書かずに脳内に溜まったネタの墓場というかごった煮というか 作:むみあ
勤務中に病院から呼び出しを受けて早退して時間が出来たので更新です。
ちとリアル事情の現実逃避を兼ねてるのでいつも以上に支離滅裂な所があるかもですが・・・って元々ですかね。 というわけでポチッとなー。
「いやあ、すごい戦いでしたね」
「僕らは茶化してただけだったけどねえ」
「何故そんなに達成感に溢れた表情が出来るんですかね・・・あと、痴女扱いは止めてください本当に」
「凄いやり遂げたような表情してるけど、やり遂げたのはあそこでボロ雑巾みたいに・・・もう回復してるし、早いなあ、兎に角ボロボロになって凌ぎ切った二人なんだけどね」
「リズを必死に抑えてこの馬鹿二人を守った私も少しは労わりなさ・・・いえ、いいですきっと碌なこと言わないでしょうから黙っていてくださいもういいです・・・」
「セラ、骨折り損」
「ええ、ええ!わかってますよ泣きたくなるから言わないで頂戴!それと何スッキリした感じになって何食わぬ表情で佇んでやがりますか貴女は・・・!!」
「イリヤ、スッキリした。 蟠りが消えて嬉しい。 でもあの二人はあとで絞める」
「ええ、ええ!是非ともそうしてください!もう私は疲れました・・・」
「ふ、ふふ・・・ほんと、馬鹿みたい」
「イリヤ・・・」
「イリヤスフィール・・・」
「別にその、カリバーン?とかいう剣を受けてもきっと私のナインライブスで耐えきれたはずなのに、意地でもくらってたまるかーってムキになっちゃって。 それ以前に令呪なんか使う必要もないのに頭に血が上って使っちゃって、散々に魔力を無駄遣いしてガス欠だなんて、もうやんなっちゃうわ。 あの二人に最初から最後までいいように振り回されて、ほんと情けない」
「あー、その、なんだ、アイツらがなんかほんと、ごめん・・・」
「もう、謝らないでよ、変なの。 元々キリツグの事や他の事も色々とごちゃ混ぜにして、それをシロウとセイバーに見当違いの八つ当たり紛いにぶつけた私が、外野の言葉に惑って、更に頭に血を上らせて自滅しただけなんだから・・・謝られるようなことなんて何もないもの。 ・・・でも、あの二人はあとで絞めるわ」
「絞めるんですね、きっと碌でもない声を上げて鳴くことでしょう」
「・・・耳栓、必要かしら」
「いや、そこじゃなくてもう少し穏便にしてやってくれないか・・・?」
「シロウ、残念ですが穏便にしようと思ってもあの二人相手です。 どう足掻いても穏やかならざる心境になります、こちらが」
「そうね、だから耳栓必要かもって話なんだし・・・あっ、喉を潰せばいいかも」
「待て待て待て、物騒というか血なまぐさすぎる!」
「これはあの二人は本気で無事で済むかわかりませんね・・・」
「おいアカサ、あのグラップラーちょっと洒落になってない気がするんだが大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「ああ、そうか、大丈夫じゃないんだな。 やばいな、震えてきたよ僕ァ」
「武者震いか、まだお前とライダーの出番は先だぞ」
「違うわァ! あの人形女だよ、なんかこっちを屠殺前の家畜か標本にする前の昆虫を見るかのような目で見ているあのベルセルクみたいな女の事だよ!」
「憂いのない、澄んだ目をしているな」
「無邪気にアリの巣に水を流し込むガキの目って言うんだよああいうのは。 なんか何言っても『ふうん、言いたいことはそれだけ? じゃあ潰すわ』とか言われて肉片になる予感しかしないぞ・・・!」
「きゅっとされて、ぐちゃってなりそう」
「洒落にもなんないだろうが・・・普通の女、もしくはこう百万歩ぐらい譲って遠坂ぐらいまでならお話(物理)とかされてもなんとかなるが、あの膂力で物理でお話されたらミンチになっちまうだろ」
「海産物なのにミンチとは異なことを」
「もうワカメネタはいいんだよこの馬鹿が、ちょっと後先考えずに煽り過ぎたって言ってんだよ」
「まだ慌てるような時間じゃない」
「もう制限時間過ぎてんだよ、ほんとどうすんだよ明らかにこっちをロックオンしてるぞアレ」
「それでも、それでもシロウならなんとかしてくれる・・・!」
「お、お前なあ・・・仕方ない、衛宮弄って有耶無耶にするか」
「なあに、きっと今あんなこと言いながらこっち見てるけど、どうせ今からアイツら桃色的な空気を振りまきながらグダるからヘーキヘーキ」
「・・・・・・それもそうか、何だかんだでいつも通りだな」
「・・・なんだろう、アイツらがこっち見ながらコソコソ喋ってると嫌な予感しかしない」
「シロウ、私はあの二人が知覚範囲に居るだけで嫌な予感しかしませんが」
「もう、また二人でくっついて内緒話? 何かしら、当てつけなの?」
「いや、そう言うわけじゃ」
「そのようなつもりはありませんイリヤスフィール。 ただ、シロウと私がこうして『普段通り』にしているのがそう見えたのでしたら謝罪させてほしい」
「いっつも私たちは仲良しです、って? ふうん、へえ、言うじゃないセイバー。 そう言うのを当てつけって言うのよ」
「? 私たちは『ずっと一緒に生き抜く』パートナーなのですから普通の事では?」
「あら、カッチーンと来たわ。 何かしらこの気持ち、魔力とは違う力が迸ってきたわ。 シロウもなんだか嬉しそうにしちゃって、ふーん、さっきあれだけ見せつけといてまだそういう事するんだ」
「え、いや、イリヤ?」
「・・・ふう、まあいいわ。 負けちゃった手前あまり文句を言うのもアレだし、ね。 改めてエミヤシロウ、セイバーのマスター」
「お、おう、いきなり畏まってどうしたんだ」
「礼を言います。 見当違いの八つ当たりであるにも関わらず、私の我儘を受け止めて頂き、心より感謝いたしますわ」
「え、あ、お、おう・・・そんな、えっと、いや、どういたしまして・・・?」
「ふふっ、なーんてね。 それじゃあ負けちゃったし約束通り私はシロウのモノになってあげるね! うん、こんな姿になったから名実ともに私がお姉ちゃんだって思ったんだけどやっぱりシロウはお兄ちゃんだー!」
「なっ――!?」
「なあっ!? なにもの! じゃない曲者、私のマスターから離れ・・・はな、はなれ、ぐっ、なんて力ですか離れなさいイリヤスフィール・・・!」
「もう、何よ煩わしいわねセイバー。 今は名実ともにシロウに私を全部受け止めてもらうっていう感動的な儀式のフィナーレなんだから添え物らしく黙って立ってなさい」
「ふざけないで頂きたい! 何を勝手なことを、大体そんな約束などしていないでしょう!!」
「あら、魔力放出のし過ぎで自身の脳ミソを構成する魔力までどこかに吹き飛ばしてしまったのかしら? それとも鳥とどっこいの記憶野しかないのかしら、『イリヤ、お前の全てを受け止めてやる!』って熱烈なプロポーズだったじゃない」
「アレはそういう意味ではないでしょう! 貴女こそバーサーカーの心臓に言語野まで浸食されたのではないですか!?」
「あら、何貴女、今私のバーサーカーが筋肉だけで構成された脳筋だって言った?」
「あががが、待て、二人とも、裂ける、俺が、スルメみたく、俺、ライブでピンチ、見てないで助けろ下さいお前ら―――!」
「だってよ、ワカメ。 あそこの裂けそうなスルメを助けてやったらどうだ?」
「当事者どもの説得とか無駄な事せず、外野に助けを求めるようになっただけちっとは成長したかね、アレも」
「おおっと冷静にスルー。 なに何?クール気取っちゃってるの? フリーズドライな増えるワカメなの?」
「でも、僕らに助け求めるとか割と無駄な事だとか思わないのかな衛宮も。 てか、突っ込まないぞ僕ァ」
「チッ、ノリ悪いなー佃煮にすっぞこのワカメ。 そりゃそうと、まあ、あれじゃね?煽ってもらって有耶無耶に出来るとか考え・・・そこまで考えないか」
「まあ、衛宮だしね」
「咄嗟に目に付いた俺達に手を伸ばしたわけだな」
「そうだねえ、さてアカサ・・・質問だ。 『延ばされた手は?』」
「『叩き落とす為にある!』だな。 俺からも問うぜ、『溺れるシロウは?』」
「『棒で叩く』かな?」
「イェアー!修羅場を抱えて溺死シロウ!ハッハー!!」
「寒っ、たった今フリーズドライになったね僕ァ」
「ハッ、お湯でもかけてもどしてやろうか? その女々しいワカメが雄々しくなるかもだぜ?」
「僕ァ元々イイ男だからお湯をかけてもこれ以上男振りは上がらないねえ」
「そのワカメをおさげにしてやろうか?」
「残念、そんなロン毛になる予定は今後も一生ないね。 そりゃそうと、ホントに裂けるんじゃないかアレ」
「ふーむ、流石に助けてやるべきじゃね? 大岡様ばりのおシラス捌きをイイ頭のシンジさんにお願いしたい」
「お前、僕の頭見ながら何沸いた事言ってんだ? しかも白州じゃなくて魚の白子のつもりで裁くもわざと違う言葉連想して口にしただろいい加減海産物から離れろよ鬱陶しい奴だね。
・・・まあ、それはそうと、大岡越前ばりの、ねえ」
「ほら、なんかそういうのあったじゃんよ。 確か男を取り合う女二人の修羅場を収めたやつ」
「いや、男じゃなくて子供だろ。 確か、子供の腕を一本ずつ持ち、それを引っ張り合って勝った方を母親と認めよう、とか言って・・・」
「で、アワレ子供は真っ二つに裂けてしまいました! 実に恐ろしきかな女の情念!!」
「人これを『大岡裂き』と呼んで恐れ慄いた・・・って違うだろ。 なんで八つ裂きの亜種みたいな処刑技になってるんだよ」
「御覧なさいシンジさん、今まさに伝説の技が目の前で・・・!」
「いや、どっちかっていうとあの人形女が衛宮の首に抱き着いてるから絞め技っぽくなってないか?」
「成る程、つまり合体技なわけだな・・・大岡裂き+ネメアの獅子絞め・・・なんと恐ろしい」
「ああ、ヘラクレスだけに」
「おう、ヘラクレスだけに」
「「・・・・・・」」
「とりあえず、本気やばそうになったら止めるか」
「ああ、あの完璧とは程遠いポンコツ最優サーヴァントと」
「脳筋の心臓に頭まで浸食されてそうな
「コンビにしてなんと言うべきかな・・・?」
「『ヘラミッショネルズ』とかでいいんじゃね?」
「なんだそれ怖いな、震えて来たよ僕ァ」
「いやアンタ達助けなさいよ」
「いやだって、遠坂、お前、アレに割って入れとか鬼なの?赤いの?赤い悪魔なの?うっかりなの?」
「乱入したら死の制裁が待っていそうだから遠慮するよ僕は」
「賢明だなケルプマン」
「何処のパーフェクトな超人だよ僕は、パーフェクトと言えば遠坂だろう?」
「ミス・パーフェクト(笑)」
「ミス・パーフェ――ブフッ!」
「ルール無用の残虐ファイトをご所望かしら?」
「暴力はやめろぉー、常に余裕の贅肉を持って優雅のタレはどこへ行った」
「うっかり殺されてはかなわないからね。 で、その焼き肉のタレはどこで売ってるんだいアカサ」
「いや、自家製の秘伝のタレらしいですよ? 心の贅肉もコレ一本で美味しく頂けると前遠坂家当主も思わずニッコリ」
「中年の笑顔なんてどうでもいいんだけど・・・おい、アカサ」
「ん?どうしたんだシンジ、いきなり真顔になって・・・何かの前振りか?」
「いいや、一つ真面目に言っておくけど、『故人を馬鹿にするのは感心しない』な」
「・・・・・・む」
「・・・え、間桐君?」
「アカサ、小馬鹿にしていいのは目の前に居る奴だけだ、そうだろう? どんなに気に喰わない奴でも、言い返せなくなった奴に好き放題言うのは僕らの趣味じゃない、違うかい?」
「・・・・・・ちっ、いきなり素面になりやがってこのワカメ・・・いや、チッ、あーあーあー、そうだな、今のは失言だったわ」
「えっ?えっ何この落差、なにもの?新手の精神攻撃?キャスターの罠?」
「ごめんなとおさかーわるぎはなかったんだけどそのばのノリで『うっかり』くちがー」
「ごめんなとおさかーこんなやつでーいきおいで『うっかり』いらないこというけどわるいやつじゃあ・・・あったな」
「ハハハこやつめ」
「ハハハ事実だろ」
「ああ、やっぱり何の異常もなかったわ・・・もうやだこいつら」
「何を呑気に漫談してますか貴方達は・・・! ああ、エミヤシロウから先程イリヤお嬢様から聞こえていたような何かが捻じれるような音が・・・! お嬢様お止め下さい!セイバー貴女も何をムキになっているのです!」
「セラ、邪魔しちゃダメ。 負けられない戦いが、そこにある」
「何を訳の分からない事を言っているのですかリズ、離しなさい! ああ、人体はそんな風には捻じれません止めなさい二人とも・・・シロウ!エミヤシロウ―――!」
「なんだろうなアレ、美人二人と組んず解れつ・・・解れず?してんのに全く羨ましくねえぜ」
「解れる様子がないね、何かな、ゴルディアスの結び目かな?」
「最終的に真っ二つになる的な意味でか? どっちかってーとミサンガを連想したが俺は」
「千切れるのかアイツ」
「契られるのさアイツ」
「上手いこと言ったつもりかいアカサ、さっきから寒いぞ」
「千切りたい、このワカメ」
「うっさいよお前」
「おいおい、流石にあのボウズが可哀想じゃあないか? いい加減助けてやったらどうよ」
「ランサー、また唐突に沸いて出たなアンタ」
「お前は次のあの白髪との対戦の為のウォーミングアップでもしてろよサーヴァント」
「ハッ、必要ねえよ。 ってか、あの乳繰り合いが終わんねーと始められねーだろ。 というか流石に微笑ましいの通り越して哀れになって来たんでな・・・今はまだ笑えるが、あんま笑って流し過ぎるとふとしたことで取り返しのつかない面倒ごとになるもんだぜ、ああ言うのはよ」
「ハッ、流石痴情のもつれでで戦争してた時代の人間は言うことが違うねえ」
「おいおいシンジ、俺らの国だって割と近世までは似たようなもんだっただろうからそう言うなって」
「お前ら誰に対しても遠慮がねえな、まあそう言うのは嫌いじゃねえからいいんだけどよ。 兎に角、哀れってのもあるが流石に飽きて来たんでさっき話してた大岡なんたらでもなんでもいいからさっさと収めて来いやボウズ共」
「大岡裁きねえ・・・なあ、シンジさんや、本来のオチはどういうのだったっけかね?」
「確か、痛いと泣き叫ぶ子供の声に手を放した方が真に子供を思いやっている母の情が云々とかいう割と寒いオチだった気がするね。 正直この手の話は胡散臭くて寒気がするから僕ァ好きじゃないからうろ覚えなんだよ。 そういうのは後藤辺りに聞きなよ」
「あー、確かにアイツはそういうの詳しそうだよな、聞いたらその直後に語尾が時代劇風になりそうだが。 そりゃそうと、なまじっかあのへっぽこの悲鳴に緊張感が足りてないってか存在そのものに緊張感が足りんってのがあるんだろうが、それにしてもどっちもムキになってんなあ」
「ああいうの見てるとホント女ってめんどくさいって思うよ。 ああいったダラダラした綱引き好きだよねえ、理解に苦しむね」
「そう言ってやるなよボウズ。 情が深いからそうなんのさ、そこもまた良いモンだって思えるようになってこそ、だぜ」
「カァーッ、その末にハラワタぶちまけて弁慶立ちで往生した奴ァ言う事が違うな。 俺にはとても真似できねえわ、いやマジで。 意地を通すってのは不便なもんだねえ」
「まあな、だが意地ってのは通してなんぼってもんだろうよ。 そこら辺、何だかんだでわかってんだろボウズ共?」
「ハッ、知ったような事を言うじゃあないか
「ハッ、知っているんだから当然だろうよ
「「「―――」」」
「――ケッ」
「――フン」
「――ハッ」
「っと、そんな事よりあの坊主だよ、ほんとに裂けるぞあのままじゃ」
「あらら、時代劇風の人情沙汰かと思ったら、正しく刃傷沙汰でしたってか?」
「それを言うならそこら辺のつまらない痴話喧嘩かと思ったら神話的アレな感じの痴情のもつれでしたみたいなもんじゃないか?ギリシャ的な」
「ああ、ヘラだけに」
「ああ、ヘラだけに」
「おいおいボウズ共、それかなり笑えねえから」
「いや、実際そうだろ―――って、あら?」
「まあ、実際そうだろ―――って、おや?」
「あー、あっちにもばっちり聞こえてたみてえだな、中々に策士じゃねえかボウズ共」
「シ、シロウ・・・申し訳ありません。 大丈夫ですか?」
「シロウ、大丈夫? ごめんなさい、やりすぎちゃった」
「ごほっ・・・い、いや、その、次から、気を付けてくれれば・・・」
「もう、セイバーが聞き分けがないからシロウが大変な目にあったじゃない。 ホントしつけのなっていないサーヴァントね」
「なっ・・・!! あ、貴女と言う人は・・・!!」
「もう、だからすぐにカッカしすぎよ。 ほんとレディーとしてなってないわね、はしたないわよ」
「現在進行形でシロウの頭に胸を押し付けている貴女がそれを言いますか・・・!」
「ふふん、妬ましいのかしらセイバー? おじい様が言っていたわ、こういう大きい胸をオオメイブツって言ってニホンジンは有り難がるんでしょう? 自分にはないからって嫉妬するのは見苦しいわよ」
「くっ・・・ね、妬んでなど、言掛りも甚だしい。 と言いますか、少し前までは貴女だって似たようなものだったではありませんか! それと何ですかそのおかしな日本人観は」
「もう、ほんとごちゃごちゃと小うるさいわねえ。 それよりシロウ―――シロウ? どうしたの顔が真っ赤よ、どうしちゃったのかしら・・・ふふっ」
「お、おう、その、健全な男子として冷静でいられない状況というか感触というか、イ、イリヤ、ちょっと離れないか?なんかこう万力の様にガッチリと固定されてて動けないのに柔らかいわ固いわ色々となんかこう、えっと」
「あん、そんなにもぞもぞ動いたらくすぐったいわシロウ。 一体何がどう具体的に落ち着かないかじっくり聞かせてもらいたいけれど、いい加減セイバーの目も据わって来ちゃったしそこは許してあげるわ」
「とか言いながら全く離す気が・・・ってセイバー、なんかこう魔力が不穏に立ち昇らせてユラユラしてるぞ、落ち着け・・・頼むから!」
「もう、そんな心とか胸とか色々と小さい女の事なんて放っておいてお話の続きをしましょう。 ねえ、シロウ―――私、貴女のモノになったんだから私にもセイバーに渡したのと同じ聖剣の鞘が欲しいなあ。 ねえ、お兄ちゃん♪」
「―――は?」
「―――なぁっ!?」
「ちゃんと聞こえてたんだから、確かユイノウの品って言うんでしょ。 凛に材料が用意できたんなら私にも用意できると思うから、ねえ、いいでしょう?」
「いい加減にしなさいイリヤスフィール、流石に、私の忍耐にも限度と言う物が―――!」
「えー、元々シロウの中にある聖剣の鞘はアインツベルンが苦労して入手してキリツグに渡した物なんだから、そういった意味で代わりを要求するのは間違ってないと思わない?」
「・・・む、そうなのか?セイバー」
「・・・確かに、そう聞いてはいますが、それ以前に鞘は元々私の物で―――」
「でもそういう細かい事はいいの、そんな事より私もシロウとユイノウするんだからー! セイバーだけとかずるいじゃない!」
「いや、別にセイバーに渡した投影した鞘は結納の品って訳じゃ・・・というかイリヤ意味わかって言ってるか?」
「わかってるに決まってるでしょー! 私もシロウと将来を誓い合うんだからー! 私をウエディングケーキに見立てて入刀しようとした責任とってもらうんだからー!!」
「滅茶苦茶だな!?」
「ええい、やはり我慢なりません。 シロウから離れてそこに直りなさいイリヤスフィール! この鞘は私とシロウの絆の証、こればかりは譲れません!!」
「二人とも落ち着いてくれ!」
「ユイノウカッコカリ」
「なんだ突然、何時もの頭の病気かいアカサ」
「誰がお脳が可哀想だってアァン? しかし、聖剣の鞘カッコカリを貰ってアイツに意味あんのかね?」
「不死身っぷりに更に拍車がかかるとか? ちょっと冗談じゃあないね」
「独逸よりやって来た新たなサーヴァント娘、イリヤスフィールが仲間に加わりました! 聖鞘(投影)の使用でレベルキャップ解放及びイリヤスフィール・ドライへと改装が可能ですってか?」
「略して鯖娘か。 なんだそのナマモノは、ゲテモノにも程があるね。 というかツヴァイは何処に行ったんだよ」
「いや、バーサーカーの心臓による改装でツヴァイ」
「・・・・・・なんか納得してしまった自分にウンザリするね」
「私たちはアンタらの意味わかんない会話にウンザリよ・・・」
「お嬢様をなんだと思っていやがりますか貴方達は」
「・・・イリヤ、まだ変身を残している。 さらなるぱわーあっぷ」
「いや、ほんと、いい加減にグダグダやってないで始めさせろや」
「とか言いながらなんだかんだで待ってあげてる辺り人がいいね、ランサー」
「ただ、呆れているだけだと思うのですが・・・私は更にこの後に戦いが控えているわけで。 ちょっと気勢が削がれるどころの話ではないのですが・・・」
「安心しなライダー。 お前の出番は来ねえよ」
「そうであって欲しいものですね・・・それで、何時になったら始まるのですか。 いい加減あちらのキャスターとアーチャーの白け切った視線が辛いものがあるのですが」
「・・・もう、放っておいて始めたらどう?」
「・・・そうすっかねえ、マジで。 いや、しかし、ほんと締まらねえなあ」
イリヤ「私はまだ更なる変身を残しているわ・・・!」
リズ「天のドレスー」
セラ「一体二人は何処を目指しているのですか・・・」