。分かっているさ。」

 

「どう?何か変化はあった。」

紅茶をのせたトレイを持った、少し幼さを残した女性が問い掛ける。

 

「なんだよ、酒じゃないのか?動きはないな。」

 

「蘭子!今は任務中よ。」

「うん、いい香りだな。」

 

「藍ちゃんは偉いわね~。」

「隊長!いつも言っているだろう。私を子供扱いするな、隊長より私の方が年上なのだぞ。」

「ふふふ、いいじゃない見た目子供なんだから。そろそろ智亜と智菜も戻る頃ね。」

 

「「隊長、今戻った。」」

 

「御疲れ様、智亜、智菜。どうだったの?」

「「なにも動きはない。」」

 

[私達5人は女性ばかりの傭兵チーム、コードネーム【ブルーローズ】だ。

大柄のどう見ても男にしか見えないのが、【加賀 蘭子】。

小柄な少女が、【伊藤 藍】。

そして今戻った二人が双子の、【井村 智亜、智菜】。

 

「あ~ところで、花子。いつまで続けるんだ、この監視?」

「だから!私の事は花子って呼ばないでって言っているでしょ!蘭子。」

花子と呼ばれた、私がこのチームの隊長をしている、【山村 花子】だ。

「私の事は、ラキュースって呼んでと言っているでしょ!」

「「花子なのに。」」

「智亜!智菜!」

 

「蘭子、隊長の言っている。ラキュースってのはなんだ?」

 

「藍は知らないのか?確か昔流行った小説で勇者様と一緒に旅をして、魔王を滅ぼしてラブラブエンドになるお姫様の話だったかな?」

 

「え~そうよ蘭子。そのお姫様の名前がラキュースなのよ、藍ちゃん。」

 

「戦闘中に呟いている言葉は何か意味があるのか?」

「え!聞いていたの?」

「これでも私は耳がいいからな。」

「そうだったわね、藍ちゃん。」

そう言って花子は藍の耳元に口を寄せる。

「あれはね、小説に出てくる、魔法とか必殺技とかの名前なのよ。秘密だからね。」

 

「「いつも聞こえている。」」

 

「気付いてないのはお前だけだぞ、ラキュースさん。」

 

「みんなに聞こえていたの!いや~。」

両手で顔を隠す花子だった。

 

 

現在、私達チームは黙示録(アポカリプス)と呼ばれる組織のリーダーであるゼロと呼ばれる男の部屋を監視していた。

 

「でもあの姫様はいつも無理難題を押し付けてくれるな。」

蘭子が言った姫様とは、現在の日本政府のトップである人物の3女の安藤 羅奈、

今回の依頼者でもある。

 

「ま、隊長の家も複雑だからな。ははは」

「そうね、彼女とは幼馴染で、私の家も政治家だしね。」

 

 

 

「お!誰か来たみたいだぞ。」

蘭子の言葉に全員が真剣な眼差しになりそちらを見る。

 

「新聞の勧誘?」

「隊長、あんな恰好をした新聞の勧誘員なんていないぞ。」

「それもそうね。あんな執事みたいな恰好をした勧誘員はいないわね。」

 

「メッセンジャーなのか?」

蘭子が呟く。と同時に室内から6人の男たちが飛び出した。

 

 

 

コンコン

「御留守ですかね?」

手にしていた嫉妬マスクを被りセバスは少し力を籠めノブを回し、扉を開ける。

扉は蝶番ごと外れ、室内に入るとセバスは扉を元の位置に直し、室内に振り向く。

「いらっしゃったのですね。」

 

「お前は誰だ!?」

「貴方に名乗る名は無いですが、しいて言えばゴウンマスク3号とお呼び下さい。」

「ふざけているのか!お前たちやれ!」

ゼロが周りに居た男たちに声を掛けるが男たちは動かない。

「なにしてんだよ!お前たち。」

 

 

「彼等なら動けませんよ。私の殺気で」

セバスに殺気を当てられた5人の顔面は青白くなり体も震えている。

 

「くそ!行くぞ!ここでの戦闘はまずい。」

こうしてゼロ達は追い立てられる様に外に出た。

 

「幻魔、不死王、千殺、三日月、空間斬、ゼロっと全員居るわね。」

「あのじいさんはどうする。」

「何者なのか分からないが、後を着けるか?リーダー」

「智亜、智菜は気配を消して後方待機いつでも戦闘に参加できるようにね、蘭子、藍ちゃん、私たちは後を追うわよ。」

「「いつも通りだね」」

「「了解!」」

こうしてブルーローズは行動を開始した。

 

「セバスは上手く動いてくれているようですね。ではこちらも動きましょうか。」

 

「デミデミ、彼女たちはどうするの?」

 

「はい、ぶくぶく茶釜様。こちらの邪魔をするならば排除致します。ゼロと呼ばれるリーダーだけはセバスに任せ、残りの5人は彼女たちの力を測るため任せましょう。」

 

「手堅い作戦ね、リーダー以外はNPCでしょう、レベルはどうなの?」

{はい、レベルは30台だと思われます。}

 

「そう、彼女たちの動きから見てどこかの傭兵チームのようね。まぁあの大柄なの以外は皆可愛いわね…味方に出来ないかしら?ふふふ」

 

「茶釜さん、顔が…!」

悟は茶釜の笑顔に恐怖した。

 

「ユリ!大柄はいらないから残りの4人はしっかりと見張ってね。」

 

「畏まりました。ぶくぶく茶釜様。それでは僕…私達戦闘メイドプレアデス行動を開始致します。」

ユリが代表して挨拶しプレアデス達はそれぞれ行動を開始する。

 

「茶釜さん、僕の仕事を取らないで下さいよ。」

「あは、ごめんね、ぷにっと君。」

 

 

「おや、貴方1人で大丈夫なのですか?6人全員でかかってきて頂いても良かったのですが。」

 

「お前みたいな奴なら、俺1人で十分だろう。それに少し前から邪魔な虫もいたからな。」

ゼロは軽くステップし構えをとる。

「拳闘ですか?」

「あ~これでも俺は世界チャンピオンだったから死んでも知らねえからな。」

「世界チャンピオン!たっち・みー様と同じ。」

セバスは身構える、そこにゼロの右ストレートが鳩尾にめり込む。

 

ゼロは会心のパンチが入り、内臓を破壊され苦しむセバスを眺める余韻を楽しもうとしたが、

 

「この程度なのですか?貴方の力は。」

ゼロのパンチはセバスの腹筋で止められ、会心のパンチだと思った手ごたえは自身の拳が砕ける感覚だったのだ。

 

「うぎゃ~!」

ゼロは右手を押え、呻き声をだす。

 

「次は、私の番ですね。」

 

ゼロは長年の経験で攻撃が来ると思ったが、セバスに動きはなかった。

 

「な…」

言葉を発しようとした時、自身の右耳に風切音が走り遅れて痛みが走った瞬間ポトリと何かが落ちる音がした。

 

ゼロはそっと右手を自身の右耳に添えようとしたが、そこに右耳はなかった。

 

「少し踏み込みが甘かったようですね。私もまだまだですね。」

そう言いながらセバスは自身の右手を見る。

 

「な、何をした。」

痛みで意識が朦朧とするが、なんとか正気を保ちゼロが呟く。

 

「そうですね、少しばかり貴方の先程の攻撃を真似てみたのですが、次は大丈夫でしょう。」

 

セバスが構えを取る、その姿を見たゼロは頭がザクロの様に破裂する自身を幻覚した。

「おや?私は何もしていないのですが…まあ良いでしょう。本当であればたっち・みー様の為に、その肉片すら残さないようにするのですが、今回は我慢します。」

セバスは気を失ったゼロを引きずりナザリックへ帰還する。

 

花子と蘭子は幻魔と対峙していた。

「ほうお前たちが、このサキュロントの相手をしてくれるのか。」

「サキュロント!それがお前の名前か。」

 

蘭子は近くにあった鉄パイプを掴み構える。

「ここじゃあドンパチが出来ないからな。」

「ふふ、蘭子!鉄パイプがよく似合っているわよ。」

 

サキュロントはスキルを使い、分身体を作っていく。

「な、なに?」

「薬品でも使用して幻覚を見せられてるの?」

花子と蘭子はサキュロントがゲームの世界から現れたNPCだとは思っていなかったので、

サキュロントが使用した、分身のスキルを幻覚作用のある薬品を周囲に撒いていると思っている。

 

「仕方ないわね。魔剣キリネイラム!漆黒の暴風(nigro iactatis turbine)

「おいおい何が魔剣だ!単なるアーミーナイフだろ。それになんだ漆黒の暴風って。」

「いいじゃない!気分よ!気分!」

「はぁ、いつもの病気が出たよ。」

蘭子は頭を抱える。

 

 

 

 

後方で気配を消していた、智亜、智菜は不死王と対峙していた。

「「なんでばれたの?」」

「いくら隠れようが、貴様らから生者の香りがするからな。」

 

「「匂いフェチ?変態、変態」」

「違うわ!まぁいい、お前たちの相手はこのデイバーノックだ。」

 

「「え~骨々マンが一杯出てきたよ。」」

 

 

 

藍は空間斬を追っていた。

「あれは?メイド?」

藍の目の前に

メイド服を着たマスクを被った少女が背を立っていた。

 

「おいしくぅ…ないぃなぁ…」

その少女の手には、人間の腕と思われるものを持っていた、横には人間だったであろう肉塊があった。

「誰なの?お前がそいつを殺したのか?」

 

「私のぉ…名前は、エ…じゃあなかったぁ…ゴウンマスク8号だよぉ…。お腹も一杯になったからぁ…このままどこかに行ってくれたらぁ…相手しないであげるぅ…」

ゴウンマスク8号…プレアデスの一員のエントマだ。

 

「ふざけてるのか!」

藍は戦闘態勢をとり、ゴウンマスク8号と名乗った少女に突進した。

水晶騎士槍(クリスタルランス)

藍の手首から数本の氷状の鏃に似た物体が発射される。

 

「変わったぁ…魔法を使うのねぇ?」

「魔法ってなんだ!」

 

藍の放ったクリスタルランスとは、藍の周囲の大気の二酸化炭素を集め作られたドライアイスだ。

少女の様に見えるが、藍は先の世界大戦で1人である国を壊滅に追いやり、[国堕し]と呼ばれたサイバロイドだった。

伊藤 藍という名も戦後匿ってくれた人物に付けられたものだ。

 

重力反転(リヴァース・グラビティ)結晶散弾(シャード・バックショット)

重力反転で押さえつけられたエントマに結晶散弾が殺到し、傷ついていくエントマ。

 

エントマの体を構成する蟲達が苦しみだしエントマの体が崩れていく。

 

勝利を確信した、藍の目の前に1人の男が空中より現れる。

「おやおや、私の仲間がお世話になっているようですね。」

 

「お前は誰だ?」

「これは、失礼いたしました。私はヤルダバオト、悪魔です。」

ヤルダバオトと名乗ったのは、デミウルゴスだった。

 

「悪魔だと!」

「そうです。あなた達が信仰する神々の敵ですかね?」

「神、悪魔など神話の世界の話だ。水晶の短剣(クリスタル・ダガー)

「おやおや、落ち着きのない方だ。悪魔の諸相:豪魔の巨腕」

ヤルダバオトの腕が巨大化し、藍が投げつけたドライアイスの短剣を弾く。

「ではこちらも反撃致しましょう。ジュデッカの凍結、悪魔の諸相:鋭利な断爪。」

「な!体が動かないだと!」

ジュデッカの凍結により時間を止められた藍に巨大化したヤルダバオトの鋭利な爪が迫る。

 

「そこまでだ!ヤルダバオト!」

空から藍とヤルダバオトの中間に1人の男が落下してきた。

空から落ちてきたのは、青い嫉妬マスクを被った悟だった。

 

「おや?あなたは、また私の邪魔をするのですか?」

「今日こそは決着をつけるぞ、デ…ヤルダバオト!」

「そうしたいのはこちらとしても同意したいのですが、今回は私の大事な仲間が傷ついていますので引揚げさせて頂きます。」

 

藍は空から降ってきた男の背中を見詰め2人の会話を聞いていた。

その男が被っている青いマスクを見ると胸が高鳴りする。

[な、なんなのこの気持ちは?]

藍の体は8割が機械になっており、戦闘に邪魔になる感覚も消去されていたが、

機械の心臓が早鐘の様に鼓動する。

 

ヤルダバオトと名乗った男が空中に消える。

 

「大丈夫ですか?」

[私を、助けてくれた?]

「あの~、本当に大丈夫ですか?」

二度男に声を掛けられ我に返る藍。

「は、はひぃ!だ、大丈夫で…す。」

振り返った男と目が合ったような気がした。

マスクをしているので男の視線は分からなかったが、そんな気がしたのだ。

「それは、良かった。では私は彼奴を追わないといけないので。」

悟は内心エントマをあそこまで傷つけたこの少女に対して怒りが込み上げていて、

話しをするのも不快だった。

 

「あ、あなたのお名前を教えてくれますか?」

立ち去ろうとしている悟に、藍が声を掛ける。

 

「私の名前ですか?私の名前は、すず…モモン…。」

「ス…モモ…?」

「スモモンズ・ウール!お仲間が来たようですね。私はこれで。」

走り去って行く悟。

[な、なんなんだよ!スモモンズ・ウールって。俺は馬鹿か。]

名乗った名前に悶絶している、悟だった。

 




ラキュースファンの皆様ごめんなさい、ごめんなさい。

なんとか蒼の薔薇も出せた。

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