俺が異世界に行ったら最強な件   作:DEZI

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展開が唐突との意見をいただいて
少し遅めに今回は書きました


強さ

武装

それは武を極めし者が到達し、その力は国を滅ぼすほどの力を持つ。

パルテミア王国の伝承によれば、この世に武装を極めし者が現れ世界に変革をもたらすと言われている。

 

「で、じいさん」

「ん?」

「この装備はなんだ」

頭の兜だけは付けなかったが

フル装備。ゲームで出てくるような

ゴツゴツした装備だ。

「聖騎士装備じゃよ」

そう。俺はミリアーネとの戦いに勝利し聖騎士の称号を得た。ちなみにここは王宮の応接室。

「ミリアーネはどうした?」

「それが……」

ドンッ!!応接室の扉が勢いよく開いた。

「ケンギイイイイイイイイ!!」

そこに居たのはミリアーネ。

とても怒っていらっしゃる。

「ミリアーネ!ちょうど良い所に!」

じいさん。ちょうど良いのか

「おじいさま。そいつから離れて下さい」

おいおいおい

「グチャグチャにしますから!」

予想通り!2mはある斧を持ち振り下ろす!

「ミリアーネ」

ズワッ。

じいさんのオーラが一瞬で変わった。

そのオーラに気付きミリアーネは斧を下ろした。

「ミリアーネ。ケンギ様と共に旅をしなさい」

「え、おじい……さま?」

「ケンギ様は恐らくわしが出会った誰よりも強い。ケンギ様にならお前を預けられる。」

「嫌よ!なんでこんな奴と!」

待ってくれ。俺の意見は無しか?

俺に発言の権利は無いのか?

「ケンギ様。ミリアーネをよろしく頼みます」

「おじいさま!」

いや、こんな嫌々来られても……

「おじいさまなんて嫌いだ!」

そう言うとミリアーネは泣きながら応接室の扉と付近の壁を破壊して去っていった。

 

おじいさまなんて嫌い!

私の事嫌いなんだ!

弱い私なんて用無しなんだ!

「ミリアーネ様?」

「グボルグ……」

 

「ミリアーネ様。何があったんです」

「……」

「ミリアーネ様。私はあなたの護衛の任を受けて10年になります。あなたの顔を見れば悲しんでると分かります。」

「グボルグ。」

「はい」

「あたしのお母様の事知ってる」

「はい。パルテミア王国史上最強の剣士でしたよね。」

「そう。そんなお母様を私は尊敬してた」

「ミリアーネ様……」

私は何故か泣いていた。

「セイレン王国と戦争になった時お母様は最前線でずっと戦った。」

こんな話をなぜしてるのか分からない

「セイレン王国3万の軍勢に対してパルテミア王国は5千。圧倒的不利な状況だった。でもお母様は戦った。最後まで。そしてパルテミア王国は勝利した。お母様は戦争が終わるとすぐに病死した。私はお母様の意志を継いで最強の剣士を目指した。」

なのに。なのに。

「あんな男に負けた!」

自分が憎い。勝てなかった自分が憎い。

強さが無い私なんて……

 

『なんだよ。そんな事かよ』

「!?」

振り向くとそこにはケンギが居た。

「な、なんであんたが」

「いや、気になってな」

気に入らない。この男の全てが気に入らない

「なに…馬鹿にしに来たの…」

「まあ。そんなとこだ」

駄目だった。自分を抑えられない。

自然と手に持つ斧で切り上げていた。

だが、その攻撃もかわされた。

完璧に。まるで来るのが分かってたかのように

「ミリアーネ。お前は強さが欲しいのか?」

「当たり前でしょ」

そう。当たり前。

強さが欲しくてここまで頑張ったんだ。

「嘘だな」

「は!?」

なにを言ってるの!?

「お前は嘘をついてる。お前は今強さを憎んでる。だから強さなど求めてない。」

「私が強さを憎む!?」

そんな事はありえない。

何故なら強さは私の一番信頼してる物だ。

「憎んでるさ。平等ではない強さを憎んでるさ。それと同じくらい自分を憎んでるさ。」

何も言い返せなかった。

何故ならその通りだったから。

「……。なら私の考えてる事は分かるね」

「ああ。俺を倒して強さを証明する。だろ?」

私は斧を構えた。

震える手を抑え構えた。

私はこの戦いに勝って、自分に打ち勝つ。


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