出来ました
はい、何だかわけの分からんうちに魔術を食らったアキトだ。魔人の説明?残念だったな、あれは嘘だ。これからだよ。
今は、魔術についてのキュロットさんから有り難い講義を受けて、魔人を見せてもらう事になった。
最初はすっげー疑ってたけど、今では信じられる。魔人を。
だってあんな現象起こせるのって、人間の力じゃ無理だよね?
「………………バッドステータス!」
何かを呼び出したっぽい。魔人だろうか。だがしかし、俺の目にはそれらしきものがみえない。
これじゃあ、ただの痛い人だ。
「……………見える?」
「いいえ、僕の目には貴方しか見えません」
「うわ、ちょっと引くわー」
何時の間に。いや、始めからいたのか。不知火が話に混ざってきた。
「君ってそんな性格だったの?」
「断じてない」
見ればトランスポーター?のスバルも居た。
「いえ、トランスフォーマーです」
だから、地の文に突っ込まないでって。
「………………話を戻すけど」
「あ、ゴメンなさい♪」
「………………魔人が見れないということは、あなたは魔人を持っていない。おわかり?」
「おかわり」
「………………。つまりあなたには魔人を身につけてもらうための儀式をしなくてはならないの」
おおぅ、ボケをスルーしたか。ま、確かに寒いと思ったけどな。
「………………スバル、アレ用意して」
「僕はパシリなんですね……」
アレってなんだよ。アレって。何か怖い。
とかいってスバルが校舎の方へ行き、何やらでっかい塊を浮かせて持ってきた。魔人の力か?
「………………配置して」
「何で僕だけ………」
シュンとなったスバルは、何処ぞのショタコンがホイホイされそうな雰囲気を出していた。
★☆★
十分後、俺はロウソクでサークルが作られた場所の中央付近にいる。何故付近にかというと、中央には謎の岩がある。鉄を含んでいるのか、少し黒光りしている。
あと、何故十分後かわかったか。それはあの校舎に時計があるからだ。太陽もないのによく時間がわかるな。
いや、電波か?まぁ、今はいいだろう。
「で、どうするんだ?」
「………………その岩に触って」
「マジかよ」
まさかとは思っていたが、本当に触るだけなのか?
まぁ、物は試しということで。触る。
………………………別に何もっっっっっ!!!
何も起きていない。そう思っていた。激痛とか、脳裏に響く声とか、そういうものをファンタジックに期待してたんだが。
何だよこれ。
見れば正面にいる、キュロットとかいう少女。隣には紫色の人型がいる。
…………これが……魔人……なのか?
確かに言われてみれば、禍々しい。魔人という言葉がピッタリだ。
急いで近くにいたスバルを見ると、こちらも同様に隣には人型が。しかし、色や形、大きさは全くと言っていいほど違う。グレーだ。灰色だ。
「どう、見えた?魔人♪」
「おう、まさかこんなのとはな。思っても見なかった」
ファンタジックなものを期待していた結果がこれだよ!呆気なさすぎて何も言えねーよコンチクショー!
おっとBe cool、落ち着け、クールに振る舞え。
さて、儀式も終わったようだし、とっととそのサークル片付けよう。
「………………待って。まだ儀式は終わってない」
「まだ何か」
「肝心の自分の魔人を呼び出してないじゃないか」
あぁ、そういうことか。
って、俺魔人の呼び出し方しらないじゃん!
魔人の名前知らないし!
「というか、どうやるの?」
「簡単だよ♪。岩の隣にある、ブロックを破壊したいと思えばいいの。そうすりゃ勝手に出てくるよ。守護霊みたいなもんだしね」
なるほど、守護霊か。………………細かいことは気にしたら負けだな。
取り敢えず、岩を砕きたい。そう考える。
何も起きない。
少し、イラッときて、砕け散るイメージをする。
すると、ニュッと背中あたりから何かが出てきて、岩をバガァーン!と粉砕した。
それは、赤焼けたレンガブロックのような色に、細い四肢、頭はそこだけ古代ローマの騎士のようなフルフェイスをつけていて、顔は見えない。
そして何よりも、その胴体から足にかけて、人、の字に首筋から、足首まで線が、正面、背後と、描かれている。
所謂魔人って奴だろうか
何というか、カッコ良くは見えない
「これが俺の……………」
魔人か。何だか、こいつの全ては元から俺が知っているような感覚がしてきた。
名前は、そうだな。そのままでいいや。
ザ・ブースト。これが俺の魔人の名前。
「………………名前は決まったか」
「はい。ザ・ブースト。それが魔人の名前です」
「よし。じゃあ、早速本部へいこう。キュロットもついてきてください」
「………………おk」
「りっくんいるかなぁ♪、楽しみだなぁ♪」
りっくんとは誰だか知らないが、本拠地へ向かうご様子。
怖い人とか、キチガイとかいなけりゃいいんだがな。
あれ?これフラグ?
というか、設定だけ無駄に六部まであるという……………