フェアリーポップス   作:ありばば*

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第5話

 

第一区分目東部の、第地下108層目のとある街角。俺こと来島 アキトは怪しげなパブの側の地下へ行く階段を降りていた。

 

 

「こんなとこが本部なのか?」

 

「うん、そうだよ♪」

 

「あの来るときにでっかい、入り口のない建物があっただろ?、そこへ繋がってんのさ」

 

「へぇー」

 

セキュリティーは万全のようだ。

まぁ、指紋認証とか、監視カメラとかは無いだろうが。

あったらあったで怖い。だって、ビルとかマンションとかそう言った類のマンションがないし。

 

 

「あとどれくらいだ?」

 

 

黙々と歩くキュロットに話しかける。

 

 

「………………まだまだ先」

 

「そうか」

 

しかし、この階段。まだ下の階が見えない。

どんだけ長いんだ。

 

 

 

 

 

★★☆

 

 

 

 

 

 

 

あれから二時間は歩いたかもしれない。いい加減に足が痛い。

 

「どうしたの♪」

 

こんな時でも楽しそうな不知火が羨ましい。まぁ、元から本部の人間らしいから慣れているのかもしれない。

 

「(実は魔人のおかげなんだ♪)」

 

そうでもなかったようだ。というか、俺はまだ不知火の魔人を見たことがないな。

どんなのだか興味はある。

 

そしてまたもやトロッコに乗っていた途中で、スバルから魔人には、人間に限りなく近い容姿や、物質と同化するもの、意思を持つもの。など、様々な魔人がいることを教えてもらった。

 

 

「ほら、もうついたぞ」

 

「はぁ~~。やっと着いたぁ♪」

 

 

何気に疲れていたようだ。

 

 

「………………キュロットだ」

 

 

キュロットがインターホンのようなものに話しかける。

すると、側面にあった壁が奥へスライドした。

先には大理石だろうか。石の床が奥へと導いていた。

最後に俺が入った途端、扉は閉まった。

何つーテクノロジーだよ。

 

 

「うわぁ、まだあんのかよ」

 

「いや、違う。この先はトラップ地獄だ」

 

「だからこっちについてきて♪」

 

 

思わず愚痴ると、みんなが壁に向かって走り始めた。すると、始めに走って行ったキュロットは壁に吸い込まれて行った。続いてスバルも入る。

 

走っていた途中で不知火がこちらを振り向き

 

 

「ほら、走って走って♪」

 

「おおっっと」

 

不知火が強引に押して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壁へぶち当てた。

 

「ぐはっ」

 

「あ、こっちじゃなかった。ゴメンね」

 

脳震盪起きなくて良かった。不知火は手探りで入り口を探す。

天然なの?生粋のドSなの?スゲー痛いんだが

 

 

「あ!、あったあったよ♪こっちこっち!」

 

 

壁に手を突っ込みつつ、手招きされる。

なんて言うか、とってもシュールだ。

 

 

「それっ!」

 

 

グンと引っ張り、中へいれる。

 

 

 

 

 

★☆☆

 

 

 

 

刹那、白い光が俺の視界を奪った。どーせここでテレポートすんなら始めからせえや。

広い空間に出た。いや部屋か?、多分そうだろう。明かりは蛍光灯っぽいあたりに張り巡らされたパイプのみ。ここが地上か地下かもわからない。…………って、元からここ地下じゃねーかw。

 

 

「おい、どうした。ホバマーク酔いはもう解けたはずだが?」

 

「お~い!起きてる?」

 

「んぁ、っとと。悪い、少しボーッとしてた」

 

「………………連れてきました。リーダー」

 

 

ヤバい、何かボケっとしてた。つーか、ホバマーク酔いってなんだ?例えて、バス酔いのテレポートバージョンってとこか?

 

 

「ハハハッ、そんな改まっていうなよキュロット。お前とは同期だろうが」

 

「………………そうだったね、クソ外道」

 

「………オマエ、前より口が悪くなってないか?」

 

「………………気のせい」

 

「おっと、紹介が遅れたな勇者。私の名前は黒沢 カイトだ」

 

「来島 アキトだ、以後よろしく」

 

 

自己紹介はサラッとクールにこなせ!よし、まあまあな出来だろう。

 

 

「りっくん、いないのー?」

 

「ああ、悪いな。ここには私と君たちしかいないんだ。キャラバンは、既に地上に上がって敵地へ向かっているよ」

 

「なーんだ。残念♪」

 

「何か楽しそうだね」

 

 

スバルの引き気味のツッコミが決まったァ!スバルはレベルが上がった。

………何してんだ俺。

 

まぁ、そんな戯言はボッシュートして、と。キャラバンは地上に上がって、既に敵地へ向かったか。

 

 

あ、そうそう。この第一区分目って地域は、地下と地上の間に魔法のシェルターで覆われていて、地上はモンスターがうようよいるそうだ。最近はその中でも異色な、異世界から人間を呼び出す魔物(魔女か?)が、モンスターを従え、シェルターに攻撃しているとか。

 

そんなんで、このシェルターは三年に一回、第一区分目の全魔法使いが結界を張るんだが、この頃は三ヶ月で消耗してしまい、魔法使いに多大な負担がかかっている。

 

そこで、もういっその事その魔女を倒してしまった方が早いのではないか。そう偉い人は考えたわけだ。で、巡り巡ってこのキャラバン…………名前なんだろう。

 

 

「エンプディルだ」

 

 

おうふ、地の文に突っ込まないで。エンプディルのメンバーはみんなこんなことが!?

だとしたら主役のピーンチ。座が危うい。何かって?言わなくてもわかるだろ、な?

 

 

「さて、もう出発するぞ。明日には追いつくだろう」

 

「え、もう!?早くね!?」

 

「………………善は急げ。用事の時間から早くて損はない」

 

「そうそう、大型のトロッコの手配も済ませてあるしね♪」

 

 

い、何時の間に。あ、スバルがため息ついた。………貴方がやられたのですね。キュロットさん、またパシッたか。

スバルも大変よのう。

 

 

「デスゾーン!」

 

 

おおっと、これはギルド『エンプディル』のリーダー、黒沢 カイト様の魔人が見られるのか?

 

 

って、何もいないし。まぁ、空間が一部紫色になって、奥へと光が吸い込まれている感じがする。ということは、あのテレポートも黒沢さんがやってくれたということなのか。

じゃあ、射程とかもあるんだろうな。現状では分からんが。

おお、少しだけドヤ顔してる。

 

 

「よし、君たち早く来いよ!」

 

「………………五月蝿い、クソ外道め。はよ行って」

 

「………。」

 

「あ、な、泣かないでくださいリーダー!」

 

「サキ。これは冷や汗だ。冷房が効きすぎていたのだろう」

 

 

 

 

 

「(そっとしておこう)」




ネーミングセンスのなさは仕方ないですよね。

あと、基本的に会話は「」で。始めての固有名詞などは『』 で。

あと、囁いている時は「()」で表します

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