「ふむ・・・」
全世界からネットを利用して情報を収集していると、思わぬ情報にたどり着いた
"歌を力と変えて闘う者達がいる"という面白い情報だ
どうやら女性三人の2グループ存在するらしく、共闘もしているらしい
「面白い・・・!!」
実力を試そう・・・簡潔にそう思った
そして・・・
「釣るか」
事件を一つ二つほど餌として起こして誘い出し、実力を確かめることにする
<一ヶ月後、戦場>
「・・・」
そして今の状態がある、六対一という状況が
なんでかというと・・・逆撫でしちゃった♪
「貴様が全ての元凶か」
「全てというと何処までを指しているかはわからんが、君たちが追ってきた組織の最高位に立つのは俺だけだ」
「つっ・・・!!」
「ようこそ、この地獄へ。俺も君たちも、
半月ほど前に一度邂逅した際は圧倒的戦力差を見せつけて撃破した
それとは異なる戦場で再戦するのは運命のように感じているだろうがそうではない、俺が仕組んでそうしたのだ
「私達が聞きたいのは一つだけだ、一体あなたは何をする気でいる?」
「戦争が好きなのかよ!?争いを求めているのか!?」
「敵味方で血を流すことを、神聖視しているのか?」
「アナタの存在がきっかけで、何人も死んでいる・・・」
三人からの代わる代わるの質問と一人の呟きに俺は答える
「勘違いをするな。俺は戦争が好きなわけではない。差別・貧困・虐げられる弱者・様々な悲劇・・・一言で言えば不幸。それらを俺は心底憎んでいる。道端で子供が犬のように打ち殺される世の中が、どうして正しいなどと言えようか」
「えっ・・・」
「なっ・・・」
六人全員が驚きに声を詰まらせる、それもそうだろう。想定外の返答だからだ
「だが同時にこうも思っている、
そう、この場に立つ上で俺が決めているのが、人の勇気を試す事だ
「愛、友情、信念、決意・・・それら善の耀きは尊いものだ。守らなければならないと分かっているし、それを守り抜くために命をかけねばならんことにも、ああまったくもって異論はない。風鳴・翼、立花・響、雪音・クリス、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、暁・切歌、月読・調。だからこそだよ、俺がそれを許せないのは」
だからこそ、この戦場を作り上げたのだ
「善は弱い。小賢しい悪を前に容易く蹂躙されてしまう。実際、世の歴史に台頭してきた強者とはその大半が悪党だ。ひとたび歴史を紐解けば、誰でもそう気づくだろう。世界は驚くほど正しい者が身を削るように出来ている。納めた税が正しく使われた機会を、おまえ達は見たことがあるか?為政者の手元を巡り二度と日の目を見ないことが日常茶飯事ではないか?」
「じゃあ・・・やろうとしていることって・・・」
「では聞こう」
俺はあえて質問することにした、どうせ戦闘になるのは自明の理、その前に聞きたいことがある
「俺が君達の前にいるのは、一体何のためだと思う?君達も、俺の表の顔は知っているだろう?」
「それは・・・」
「とてもいい人だと、思っています・・・でもだったらどうして!?」
どうして、か・・・
「それを悔しいと俺は思う。許せんのだ、そういう塵が己の悪を隠しながらほくそ笑む・・・その醜さが。勝ちを諦めた途端、他者の妨害に嬉々と勤しむ恥知らず。現実から逃避して凶行に走る腰抜けども。声高々に弱者であると吹聴しながら甘い蜜を啜る輩などに至っては、見るに耐えん
「自分自身の存在を否定するというのか!?正義の立場に立つというのに!!」
「いいや?だからいい加減気づけって、俺の目的は君達と戦ってその実力を試したいだけだよ」
「な・・・!?」
本心暴露に一同びっくり、それを聞きつつ俺は続ける
「それが叶わぬというのなら・・・裁断者が必要とされるならばいいだろう、俺がやってやる。罪には、罰を。悪には、裁きを」
「なんとなくわかった気がします・・・!!」
「奪われた希望には、相応ふさわしい闇と嘆きと絶望を・・・」
「貴様は、狂っている!!その正義は間違っている!!」
風鳴・翼がそう叫び、剣を構える。それに全員が反応して俺に向かって構えた
「そうだ、俺は歪んでいる。光を守る?いいや、否。"正義の味方"には程遠く、もはや目指したいとも思っておらん。資格もない!!」
「では何のために戦っている!?」
「俺はその逆、邪悪を滅ぼす死の光に・・・"悪の敵"に成りたいのだ!!」
醜い正義の体現の結果、俺は一つの世界を地獄にしてしまった。その後悔は今もなお続いている
もう二度と
「あなたを倒して、元の世界に戻る方法を聞きます!!」
「いいだろう、勝ったのなら教えてやる!!」
ここに戦端は開かれ、激戦が始まるのだった
後編に続く!!いやはや、どうなるのかな?
そして、シンフォギア装者達がこの世界に来てしまった理由とは!?