IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは静かに蝕んでいく病、世界を蝕む猛毒


破壊の始まり

「赤い粒子を出す敵・・・」

「赤い粒子?」

 

敵の正体を知り、驚愕した翌日・・・さらに衝撃的な事を知らされた

赤い粒子を放ち、攻撃してくる敵がいると言うのだ

 

「擬似粒子だ、由宇の機体に搭載した専用動力炉の試作品だろう」

「でもアレは・・・」

 

廃棄したはずだ、研究資料も破壊したはず。それこそ、サルベージも出来ないレベルで

 

「誰かが、再現したな!!」

 

あの動力炉は危険性を考えていない試作段階のものだ、完成段階にするための試作として1基のみ制作し、束に提供している

連絡を取るまでもなく本人もここにいる

 

「盗まれていないよ、リーちゃんの機体として使っているから」

「そうだよなぁ・・・」

 

彼女の護衛としてWALRUSから出向している元少年兵、リオナ・バーンシュタインの専用機に使いたいという要望から提供しているモノが盗まれるはずがない

 

「で、実働可能なのか?」

「出来るよー!!」

 

試作機としても最新鋭機としても最高性能を誇る機体に仕上がったようだ

妙に自信たっぷりな非常に元気の良いお返事だった

 

「では、行くかね」

 

ブラックフレームを纏う、敵地に向け侵攻する準備をする

作戦開始時刻となった、WALRUSが建造した潜水艦の運用試験でもある

 

「リニア発進システム出力調整完了だよ」

「了解」

 

コントロール権限を移された、こちらの制御で出る

 

「ブラックフレーム、藍澤・カズマ、出撃()る!!」

 

そして出撃し、戦術プランを見る

 

「よし、戦術通りに・・・!?」

 

次の瞬間、大型熱量の接近警報が鳴り響いた

 

「ミサイル!?」

 

しかも・・・!!

 

「この物量は!?ぐあぁぁぁ!!」

 

対応が早いんじゃない!!仕組まれていた!!

 

「ぐっおぉぉぉぉ!!」

 

爆撃の中に砲撃も混じる、なんて高密度だ!!

 

「がぁぁぁ!!」

 

一時間が経過して・・・

 

「砲撃・・・が」

 

止んだ、不意に

それを突いて離脱する

 

「見つけたぜぇ」

 

通信がそこに入る、反応は・・・後ろか!!

 

「元いた世界での借りを返してもらうぜ、えぇ!?ストライカー使いさんよぉ!!」

「ちぃ!!」

 

よりによってなんて奴が転生してやがる!!最悪だ!!

しかも、擬似粒子機関搭載型!!

 

「がぁ!!」

「へっ!!」

 

地面に叩きつけられ、敵にマウントポジションを取られる、このままでは危険だ!!

 

「が!?あぁぁぁっ!!」

 

そう思ったときには遅かった、プラズマ攻撃に苛まれる

 

「どうよ、アグリッサフレームのプラズマフィールドのお味は?機体だけ残して消えちまいな、開発者さんよ!!」

「があぁぁぁぁぁぁ!!」

 

さらに出力が上がり、反撃できなくなる

これほどのエネルギーを一体どこから調達しているんだ!?

 

「そぉら死ねや!!」

「があぁ!!うあぁぁ!!」

 

死ぬ・・・死ぬのか?取り戻せたものがある、この世界で・・・失わせるのか?

俺はまた、喪い・・・朽ちるのか?

脳裏に浮かぶ光景は今も鮮明に思い出せる風景、ソレに並ぶモノを作ろうと足掻いたその結果を、別の世界にいてもなお纏っている

 

「そんな・・・こと」

「しぶとい野郎だ!!」

 

敵がより出力をあげようとした瞬間、その機体を黒い紫電を纏う赤色のビームが装備の全てを破壊した

 

「なにぃ!?」

「それでいいんです、隊長。貴方のその前に進み続ける勇気を見て、皆が"この人に従おう"と決めています。だから、これは一つの恩返しです」

 

赤色の粒子精製機関、敵と同じソレは眩さの点で異なる。精製量が多いのだ、それだけ総出力は敵のよりも多くなる

 

「リオナ・・・か?」

「えぇ、リオナ・バーンシュタインです。お久しぶりです」

「機体は・・・」

「篠ノ之・束様が制作した、ヤークトアルケー、タイプドライです」

 

敵に応戦しながら彼女は俺に返答する

 

「作戦は最初から貴方が目的だったようです。研究者を捕まえるいい機会ですから」

「くそっ・・・!!巧妙すぎてそこまで気が回らなかった!!」

「反省は後でしてください、今は」

「あぁ、殲滅して差し上げるぞ!!」

 

再度ミサイルが来る、しかし

 

「撃ち落とせ、ドラグーン!!」

「撃ち落として、ファング!!」

 

2機の遠距離攻撃装備ですべて迎撃して発射装備もおまけに破壊する

 

「敵基地をこのまま強襲する!!イセリア!!」

「既に配置についてまーす!!」

「多連装ビットシステムのフル使用を許可する!!アトミックバズーカの出力上限は5%!!敵基地を潰せ!!」

「うわ、ものすごく怒ってる・・・!!」

 

そう言いながらも行動には移っているあたり彼女らしいな・・・

 

「俺たちも潰すぞ」

「了解です、どこまでもお供します」

「良し・・・殲滅作戦開始!!」

「「了解!!」」

 

イセリアとリオナがそう答え、作戦は開始される

 

「オラァ!!」

「がっ!!」

 

手当たり次第に出てくる敵を殺さない程度に蹂躙して回る

怒涛の100人連続撃破だ

 

「リオナ、そっちはどうだ?」

「だいたいわかりました、解析完了です」

「敵の正体は?」

「転生者で間違いないです、この基地の司令にO・HA・NA・SI♪して来ましたので間違いないかと」

 

お話の内容がすっごく悪そうだなぁ・・・

 

「イセリア、そっちは・・・聞くまでもないか」

「聞いてよ!?」

 

イセリアに通信を繋いだら、敵基地は聞くまでもなく蹂躙されていた

俺を失いそうで怖かった上にそれが仕組まれたことだと知り、少しリミッターが解除されていたようだ。

どのリミッターかは・・・考えないほうがいいな

 

「リオナ、残存粒子は?」

「まだまだかなり余裕はありますよ?」

「良し、擬似粒子、最大領域で散布、現戦闘エリアより離脱する!!」

「了解です、イセリアさん、事前のルートからこちらに変更です」

「了解!!」

 

イセリアとも連携が出来ているようだ、俺はそれを待つ

 

「擬似粒子、最大散布!!」

 

ヤークトアルケー・タイプドライの胸部にあるエネルギージェネレーターがほの赤く輝き始め、装甲の各部が開く

同時に手を広げ、ISですら影響を受ける双方向通信遮断効果を持つ擬似粒子を最大領域まで広げていく

 

「いっけえぇぇ!!」

 

そのシステムと、機能の名は・・・

 

「ステルスフィールド!!」

 

緊急時用に取っておいた切り札の機体にとって、最も有効的な運用ができるモノだった

 

「離脱するぞ、続け!!」

「「了解!!」」

 

三人とも合流し、離脱する




ピンチからの倍返し、チラッと出番のあったイセリアちゃんは敵基地でどんな事をしたのか・・・
それに新たに出た敵はとても厄介そう。これ、非常にやな予感(他人事)




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