感想からネタも頂けるの助かっております。
奥様ズ久々の登場です。
ペロロンチーノさんは頑張ってます。
鈴木さん宅
パンドラズ・アクターを連れて戻った悟。
「待たせたな、デミウルゴス」
「勿体無きお言葉。」
「これが、パンドラズ・アクターだ、宜しく頼む。」
「ご紹介に預かりました、パンドラズ・アクターです。宜しくお願い致します。」
「こちらこそ宜しく頼むよ。」
「ところでモモンガ様、残りの御方々は?」
「あ~、色々あってだな…。」
「流石は、モモンガ様です。」
「え!?何が?」
ペロロンチーノに切れた、ぶくぶく茶釜をぷにっと萌に押し付けて戻っただけの悟は、
デミウルゴスの言葉に戸惑う。
「ナザリック転移の為には世界級アイテムも必要になりますので、至高の御方を残し準備して頂けるとは、このデミウルゴス、モモンガ様の深謀に感服致します。」
[いや、単にあのゴタゴタが面倒くさかっただけなんですが…]
「世界級アイテム!」
「はい、ナザリックの周囲に結界を張り、更に山河社稷図で空間を隔離し、たっち・みー様に扮したパンドラズ・アクターに
「そ、そうか。その作戦は私にも思いつかなかったな。流石はデミウルゴスだ。」
[そんな方法でこちらにナザリックを転移させるんだ。]
「有り難きお言葉、ですがモモンガ様の智謀に比べればこの身を更に粉にして働き、考えなければ。」
「では私がもう1度ナザリックに戻りアイテムを準備しようか?」
「いえ既にシズ・デルタに命じ、ぶくぶく茶釜様に準備をお願いしております。」
[ちょ!世界級アイテムの保管場所に行くには霊廟を通らないとダメだから、あれを見られる。]
ナザリック第3階層
「失礼いたします…」
「あら、シズ・デルタ?」
「はい…やまいこ様。シズ・デルタ御身の前に」
「え!シズ!」
茶釜がシズを抱き締め頬ずりする。
「やっぱり、可愛いは正義よね~!」
「ちゃ、茶釜様…くすぐったいです…デミウルゴス様からご依頼が…」
我に返った茶釜
「うん?デミデミが…」
「はい…宝物庫から世界級アイテムである山河社稷図を取り出して欲しいそうです…」
「そうじゃあ行きましょうか。やまちゃん、餡ちゃん、ぷにっと君、シズ。」
「姉ちゃん!俺は?」
「あんたは、ここでステイよ!愚弟。あんたリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン持っているの?」
「ユグドラシル引退の時にアイテム全部モモさんに渡したから持ってない。」
「シャルティア、程々に愚弟の相手しておいて。」
「は、はいでありんす。茶釜様!」
涙目になっていたシャルティアに笑顔が戻る。
茶釜がシズを抱き上げ転移する。
宝物庫
シズに宝物庫のギミックを解除して貰い茶釜たちは宝物庫最奥部に立ち入る。
「あれ?こんな場所だったかしらここ。」
「私達が引退する前は、違ったわよね?」
「そうですね。確か普通の通路で神級アイテムを展示していた筈だが。」
「あれってやまちゃんのアバター?」
「少し歪だけど、僕のアバターに装備一式も僕のアイテムだよ。あっちは餡ちゃんで、こっちは茶釜さん?」
「俺のもあるな。」
「これって引退した皆のアバターと装備じゃないかな?」
「餡ちゃん、そうだね。まさかモモちゃんが作ったのかな?」
「確かに何かユグドラシルでイベント告知とかあったら、その都度モモンガさんメールしてくれていたよな。」
「僕たちがいつでも戻って来られる様にアイテムも残してくれていたんだね、」
「やっぱりモモンガさんに謝った方がいいのかな?」
「餡ちゃん、やまちゃん、ぷにっと君、謝ったりしたらモモちゃんを苦しめるだけだよ。もしリアルにナザリックが来たらさ、皆でワイワイ騒いで又モモちゃんの困った顔とか
笑った顔を見て私達も楽しもうよ。でもまずはたっち君の仇を取る。
そしてこの世界をアインズ・ウール・ゴウンで〆る。」
「「「茶釜さん!」」」
鈴木さん宅
デミウルゴスとパンドラズ・アクターは談笑している。
「その力、知識。流石はモモンガ様が創造されただけはある。」
「貴殿も噂に違わぬ御仁ですね。私の事はパンドラとお呼び下さい。」
「ではパンドラ。作戦はこうだが、どうですかね。」
「素晴らしいですね。至高の御方々が更なる高みに至る事が出来る。」
[あぁ~今頃あれ見られているんだろうなぁ。皆帰って来たら茶化されるんだろうなぁ。]
悟は悶絶している。
「モモンガ様、それでは作戦はこれで良いでしょうか?」
「えっ!」
[作戦!何も聞いてなかったよ]
少し考える素振りをする悟。
「ふむ、デミウルゴスいい作戦だ。だがナザリックの皆の安全だけは確保するんだぞ、下位の僕だろうが大切なアインズ・ウール・ゴウンの仲間なんだからな。」
「お~!なんという慈悲深き御言葉。我々はじめ下位の僕をも気にしていただけるとは、ナザリック全員を代表してこのデミウルゴス感謝致します。では一度パンドラズ・アクターと共にナザリックに戻り作戦を実行致します。モモンガ様達にはお車を用意しておりますので、御方々とA・O・G財団本部でお待ち下さい。」
デミウルゴスとパンドラがナザリックに戻った直ぐ後に茶釜たちが悟の部屋に戻る。
「おかえりなさい」
「ただいま、モモンガお兄ちゃん!」
「ちゃ、茶釜さん。それやめましょうよ。」
「だってぇ、モモンガお兄ちゃんパンドラだけで飽き足らずに、あんなの作ってあんなことやこんなことしていたんでしょ?私が可愛いからって。」
「ですからそんな事はしてませんってば。」
「ふふふ、ありがとね。モモちゃん。」
悟は、茶釜に抱き締められシドロモドロになる。
活動停止している悟に代わってぷにっとが
「じゃあ、箱根に行ってナザリックの転移作戦を見させて貰いましょうか。」
車に乗り込む悟たち。
「あら、今日はお友達でも来ていたのかしら」
「そんな事より田中さんの奥さん。昨日こんなの見付けたのよ。」
佐藤さんの奥さんは携帯端末を田中さんの奥さんに見せる。
「きゃ、な、何これ?」
「ペロロン堂ってサイトなんだけど、凄いと思わない。」
「私たちには難しいんじゃないの?」
「大丈夫よ、今の私たちのコスプレ力なら、この上級者向けもこなせるわよ。田中さんの奥さん。」
「今日は、このペロロン堂ってお店に行ってみましょうよ?」
箱根A・O・G財団本部
「桜花、たっちさんの容体はどうだ?」
「はい、モモンガ様。順調に回復に向かわれております。」
「奥さんと子供は?」
「別室にて宿泊して頂いております。お世話は一般メイド及び私達が。」
「そうか分かった。ご苦労。」
「労いの御言葉など勿体無い。至高の方々のお世話が出来るこの至福の時を与えて頂き感謝の言葉もありません。」
「うむ、この後も宜しく頼む。」
「そういえばぷにっとさん、ペロロンチーノさんは?」
「あ!忘れてきた。ははは」
「アウラ、マーレ!今日も可愛いわね。」
「有難う御座います。ぶくぶく茶釜様。」
アウラとマーレは茶釜の手を取り引っ張って行く。
「え!これって。森?」
茶釜の目の前には緑に覆われた森林があった。
「け、結界を張って永続化の魔法も掛けています…」
「でも空は見えないんですが…ここにナザリックが転移する予定です。」
「間もなくナザリック転移作戦が始まります。」
桜花が一礼し報告する。
ナザリック内
ユリからデミウルゴスに山河社稷図とヒュギエイアの杯が渡される。
「ではアルベド、ナザリック全域に君のスキルを使用して結界をお願い出来るかな?パンドラにはたっち様のお姿になって貰って準備を頼みます。」
デミウルゴスが指示を出していく。
デミウルゴスに渡されたヒュギエイアの杯の力で増幅したスキルでアルベドは結界を張る。
「デミウルゴス、準備はよくてよ。」
「ありがとう、アルベド。」
デミウルゴスは山河社稷図の能力を解放しアルベドが張った結界の外側の空間を隔離する。
「今です!パンドラ。」
「
ナザリック全域が鳴動し空間が歪む。
「およ!体が宙に浮く?無重力っぽい中の…もいいものだなぁ」
「もう、ペロロンチーノ様ったら。」
悟たちの目の前の空間が歪みだす。
その時巨大な転移の門に似た渦が出現し光り輝き、砂塵が舞う。
眩しさに堪らず目を覆う。
数分後周囲の砂塵が収まり、光も収束する。
そこには、ゲームの中だけでしか存在を許されなかった物。
ナザリック地下大墳墓があった。
地表部入口より
アルベド、デミウルゴス、コキュートス、アウラ、マーレが登場する。
「作戦は成功致しました。至高の御方々及び我等ナザリックに列する事を許された者の夢の第1歩です。」
悟は胸を押える。
「くっ!」
「大丈夫モモちゃん!?」
「胸のあたりが熱いんです。」
茶釜たちは悟の胸のあたりに視線を動かす。
そこには淡い赤い光があった。
悟もその光に気付きシャツのボタンを外す。
そこには、過去のテレビ番組で光の星からやってきたという正義の巨人の胸に付いていた物とよく似た物があった。
「それもしかしてモモンガ玉じゃないですか、ナザリックが現実の物になったので、モモンガさんのアバターに組み込まれていたあれも現実化したという事でしょう。」
ぷにっとが冷静に呟く。
「あはは、世界級モモちゃんの誕生?面白いじゃない。いいかな皆!」
茶釜の掛け声に守護者、僕達は跪き頭を垂れる。
「たっち君の仇を取りに行くよ。」
守護者達の瞳に力が漲る。
「ナザリックの第1歩の始まりよ。気合入れて行くからね!」
[茶釜さん、ノリノリじゃないかな、恰好いいなぁ。ユグドラシルの時もそうだったな。]
悟はゲーム時代を思い出し懐かしむ。
「敵の情報と作戦は車の中で教えますので、早速行きますか。」
ぷにっとが指示を出し車に乗り込む。
「敵ギルド名は、
使役しているNPCは7人です。NPCのレベルは低いようですが、低レベルNPCなので倒してもほぼタイムロスなしに復活します。」
「面倒だね、それってギルドそのものを潰すか資金が切れるまで戦闘するか。」
やまいこが呟く。
「今回は時間との勝負になりますよ。ゼロって男はリアルでは複合企業体の裏の仕事をしていますから、時間が掛かれば複合企業体が動きだす。」
「ぷにっと萌様、宜しいでしょうか。」
「デミウルゴス、何かな?」
「今回の作戦は我等守護者とプレアデスに任せて頂けないでしょうか?」
「それは構わないけど、どうしてだい?」
「はい、失礼ながらナザリックも転移したばかりですので、至高の御方々がご自身のお力を人の身で使用出来るかも不確かですので。」
「確かにそうかもしれないな、デミウルゴス。で本当の理由はなんだい?」
「流石はぷにっと萌様です、この私の心情まで読まれるとは。今回の作戦のメインはセバスに頼もうかと考えております。至高の御方ガには後方に待機して頂き我等の戦いを楽しんで頂こうと考えております。」
「分かったよ、デミウルゴス。今回は任そう。」
「有難う御座います。」
「あ!そうだ。皆さんこれ使って下さい。」
悟はそう言い数枚のマスクを取り出した。
「これって!もしかしてアレ?」
そのマスクの表情は笑っている様な、泣いている様な感じだった。
12月24日聖なる夜にユグドラシルに一定時間ログインしているプレイヤーに問答無用で配布されたマスク…通称嫉妬マスクだった。
「でも13人分って有るんですか?」
餡ころもっちもちが悟に質問する
今回の作戦には、デミウルゴス、セバス、プレアデスの6人、ぷにっと萌、ぶくぶく茶釜、やまいこ、餡ころもっちもち、そして悟の13人。
「大丈夫ですよ。13枚有りますから。」
「えっ!でもユグドラシルは12年よね?12枚じゃないのモモちゃん。」
「恥ずかしい話なんですが、毎年の嫉妬マスクって微妙に表情が違うんで12枚コンプしたんです。そしたら運営から更に1枚マスクを贈られたんですよ、これなんですがね。」
悟は1枚の色違いの嫉妬マスクを出した。
そのマスクの表情は普通の嫉妬マスクと同じであったが、色は青色だった。
「も、モモンガさん、そのマスクって道具鑑定しました?」
「いえ、貰った時期も終了日近かったのでアイテムボックスに入れていましたけど、何故ですか?」
ぷにっとは震える手で悟の手からマスクを取り《上位道具鑑定》を詠唱する。
「やはりこれ世界級アイテムですよ!名前は《真なる賢者》効果は…」
「え~!世界級アイテムなんですかそれで効果は何なんですか?」
「そうです、私の友人がワールドサーチャーズに居たんですが彼が調べていたようで、何でも12年分の12月24日のログイン時間の最長者に送られたアイテムだそうです。」
茶釜、やまいこ、餡ころもっちもちが冷めた視線を悟に向ける。
「効果はゲーム内で、プレイヤー、モンスター関係なくモテモテに成るそうです。」
「それって!単なるヘイト値稼ぎですか?」
「そうなりますね。」
「俺、魔法詠唱者ですよ!後衛ですよ!意味ないじゃないですか。」
車内に悟の声が響いた
モモンガ玉のなぞがとけた!