ここに世界を越え、因縁の戦いが始まる
「敵の首領は貴方の6番目のクローンよ」
「ハジュンか・・・」
かつて別の世界で対峙した時の姿を思い出す。
褐色の肌に緩やかな衣を纏い、くすんだ金髪を炎のように逆立てているその容貌はとてもではないが同じDNAの人間とは思えなかった
「でも、マーラ・パーピーヤスの性能は・・・」
「知らぬ知らぬ、見えぬ聞こえん!!」
「・・・むぅ」
イセリアの忠告は分かっている事だった。奴の専用機、マーラ・パーピーヤスは非常に高性能だった
それもその筈、ゼロフレームのコピーなのだから
それでも勝てたのは奴の放つ無量大数の質量を片っ端から分解して強引に突破したから
「ここか・・・」
「えぇ、動いてないわね・・・恐ろしいくらいに豪胆といえるかしら」
「いいや違うよ」
それは違う、確実に異なるんだ。奴には分かっているんだから
「俺がここに確実に来ると分かっているんだ、アイツには」
「恐ろしいね・・・」
「問題はない、確実に倒す」
確実に今度こそ倒す、その為に用意したものもある
「来たか・・・」
「あぁ、クソ夢見の悪いものをこれでもかと用意してくれてたようだな?」
「あぁ、原作連中のクローンか?その程度、余裕で用意できるとも」
やはりコイツか、一夏達のクローンを作ったのは・・・!!
「さぁ、再戦だ。オリジナルと俺、勝てるのはどちらか?」
「ハジュン・・・」
二つの銃剣を構えて俺は叫ぶ
「俺が、全てを地獄に変えても貴様を倒す!!」
「・・・」
「俺はWALRUSの代表、藍澤・カズマ!!別の世界において、黄昏の女神を守護せし者の残骸だっ!!」
黄昏の女神とはイセリアの事だ、別の世界といってもこの世界から見た場合の話であり、俺とセリア、アヤナ、ハジュン、イセリアがいた世界のことである
残骸といったのは、俺という人間が様々な世界に分裂しているからだ
「何故そう言い切れる?貴様も俺と同じ人間だろう?」
「真実はただ一つ、無くしてはならない刹那があるから・・・ここに生き恥晒してんだよ、俺を知る者がほとんどいない世界でなぁ!!」
無数の剣戟が刻まれていく、その度にハジュンにダメージを負わせていく
「許さないっ!!認めないっ!!消えてなるものかっ!!時よ止まれっ!!」
限界まで引き絞ったその願いは敵も同じ、だからここに最大の攻撃の撃ち合いが始まる
「森羅万象滅尽滅相!!」
「
これは別の世界の人間の力だ、それでも、思いはその人物と同じだけあると信じている
「それが・・・貴様の・・・!!」
「俺の女神に捧ぐ愛だ!!」
そう、かつて誓ったんだ。たとえこの先なにがあっても、どんな悲劇が待っていようと忘れない。忘れない。何も見えず聞こえなくっても、それだけは忘れないと!!
だから今、この場の俺には!!
「他は何も見えないっ!!聞こえないっ!!ただ忘れないだけだっ!!俺は彼女達を愛しているっ!!」
だから手段も選ばない
「俺はその思いを抱き続ける限り諦めん。諦めんぞ見るがいい、俺の辞書にそんな言葉は存在せん!!」
「ぐっ・・・!!」
かつての戦いとは大幅に異なる結果になりつつある
理由は簡単なこと、自己愛が過ぎる故に慢心する敵と、命を賭しても護りたい者がいる俺だから
普通の人間が彼を攻めても倒すことは出来ないだろう、せいぜい出来ても一撃を入れる程度、それも身を削って拾う一撃でだ
「なぜなら誰でも、諦めなければ夢は必ず叶うと信じているのだからっ!!」
「まさか・・・貴様っ!!」
「
神話の世界で金銀鉄の三都市を滅ぼした三つ叉の槍、トリシューラを放つそれの名は・・・
「
「くっ・・・ぐおぉぉぉ!!」
一つの神話における最上位の神格の名を持つ大技であるのだが、それすらも俺にとっては"大戦争"の呼び水の一つにすぎない
「お前の逃げ場はどこにもない!!」
逃げようとしたハジュンに俺はそう言い放ち、攻撃を放つ
「
この技は一度発動してしまえば例え俺を倒したとしても止めることはできない。最終的にこの技を発動して行き着く先は神々の戦いにより生じた莫大な力場に呑まれ破壊し尽くされた、誰も残らない黄昏の世界である。
だが俺はそれを容認できないため、出力を一点に集中、精密射撃でハジュンを細胞の一欠片の存在すら許さず滅した
主人公は超強い、これ重要。でもこれでちゃんと考えている
しかし、言ったセリフが恥ずかしい内容のような気が・・・聴く人によっては告白のような1文もあるし・・・
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