書かずに脳内に溜まったネタの墓場というかごった煮というか

プロローグ 6

　「何故ランサーとアーチャーの闘いが始まっているのに誰も声をかけてくれなかったのですか・・・！」

　「全くよ、酷いじゃない。　貴方達このあと酷いんだからね」

　「ハァ？何言ってんだこのヒドイン共、脳ミソまでヘラってんの？誰か教えてクレめんス」

　「ハァ？何言ってるんだこのヒドイン共は、脳味噌まで魔力放出で吹っ飛ばしたんじゃあないか？」

　「いや、ほんと、止めてくれよ・・・酷い目にあったんだぞ。　と言うか、なんでわざわざ俺達から見えない所に場所移して始めてるんだよ・・・」

　「「ハア？何言ってんのお前？　頭の中まで衛宮なの？」」

　「頭の天辺から足の爪先まで衛宮士郎だよ馬鹿野郎！」

　「「そんなんだからお前は衛宮士郎なんだよこのバーカ！！　修羅場の処理ミスって爆散しろバーカ！！」」

　「理不尽！？」

　「いや、流石にフォローできないわよ。　なんでこんだけ派手に魔力がぶつかり合ってんのに今までスルーして痴話げんかしてんのよ。　いい加減にしなさいよ衛宮君？」

　「お嬢様、エミヤシロウ、あとでお話があります。　じっっっっくりと紳士淑女とはなんたるかという点について、みっちり、いいえ『み゛っしり』と、お話が、ええお話がありますとも。　それと本日の夕食は私が腕によりをかけてつくらせていただいた上でセイバーは食事抜きです」

　「なんでさ・・・」

　「なぁっ！？む、無体な！　セ、セラ、あの、反省していますのでその、それだけはどうか・・・」

　「えー、私は悪くないのにセラの―――うん、ごめんなさい、私が悪かったわ」

　「セラ、眼からビーム出そう。　真の従者は目で殺―――ごめんなさい」

　――――――。

　――――。

　――。

　「それで、なんかアーチャーだけ一方的にボロボロだけれどもう決着なのかしら？」

　「いえ、イリヤスフィールそれはまだわかりませんよ。　先程の魔力の激突は恐らく宝具の激突で、あの二人を見ればランサーがそれに打ち勝ったのでしょうが・・・。　アーチャーが凌ぎ切ったとも取れる。　アーチャーが一方的に傷を負っていますが、互いの魔力の供給に差があります」

　「そうか、ランサーのマスターは誰で何処にいるともどの程度の魔力があるかも知れないけど、魔力の供給量は流石にキャスターの方が上なのか」

　「その通りよ衛宮君。　というかランサーへの魔力の供給量は正直あまり多くないわね・・・燃費がいいから優勢だけれど、もっとちゃんとバックアップがされてればもっと優勢ないし押し切れるはずよ。　何処の誰かは知らないけれど隠れて出てこない上にサポートが手抜きとか、ふざけてんのかしら」

　「魔力の多寡だけで勝負が決まるわけではないですが・・・確かに先ほど感じた宝具の解放を行うほどの魔力があるようには見えませんが。　尤も、アーチャーのあの雰囲気、ランサーが万全であっても易くはないように思いますが。　どんな状況でも僅かな可能性を手繰り寄せる事を諦めない眼、とでも言いますか。　ああいった相手はしぶとく油断できません。　ただ、ランサーも、と言いますかランサーこそ正にそう言った手合いではありますが」

　「どっちも逆境に強いって事ね。　貴女達の闘いと同じく長引きそうって事かしら」

　「いえ、ともすれば一瞬で状況が動く、ないし決着しかねません。　目が離せませんね」

　「シンジさんや、さっきまで男にかまけて思いっきり目を離してた奴が何か言ってますね」

　「『アイツ、自分の好きな事、得意な事になると早口で饒舌になって気持ち悪いよな』とか言われるタイプかな？」

　「あ、貴方達は・・・！」

　「ふん、なんだかんだでアーチャーも中々やるじゃない。　気に喰わないけど一応味方だし応援してあげるわ」

　「何、貴女アーチャーと仲悪いの？　確かに嫌味っぽい奴だけど悪い奴じゃ―――」

　「あら、嫌味っぽいの？　確かにキャスターには嫌味ばっかり言ってたけど私はそうでもなかったわよ」

　「アーチャー、お父さん(ファーター)みたい」

　「リズ、余計なこと言わなくていいの。　・・・まあ、でも、そうね。　そう、なんか私を遠くから眩しいものでも見てるみたいに、なんか見守ってますーみたいな暖かい視線で見るの。　なんかキリツグみたいでああいうのキライよ」

　「・・・なんか、こう色々と言いたい事があるのだけれど、何、ひょっとして私の扱いって雑だったって事でいいのかしらアーチャー。　後で覚えてなさいよアイツ」

　「あら、嫉妬？　リンってば『案外』かわいい所があるのね」

　「案外って強調したな今」

　「別に強調するとこじゃねえよな」

　「いらないとこに協調してんじゃないわよ、後で覚えてなさいよアンタら」

　「おおこわい。　ところで、どれだけ覚えてりゃいいんだ？」

　「覚えることが多すぎて困ってしまうね」

　「お前ら、遠坂だけじゃないけど『後で覚えてろ』って言われすぎだろ・・・自重しろよ」

　「お前が息を吸うようにやらかすお人よしを自粛できたら考えてやるよ。　もしくは相手に『感謝の念を覚えておいてもらえる』ような全うな人助けが出来るようになったらな」

　「おいおいアカサ、それじゃまるで僕らが四六時中人を煽ってるみたいじゃあないか。　僕らはちゃんと『相手を見て』やってるだろう？　衛宮みたく『見境なく』はやってないぞ」

　「いや、別に感謝されたくてやってるわけじゃ―――」

　「「はいダウトー」」

　「なんでさ」

　「もうその根っこの部分からダウトなんだよこのタァコ」

　「そんなんだからお前の善意とやらは道端で拾った100円玉程度にしか見られないんだよ」

　「もしくは自販機の釣銭排出口に残ってた他人の取り忘れの小銭程度。　『あっ、ラッキー』とか『今日はたまたまツイてるな』とか、そんなん人に対する感謝じゃねえんだよボケが」

　「当たりが出るタイプの自販機で当たったことに気付かずに直前に買った奴が立ち去ったあとにタダでジュースが手に入りましたみたいな薄っぺらさだよ」

　「まあ自販機に礼を言うような奴ァいねえわな基本。　そしてオメエは硬貨入れなくてもボタン押せばジュースが出て来る自販機だよこのバーカ」

　「モラルの低下が云々とか古臭い老害共が喧しい昨今でも、コンビニ店員に対してだって礼を言うような奴がいるって中で全うに感謝もされないとか本気で壊れた自販機、機械なんじゃないのかとは思うよね。　何、衛宮って三原則付きのロボットか何かかな？」

　「自己防衛機能が機能してねえぞ、さっさと修理してこいやボケェ。　ってか自販機レベルからせめてコンビニ店員レベルまで進化してから文句言えっつーのよマジで」

　「ああそうそう、感謝されてるのの引き合いに出すのに身内とか柳洞とかはノーカンだから」

　「まあ、あのメガネはノーカンだわな。　あと一般人枠とかで三枝とかもノーカンな、あのぐう聖とかどう考えても一般枠じゃねえから、マキジだったらカウントしてもいいぞ」

　「アレこそ逸般人枠だろうが、藤村と同レベルのぐう畜枠だろ。　アイツが人に感謝している所なんて見たことないぞ僕ァ」

　「おいワカメ、ぐう畜の使い方間違ってんぞ。　ついでに言えば畜生じゃなくて野獣だろアイツら。　ぐうの音も出ない野獣、略してぐう獣という新たな枠だよ。　それと、マキジは割り切りスゲエんだぞアイツ、エイドリアンのお客様には別人の如く丁寧だぞ。　どこかの馬鹿にある意味見習わせたい気分」

　「・・・お前、なんか異様にあの女の肩持つよな。　あいつだけは衛宮をブラウニーとか言ってもキレないし。　というか詠鳥庵(えいちょうあん)だろ、いい加減にちゃんと呼んでやれよ。　あの藤村がタイガー呼びされた時と同じような咆哮されんのいい加減ウザいんだけど」

　「あれを広めた人間として、名付け親としてそれだけは出来ぬ！」

　「アカサ・・・あれ言い出して広めたのお前だったのかよ。　ん？実はお前ってアレとかなり昔から知り合いだったりしたのか？」

　「割と古い顔馴染みだな、つーか家のご近所だぞ気が付けよワカメ」

　「いや、呉服屋なんて興味も用事もないから視界に入っても忘れるというか目に留まらないね。　いやしかし、納得がいったよ、なんか似てるなと思ったんだよ、なるほどねえ」

　「マキジはワシが育てた。　いや、そんなたいして絡んでねえんだがな。　それはそうとそこの『無料奉仕大好き族』、項垂れてないでなんか言えよアァン？」

　「どうもぐうの音も出ない程に論破してしまった感ってやつ？　まあ、衛宮みたいなへっぽこ自販機じゃあいくら屁理屈をこねても覆せないよねえ！　いやあ、全くもって気分がいいね正論って奴は！」

　「一体この一連の流れの何処に正論などあったのでしょうか？　私の日本語の理解が不足しているのでしょうか、説明しなさいトオサカリン」

　「なんかちょっとだけ言わんとする所に同意してしまいそうで嫌だわ。　ちなみに正論ってこういうのじゃないからセラ。　あとどう見てもぐう畜ってのはコイツらの事でしょうよ」

　「それにしても、これだけ騒いでいるのに全く意に介さずに戦い続けるのねあの二人。　やっぱり心構えってものが違うのかしら。　―――なんか悔しい。　私だってバーサーカーから力を貰ったのに、全然冷静じゃいられなかった。　うん、すごく悔しい、でも、次はさっきみたいにいかないんだからねセイバー！」

　「あの、イリヤスフィール、この空気で貴女は何を言っているんですか・・・？　シ、シロウ、しっかりしてください」

　「ちょっと、そこは乗りなさいよ！　セイバー、貴女ってちょっとあの連中から変に毒されすぎじゃないかしら」

　「なんて心外な・・・！　ちゃんと闘いの方にも気を配っていますとも。　全く何処の者とも不明な得体の知れない英霊ですが、アーチャーは素晴らしい粘りですね。　才に光るものを全く感じないにも関わらずよくぞここまで・・・この勝負、まだわかりませんね」

　「さっきと言ってることがあまり変わってない気がするのだけれど・・・」

　「う・・・そ、そんなことありませんよ？」

　「それにしても、私たちがこっちに来る前に宝具なんでしょうけれど、大きな魔力のぶつかり合いがあったわよね。　そのあと暫く魔力のぶつかり合いが凪いだように感じたけれど、どういった宝具のぶつかり合いだったのかしら？」

　「イリヤ、イリヤ、私見てた」

　「リズ、貴女が見てたのは理解してるけど説明できるの？」

　「まかせて、実況してたあの二人の言葉そのまま言う」

　「え゛、何か嫌な予感がするんですが」

　「う゛、何か嫌な予感するからやめ―――」

　「『おっとここでランサー切り札御開帳ぉー』『何アイツ棒高跳びでもすんの？』『とか言ってる間に飛んでもう投げたアーチャー防いだってか攻防早すぎて目で追えねえし言葉が追い付かねえんだよファック！』『端的に言うとあの青タイツが槍であの赤外套をファックしようとして必死の抵抗で花弁が散らされたけど最後の一線は越えなかった、でいいかな？』『お前の花弁(かべん)にゲイ☆ボルグ――アワレにもアーチャーの花弁は最後の一枚を残して散らされアッ――イアス！』『字面が最高に気持ち悪いな』『それはそうと、あのアーチャーの出した花弁を見て『花弁大回転』ってフレーズを思い出したわ俺』『お前、それあのクソキモイ素人童貞が鼻息荒く語った風俗の・・・』『そう、鼻息荒く語って数日後に病気になったアレ』『お前はホントに一寸のブレなく最低だなアカサ』『それほどでもある』そこまで言って―――」

　「おのれあの妖怪腐れ外道コンビ、私のリズに何てこと言わせんのよ―――！！」

　「今まで聞いた中でも最も最低ですよコレ―――！？」

　「そこまで言った時にランサーとアーチャーが何か少し話した後にげんなりした目でこちらを見て来た。　その後にイリヤ達が来た」

　「・・・うん、流石にそんなの聞こえたらげんなりするわよね」

　「・・・はい、流石に死力を尽くした攻防の背後でそんな会話されたらげんなりします」

　「キャスターが凄い目でこっちを見てた」

　「ああ、うん、そうね、キャスターそういうの全く免疫なさそうだものね・・・」

　「と言いますか、免疫があっても嫌ですよそんなもの・・・」

　「ねえ、ところで全くその時の状況が理解できなかったんだけど」

　「お、恐らく、ランサーが真名解放を行って魔槍の投擲を行って、アーチャーがそれを花弁を模した盾のような宝具で防いだ・・・アッ、ゴホン！　アイアスと言う事はかの大アイアースの盾かと・・・」

　「なんか、もうね、なんか真面目に考察したくないわ私」

　「こう、真剣に闘っている彼らの背中に哀愁を感じて来たのですが、聖杯戦争って一体・・・」

　「サーヴァントとは、英霊とは、聖杯戦争とは、一体・・・それで、イリヤ『花弁大回転』って何？」

　「おのれアカサシュウジィ！！」

　「聖杯にあの二人の矯正とかお願いしてもいいですかね！？」

　「アレが綺麗な人間になる過程の想像ができないわ、多分無理！　やっぱり今すぐ絞めていいかしら！？」

　「ええ、ここであの二人の倫理を修復しておかねば未来の人倫の危機です！」

　「何か無駄に壮大な話になってるね、でも僕が居るのにアカサ達に何かできるのかな？」

　「ええい、邪魔をしないでください！」

　「何満面の笑みで立ちふさがってんのよアカサのサーヴァント・・・！」

　「ふふっ、人に盛大に汚物をブン投げて煽っていくスタイル、嫌いじゃないんだ。　いやあ、アカサ達を見てるとね、あの女の顔面に生肉ブチ撒いて煽った時を思い出してウズウズしちゃってね。　丁度いいから相手してあげようかなって」

　「何この笑顔、すごくこわい」

　「くっ・・・ただの鷹揚な底抜けに心が広い英霊かと思えば、やはりあの主にしてこの―――いえ、なんでもないですからその笑顔は引っ込めてもらっていいですか？」

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本日休みで、葬儀場の下見や見積もり取って、髪を切って、喪服や新しい革靴を購入してきました。　年内は色々あって更新無理・・・いや、逆に数日時間が出来たりするので逆に何回か更新できるかな？　引き続き予定は未定であります。