黒鴉と親殺しの神 (更新停止中)   作:ウィキッド

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プロローグ 4

「誰にだって間違いはあるものです。ええ、それは人であれ鬼であれ、河童であれ、天狗であれ、化け狐であれ例外はありません」

 

そう語る彼女の表情は慈愛に満ちていた。声色はまるで母親が聞き分けのない子供に言いつけるように優しさのなかに厳しさを含んでいるようだった。

 

「だって世界では神様が間違いを犯しているんですから」

 

 最後に世の男どもを見惚れさせるような笑みを浮かべる目の前の女性。しかし俺は見惚れることはしない。なぜなら

 

「……つまり?」

「……帰ってもいいですか?」

 

これだ。殴っていいだろうか?

要は彼女は間違えて助けに来たので帰ってもいいか?と尋ねているのだ。それに対して自分は当然――――

 

「ふざけるなよ?」

 

 助けに来てくれたのはとても感謝している。そしてそんな人物にこのような気持ちを抱くこともどうかと思う。だが、間違いだったから帰るというのはひどくないだろうか? せめてこの場だけでいいから助けて欲しい。上げて落とされることほど悲しいものはない。 

 そう思い、非難の目線を向けると浮かべていた笑みはどこかに消え、彼女は怒りを込めて叫び始めた。

 

「だって、よく見たら魂が歪んでるんですよ! 貴方は。正直吐き気を覚えました。ぺっ!」

 

「なんか今までにない罵倒なんだけど!」

 

 

 唾を吐き捨てながら俺に対して罵倒する彼女に怒りの突っ込みをする。

目つきが悪いなどの暴言はいわれなれているが魂が歪むなどは初めてだ、流石にイラッときたのだ。

 

「採点のやり直しを要求する!」

 

 ビシリ、とフラつく体を立たせ指差す。若干テンションがおかしいような気もするがこればかりは譲らない。

 すると指さされた彼女はため息をつき、顔を近づけてきた。途端に甘い花、薔薇のような香りが漂ってきた。彼女との距離は五センチもなく赤い宝石のような奇妙な魅力を放つ瞳がこちらを見透かすように覗きこみ、その妖艶さにドキリとしつい目をそらす。

 

「顔は……まぁ目つき以外は合格としてやっぱり問題は魂ですね。……なんで目をそらすんですか?」

 

「なんでもない。それよりどれくらい酷いんだよ」

 

 誤魔化すように尋ねる。すると彼女はくるりと回りながら俺と距離を開ける。

 

「言いましょうか?」

 

「……遠慮します」

 

 自分から採点のやり直しを要求した立場だが嫌な予感しかしないので断る。

 

「美味しそうな饅頭だと思ってかぶりついたら中身が砂だったみたいな感じです」

「……意味分からん」

 

 遠慮すると言ったのに案の定訳の分からない例えを出された。

 

「はぁ……」

 

妙なテンションの彼女のおかげかわからないが少し、落ち着きを取り戻した。

 

――――ガタリ

 

「っ!」

 

 背後の物音で今の状況を思い出し身構える。振り返ると日々の入った人形がこちらへ向かってきた。

 

正直、倒せるかわからない。彼女はこの人形より強いのだろうが……手伝ってくれるのだろうか?

 

 ちらっと彼女に目を向けると丁度目があった。

 

 

「……はぁ、そんな捨てられた子犬のような目で見ないでくださいよ……仕方ありません。せっかくですから楽しみましょう。これもいい経験になるかもしれませんし」

 

 額に手を当て頭痛を堪えるようなしぐさをする彼女、しかし次の瞬間には真面目な顔でこちらを見ていた。

 

「貴方、名前は?」

 

「岸波、黒野」

「では岸波、いえ黒野君と呼びましょう。あなたはこのままでは死にます」

 

 それはそうだ、今の自分では目の前のドールには勝てない。あっという間に惨殺されるだろう。

 

「でもここに一つの選択肢があります。私に絶対服従、言葉1つで命を捨てる人形。傀儡になるならあなたを仮マスターとして認めます」

 

 彼女は指を立てて訊ねる。

 

「どうです?命が助かるなら安いものでしょう?」

 

 確かに命は救われ、苦しみからは解放されるだろう。だが――――

 

「……断る」

「へぇ、意外。なぜですか?」

 

 声のわりには彼女は驚いた様子はなく、ただ首をかしげる。目は未だに氷のように冷たい。

だが俺は臆しはしない、臆してはいけない。

 

「絶対服従はしない。あくまで、同等。そうだお前と俺は同等だ、それが最低条件だ」

 

 上でもなく、下でもない。お互いが対等で運命共同体。そうでないとだめだ。そうでなければ生き残れない。

目の前の女は強い、俺なんてそれこそ塵のように消し飛ばすことなど造作もないほどに。

しかし完璧ではないだろうし間違いだって犯すこともあるだろうし慢心することもあるだろう。そんなときに注意もフォローもできないならば簡単にやられる。

 

「――――」

 

 そう思い、断ったのだが……反応がない。いや、よくみると微かに震えていることから怒っているのかもしれない。だが、この要求が呑めなければ契約はしない。

 

 顏を上げた女はこちらを見て

 

「いいでしょう、少し見直しました+10点です」

 

 今までの雰囲気が霧散し花のような笑顔を向けた。

 

「では、ここに契約を結びましょう」

 

 コホン、と一言。声を整え、改めてこちらを見る。

 

「貴方が私のマスターですか?」

 

「…………ああ」

 

改めて問われ戸惑い、未知なることへの期待と不安。それらすべてを混ぜ合わせたよくわからない感情を感じながらも頷く。

 

「では、お手を。ここに契約を結びます」

 

 手を貸してもらい立ち上がる。すると、握られた手が鈍い痛みと共に熱を感じた。

 何かを体に刻まれたような痛みだ。慌ててみてみるとそこには炎が合わさったような紋章が刺青染み込むように現れた。

「令呪、ですね。しっかりと管理してくださいね。出ないと私、黒野君を殺さないといけませんから」

 

 ――彼女はおそらく冗談で言っているのだろう。そう思いたい。

 

「――――」

 

 そんなことを話している間に人形は完全に罅を修復し、元の傷一つない状態に戻り、ゆったりと突撃してきた。

 身構える中、彼女は守るように俺の目の前に立つ。

 

「これではのんびり話もできませんね。ではでは、少し私の実力を見せましょう!」

 

 ――――瞬間、風が吹いた。

 

 瞬きをした瞬間、人形の右腕がなくなっていた。見間違いかと思い、目をこすってもう一度みてみる。と今度は左足がなくなっていた。

 

「あら案外脆いんですね」

 

 どんどんと勝手に崩壊を迎えていく人形の様子に戸惑っていると声が上から聞こえてきた。

見上げると自慢の黒い翼をはためかせ飛んでいる彼女がいた。右手にはドールの左足のような物体があり、さらに反対側の左手にはドールの右手が捕まれている。それが示すことはドールの損壊は彼女によるものだと言うことだ。

 

「ぽいっと」

 

 彼女は空き缶でも捨てるような乱暴さで腕を投げ捨てる。放たれた腕が俺の顔にぶつけられる。

手に取ってみたそれには温度なんてあるわけがなく、ただ冷たいだけだった。

 

「それにしても……初陣がこんな相手ってのは残念ですが、終わりにしましょう」

 

そして動けなくなった人形に何かを投げつけるような動作のあと、彼女は叫んだ。

 

「雷天、落ちろ!」

 

 瞬間、辺りを煙が包む。だがかろうじて青白い稲妻が人形を貫いた瞬間を目にすることができた。

 

「……けほっ」

 

 煙が晴れると貫かれた人形は黒い残骸となっておりその場に崩れ落ち、その残骸も数秒足らずで灰のように消えていった。

 

「どうです? ……って、大丈夫ですか?」

「い、やちょっと辛い。主に右手が……」

 

 堪えるように反対側の手で押さえていると遥か彼方から声が聞こえる。

 

『手に刻まれたそれは令呪。サーヴァントの主人となった証だ』

 

 その声に従い再び自らの手の甲を見る。すると先ほどと同様に怪しげに模様がきらめいていた。

 

『束縛や強化などに使えるが、あくまでそれは2回限り。3回使い切ってしまうと聖杯戦争の参加資格はなくなる』

 

 

参加資格の剥奪。つまりそれは死を意味する。使い終わり、最後の命令を全うすると同時に死ぬのか、命令した時点死ぬのかはわからないがとにかく使用には気を付ける必要があるということだ。

 

「あ、黒野くん? 言い忘れてましたが私に対して絶対服従なんて令呪で命じようものならその手を斬り飛ばしますからね? 」 

 

……

 

「ダレガソンナコトヲスルモノカ」

「ならいいですけど♪」

 

ああ、そんなことを微塵にも考えてなんていませんとも、ええ。というより俺は平等じゃないとダメだっって言ったじゃん。

 

『それにしても、私は長い間この仕事についているが君が生き残るなど予想できなかった』

「余計な、お世話だ」

 

 俺の痛みに耐えながらの訴えに声は愉悦に満ちた、そんな声色で笑う。

 

『フフッ、では余計なお世話ついでに、とあるNPCから君に連絡だ』

「……早く言えよ」

 

 いい加減手の痛みが限界を迎えそうで、倒れてしまいそうだ。だがその連絡は聞かないといけない。そんな気がするので痛みを歯を食い縛り紛らわす。

 

『保健室で待っている、だそうだ。なんのことかはわからんがね』

 

 愉悦を感じている様子がひしひしと伝わり少し腹が立つが、もっと腹立つことが一つある。

 

「おっと? いきなりR18展開ですか? 黒野くんもやりますねぇ。よっ! このプレイボーイ!」

 

 ケラケラと笑うこの女、その笑みが腹立つ。

命の恩人ではあるが一つ文句を言おうとすると、体がふらつきを感じ踏ん張るがこらえきれずに倒れる。

 

「あれ? ……おー……だいじょ…… ま、いっか」

 

どうやら右手の痛みと安全が確保できたことによる安心感が合わさり限界が来てしまったようだ。

 床の冷たさと、適当に心配してくる彼女の声を聞きながら意識は遠ざかり、消えた。

 

 

――――物語は始まる。

イレギュラーの観測が始まる。

戦争が始まる。そう、彼の物語が始まる。

 

 

『ああ、楽しみだ』

 

 

そう詠ったのはいったい誰だったのか。それはまだわからない――――

 

 

 目が覚めたら白い天井が広がっていた。

 

「見知らぬ天井、ではないな」

「そりゃそうですよ。保健室の天井ですから」

 

 独りごちたボケにツッコミが帰ってきたことに驚き返答主を探す。その人物はすぐに見つかった。

 

「おはようございます。黒野君」

 ベットの傍らに立っている彼女は先ほどの女性。先ほど俺と契約を結んだサーヴァントだ。

 

 

「それにしても……黒野くんって意外とモヤシなんですね」

「なんだいきなり」

 

 いきなり文句を言われ少し不機嫌になる。

 

「少しスキル使っただけなのに倒れるんですから文句の一つはいいたいですよ」

 

…………すんません。

 

「さて、128人の魔術師によるトーナメント制の殺し合い。それがこの聖杯戦争なんですが黒野くん、貴方はどこまでご存知ですか?」

 

 額に手を当て、自らの知識を呼び起こす。

 

「過去の英雄、英霊。それを使い魔、サーヴァントとして使役するていうのはわかる。たしかクラスがわかれていたのも覚えている」

 

 聖杯戦争。それは「ムーンセル・オートマトン」の所有権を奪い合う戦い。

かつてあったとされる聖杯を巡る争いをモデルに、ムーンセル自身がその内に霊子ハッカーたちを招く。勝者は一組で叶えられる望みはマスターとサーヴァントの二つ。

俺ら霊子ハッカーたちはムーンセルの門を潜った時点で自我や記憶といったパーソナリティを全て削除され、仮初めの記憶と役割を与えられた上で学園生活を送る。これが予選であり、4日間の期限内に自我を取り戻してサーヴァントを召喚できた者のみがマスターとして本戦への出場権を得る。当然、予選を突破できなければ消滅という末路をたどる。

 

「こんなところか? まぁ、本当に聖杯戦争が過去に行われたのかは眉唾もんだがな」

「はい合格です。次の七つのクラスに分かれています。セイバー、アーチャー、ランサー。ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー。ではここでクイズです。私はどのクラスになるでしょうか? 間違えたら−10、当てることができたら+5点です」

 

「……なんなんだそれ」

「早く早く、答えて下さい」

 

せかすように回答を促す彼女。若干顔が綻んでいる気がする。

 

 しかし、彼女のクラスか……。あの戦い方を見ている限りではキャスターのような気がするが。俺が悩んでいると弓を引くポーズをした。ヒントだろうか? だったら

 

「アーチャー?」

 

素直に信じてそう答えるとにっこりと笑った彼女は

 

「はい、はずれ! −10点 !」

 

 ブブーという効果音つきで頭上でバツマークをつける。

 

「なんなんだよそれ!」

「持ち点ですよ、私があなたをサーヴァントと認めている、認めていられる点数です」

 

つまりーー

 

「0になったら契約は切りますね?」

 

 そう。俺の生きていられるリミットだ。

 

「……今は何点だ?」

 

 

恐る恐る訊いてみる。すると彼女は人差し指を唇に当てながら考えるような仕草をし、答えた。

 

「15点ですね。これも試練ですよ!」

「なにが試練だ」

 

「ちなみに私はキャスターです」

「さっきの動作関係ねぇじゃねぇか!」

「なんのことです? 私はただストレッチしただけですよ?」

 

「……こいつ」

 

 口笛を吹いて知らんふりをする彼女を見て改めてわかった。

 ――このサーヴァント、キャスターは性格がクソ悪い。

 

 

「これは、私のステータスです。どうぞ」

「な、なんだ」

 頭の中に情報が流れ込んでくる。意識を集中して見ると彼女の情報が見えてきた。

 

 『筋力E、耐久E、敏捷EX、魔力A、幸運Eー、宝具B』

 

 いや、これ。

 

「……何ですか?」

「いや、大口叩いたわりには……弱い?」

 

………………

…………

……

 

「ぐわし!」

「ぎゃっ!」

 

 キャスターは俺の頭を掴み、力を込める。その力強さにおもわず悲鳴が零れる。

 

「いいですか? 黒野くん。サーヴァントっていうのは貴方たち人間より上なんです。少なくともEでも人間を殺すなんて楽々なんですよ」

 

「お、おーけ」

 

 痛みに襲われながらもなんとか返事をする。彼女もそれを見て手を緩める。

 

「まぁ、私が魔力、敏捷以外は心許ないのはわかります。でも、安心してください、強化はできますし、裏技もありますから」

 

 そんな彼女の背後から声が聞こえた。

 

 

「……保健室で暴れないでくれませんか? この雌豚」

 

 

 カーテンが開かれ、現れたのはカレンだった。予選で別れてからそれほど時間が立っていないはずなのになぜか久しぶりに感じる。

 

「あらいきなりなんですかNPC」

 

 メス豚呼ばわりされたのでキャスターはいささか機嫌が悪いようだ。言葉に棘が感じ取れる。

 

しかしそれを気にした様子はなく、俺に話しかける。

 

「黒野先輩、話をしましょう」

 

「お前か、あの伝言」

 

 保険室で待つ、その言葉である程度は予想できていたがやはり彼女からだった。

 

「あら」

 

 内容を尋ねようとするとキャスターが何かを察したかのように口元に手を当て笑みを深める。

 

「あらやだ、私はちょっと出かけますね。ほら桜さんもここは若いものに任せて」

「そうですね! 私も外にでて誰も来ないように見張っていますから。ベットはご自由に使ってくださって構いませんから!」

 

 ごゆっくり、という言葉と共に部屋から退出する勘違い女二人組。

 

「さて、二人きりになりましたね」

 

 先ほどの二人のせいもあって妙にカレンを意識してしまう。心なしか彼女の顔も赤く染まって――

 

「……なにを想像してるんですか? 気持ち悪い」

 

――ることはなく、いつもどうりでしたね。

 

「いや。何でもない」

 

「私からはひとつ。貴方が持ってきた礼装について」

「ああ、それ俺も気になってた」

 

 

 この電脳空間にアクセスする際にいくらか有利になるよう数多くの礼装を持ち込んできたのだ。しかしそれらはすべてなくなっていたのだ。おかげであのドール相手にもなにもできなかったのだ。

 

「簡単に言いますと大半がデリートされました。あまりにも強すぎて聖杯戦争が崩壊する可能性がありますから」

「……全く残ってないのか?」

 

さすがに礼装が一つもないのはあんまりだと思う。しかしカレンは大丈夫ですと言う。

 

「3つ、一応残っています。それを今渡します」

 

白衣の胸ポケットから小さい、五センチぐらいの立方体のキューブを取り出した。

 

「箱?」

「この中に圧縮データとして保存されています」

「解凍方法は?」

「さぁ?」

「なにも使えないとさすがにつらいんだが?」

 

 このままでは投げつけるくらいしか使えないぞこれ。そんな俺の困惑する様子を見てカレンはため息を吐く。

 

「仕方ありませんね。右手を」

 

言われた通り差し出す。するとカレンは俺の手に自身の手を絡める。

 

「簡単な強化を使用できる礼装と治療の礼装です」

 

 そう告げると同時に、ピリッとした痺れを感じた。改めて自身のステータスを確認すると確かに二つの礼装がインプットされていた。

 

「そういえば、先輩。貴女の願いはなんですか?」

「ん? 俺の願いは一つだけだよ」

 

 

そう、変わることはない。

 

 

 

 

 

 

「――――弟の、病気を治すんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうですか」

「どしたよ」

 

 願いを告げた途端に辛そうな表情に変わった彼女に理由を尋ねる。しかし彼女はいえ、と首を振る

 

「なんでもありません。それより廊下に一回戦の対戦相手の名前がかかれてますよ。確認してきては?」

「お、そうなのか」

 

 彼女の言う通りならもう対戦相手、もとい殺し合いの相手がわかるのだ。見ない理由はないだろう

 カレンにお礼を言い保健室を退出する。

 

 扉を開けるとのんびり桜と話していたキャスターがいた。彼女はこちらに気づくと相変わらずのにやにや顔で話しかけてきた。

 

「あれ、もういいんですか? もしかして黒野君って早ろ「対戦相手が開示されたらしいぞ。ほら」……仕方ないですねぇ」

 

変なことをいう彼女を遮るように廊下に向かう。数秒もかからずにカレンがいっていた掲示板の前にたどり着く。

 

「うひゃぁ、多いですねぇ。虫みたい」

 

 そこには人だかりができていた。おそらく俺と同じく自分の対戦者を確認しに来た者たちだろう。その集団をかき分けて進み、掲示板を確認する。そこには――

 

『マスター 間桐竜太 対戦場 四の月山塊』

 

 ――と記されていた。

 

「よろしくお願いしますね、黒野さん」

 

 その声に反応し後ろを振り返ると予選で出会った小さい男の子が立っていた。

 




こうした方がいいなどのアドバイスや間違い、誤字などがございましたらご連絡および感想欄にてご報告ください。随時対応させていただきます。
 また、感想がかかれると執筆スピードが上がります。まだ数話しか投稿できていませんがよろしくお願いします。
それでは!

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