IS Striker   作:アーヴァレスト

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反撃のための情報を集める主人公、その中には鹵獲した敵の幹部への聴取も含まれていて・・・


反撃の兆し

「話してくれるか?トゥーレの全ての情報を」

「断るわ、幹部どうしとの連携は意外とないのよ」

 

鹵獲した翌日、休日最後の日に黒羊歯の聴取を俺は行っていた

既に開始から数時間が経過しているが一向に話してくれない

 

「君は憤怒(ツォーン)と自分を言っていたが、他にはどんな連中が居る?俺の予測では七つの大罪を象っていると思うが違うか?」

「・・・」

 

答えない、しかし目線が少しブレた

これに漬け込み、さらに告げる

 

「察するに、君は入って比較的に日が浅いと見えるが?」

「そうよ、ここまでくればもう分かっているのではなくて?」

「確信を得るには回りくどいこともしなくてはならんからな」

 

ようやく答えた、この数時間で考えられる全ての可能性の中から選んだ質問だったが、案外確信を得るには十分だった

 

「幹部は何人だ?」

「私を含めて7人よ、幹部は連携があまり出来ていないから、別の組織の力を借りているわ」

「さしずめ、アーネンエルベかな?」

「・・・」

 

ビンゴだった、目が泳いだ

 

「幹部はそれぞれ大罪にちなんだ名を持つのか、つまり、色欲(べギール)傲慢(ホッファート)嫉妬(ナイド)強欲(アンフォイシャイト)暴食(フレッセライ)怠惰(トレークハイド)・そして君の憤怒(ツォーン)というところかね?」

「えぇ、そのとおりよ。私はトレークハイド以外の人間の名前を知らないわ」

「相当な秘密主義だな」

 

そうなると厄介さは増し増しだな、これは別ルートから崩す方が早そうだ

 

「君のアーネンエルベでの名は?」

「いうとでも?」

ナトリウム(Na)だったな」

 

正体をこちらから明かすとするか、かつての名を

 

「俺は昔、君と同じ組織に所属していてね。その時の名はミスタ・K(カリウム)

「裏切りのカリウム!!」

「おぉ、そっちで覚えていたか、ある意味で嬉しいよ」

 

裏切りのカリウムと呼ばれる所以も彼女は知っているだろう

何故なら

 

「組織幹部の大半を殺した、最悪の人間!!」

「それがどうした?君たちのような極悪人が蔓延るより圧倒的にマシだろう」

 

そう、俺は裏切りの際に幹部の半数を殺害した

元々、歪んでいた体制を戻したいと言われて所属していた経緯があり、依頼主の粛清が行われたことに連動して裏切ったのだ

しかし、まぁ・・・

 

「まだ残っていたか、結構しぶといな。それとも、メンバーが転生者にすげ変わったか」

「・・・!!」

 

図星のようだ、どうやら、当たりらしい

 

「君がスコールが死んだと知ったのは学内新聞と普通の新聞だな?」

「えぇ・・・」

「あれ、ウソだから」

「・・・」

 

見事に黒羊歯はフリーズした、表情が凍っている

 

「どういう・・・事?」

「君たちの情報交換方法は新聞を媒体として行われる公開鍵暗号文、長年の経験と勘で暗号のアルゴリズムは解析済みなんだよ」

「くっ・・・!!」

 

軍人だった頃の勘を取り戻すためにはちょうど良かった、解析に二ヶ月を要したが

 

「司法取引をしようか?」

「何を言っているのか理解しているのかしら?日本にはその制度はないでしょう?」

「明かされてはいないけど、似たような制度自体は軍法には存在するよ」

 

軍自体の法律には司法取引は存在する、これはあくまでも内部で済ませる話であると言外に告げる俺に彼女は

 

「おかしいわよ、貴方」

「何を今更」

 

そんなのは詭弁に過ぎないが、詭弁も時たま役に立つのだ

 

「・・・じゃあ、私からの質問。貴方はこの世界をどうしたいの?」

「どうもしない、ただ一夏達の支えでいるだけだ」

「自分で変える気はないの?それほどの力はあるでしょう?」

「かつて十分にしている。今更そんな事など、心底どうでもいい」

 

かつて戦争を生んだものとして、これは一つの戒めだ

俺は歴史の裏舞台に居続ける、表舞台には上がらず、支え続ける存在で在り続ける

 

「・・・貴方になら・・・託せるかもしれないわね」

「この世界の命運を託すのは一夏達にしておけ。俺はせいぜい脇役だ」

 

それ以外はどうでもいい、由宇とイチャイチャしたいんだ!!

・・・おっと、今は関係ないか

 

「教えてあげるわ、組織の本拠地を・・・」

 

彼女から語られた本拠地は・・・




次話よりついに新章開始です。今後の動きはどうなるか、主人公の過去の謎が敵より齎せれるかもしれないです


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