IS Striker   作:アーヴァレスト

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タイトルのまま、最新鋭の専用機が新たな世代に渡される
それは新たなる物語のスタートであり、運命をも凌駕する力の発現であった


次世代専用機

「ほら、入れ」

「はい・・・!!」

 

元気なのはいいが、少し腹立つ

 

「あぁ・・・これが」

「お前の専用機、ISVS-Plan1055"ヴェリアル"だ」

 

燃えるような赤と闇の中のような黒の2色を基調とした一撃離脱が主体構成の機体

基礎構造は既存ISの中で最もバランスのいい機体である打鉄を参考に、ブラックフレーム・エヴォルツィオンへの強化改修時に開発された、各種装備を再開発した物を採用している。

さらに背面には2枚1対のスラスター内蔵型ウィングパーツを装備、空間機動能力は第3世代はおろか、第4世代機である紅椿をも凌駕する

それでも、俺の機体ほどの性能は獲得できなかったのが残念で悔やまれる。

それもそれでしょうがないことではある、ISという縛りの中で最大限まで性能を追求出来ただけマシだと思う

 

「ISVS・・・てなんですか?」

「Infinte Stratos Variation Series、次世代ISの中でも装備品が最も優れている専用機のシリーズの開発名だ」

「専用機をシリーズで開発ですか・・・軽く悪夢通り越してますね」

「ちなみに既存機でも既に採用しているものがあるぞ?」

 

爆弾発言をここでかます、そう、既に採用されている技術なのだ。その開発者が俺と由宇、束なのが皮肉なのだが

 

 

「最新鋭機ですけど、コレ、私に扱えるでしょうか?」

「君と最も波長のあっている機体だ、君でなくては満足に動かすことも出来ん」

「はぁ・・・」

 

そう、波長・・・同調率が最も高い人間でなくては扱えたとしても満足なものにはならない

そのように出来ているし、そうなるべくしてなったとも言える。もともと、ISもストライカーも同じ条件があるのだ

その条件こそ、コアと使用する人間の精神波長、同調率だ

 

「明日から放課後に毎日1時間、コイツを使え。使えば使うほど君の言う事を聞くようになるし、性能も向上していく」

「うへぇ・・・マジですか」

「なんなら俺がコーチになってもいいぞ?」

「遠慮しますぅぅ!!」

 

全力で拒否された、ちょっとだけ泣きそうになった

 

「でも、使えば使うだけ答えてくれるって・・・なんだか不思議な感覚です」

「簡単に例えるなら"相棒"だな、自分の無茶についてきてくれて、フォローもしてくれるような存在だよ」

「互いになければ危うい・・・って意味ですね?」

「そうだ、自分自身の強さと使うモノの強さ、その両方がないと危うい」

 

簡単な説明だけでこちらの言いたいことが分かるのはいいのだが、なんでコイツはいつもトラブルばかりを起こすのか・・・はぁ・・・

 

「で、クラス代表戦は?」

「来週です!!」

「え・・・ヤバくね?それって超ヤバくね?」

「ヤバイです・・・」

 

すっごく付け焼刃な感じがするので・・・ここは俺よりも教えるのが上手く、伸び代を最大限まで引き出す奴に任せよう

 

「イセリア、少し来てもらっていい?」

「なに?教練?」

「うん、そうだよ。頭のネジが数本飛んでる上に予想の斜め上を滑空する系のガキの教育を頼んでいいかな?」

「カズマほどではないからいいよ、すぐに行くね」

 

なんか酷い言われようだったが、事実なので言い返せない

 

「ハイ到着ッ!!ここにプリティガンナーイセリアちゃん、爆誕ッ!!」

「やめようか、軽くトラウマだから」

 

それと一ミクロンもプリティじゃない、あんなに酷い(敵は全て堕とされる)超高速連続狙撃をやってのける女性のどこをプリティと思える?

 

「もう、そんな事を言うと、軽く粉砕するぞ?」

「ひぃ!?目が本気だァ!!」

 

殺す気かよ、やべぇぞ寿命がなくなる!!

 

「まぁ、いいや・・・で、あぁ・・・」

「なんでそんな可哀想なものを見る目に・・・」

「いや、違うよ?」

 

可哀想なものを見る目じゃあない、決して違う

これは・・・新しい玩具を見つけた時の表情だッ!!

 

「なんかやばくないですか、この人」

「あぁ・・・真性のドS(ヤンデレ)だな」

「誤字ですよね!?ねぇ!?」

「あはははっ・・・はぁ」

 

頑張れ、俺は今凄まじい墓穴を掘った

 

「さぁ、頑張ろうか・・・一時間生きていけるかなぁ?」

「ひいぃぃっ!!やぁぁぁぁっ!!」

 

俺は首根っこを掴まれて引きずられていく坂上・アンナに手を振りながら見送った

 

「さて、自分の機体の方に行くか」

 

ブラックフレームはまだゼロフレームと分離できていない。問題である新型動力機関との同調率が完全ではないのだ

これはブラックフレームの基幹システムとの機能競合が原因で、一部を解決したらまた一部が競合するという無限ループに陥っている

最近になってようやくこれを解決できる方法が見つかったのが最大の喜びだった

 

「さぁ、今日こそ、再起してくれよ。相棒」

 

整備室に入り、苦楽を共にしてきたもう一人の相棒と言えるブラックフレームに俺はそう言う。

ブラックフレームも、そういったのが分かったかのように、輝きを放つ

 

「カズマ君!!」

「お、どうした束?」

「この理論使って!!」

「うん、新型動力機関の理論?」

 

新型動力機関の可動システム理論だった、これは・・・

 

「BALDR・SKYで試みた可動システムの発展版か!?」

「そう!!これなら君の愛機も再起してくれると思って!!」

 

束から渡された資料を見て、確信した。この理論なら、成功すると

ただし成功はしても・・・

 

「完全同調は無理か、起動が限界だな」

「それは・・・そうだね」

 

新型動力機関の機体との同調は難しい作業だ、ヘタをしたら半径数キロは焦土と化すバケモノを搭載するのだからなおさらだろう

 

ツインリンケージ(2基連動)マイクロニュークリアリアクター(超小型核動力炉)・・・莫大な出力の代わりに同調率が問題だね・・・」

「それでも、やってのけるさ」

 

最大限までやってのけると決めた、限界まで挑戦しなければ結果なんてわからないんだ

 

「後でたっぷりお礼してあげる」

「ありがとー!!待ってるね!!」

「あぁ、待っていてくれ」

 

もらったモノを利用して再度組み直す、これで成功してくれよ!!




さぁ、新世代の胎動と主人公の新型機のお目見えは近いぞ!!
次はついに戦闘の回だ!!模擬戦でエキサイトしちゃうぜぇ!!


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