IS Striker   作:アーヴァレスト

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疑似餌と書いてガセネタと読む
その心は、敵とて人間


疑似餌(ガセネタ)

「そんな···嘘だろ!?」

「残念ながら本当よ、織斑·一夏君」

 

スコールの緊急手術から一週間、ようやく敵が動き出した

というのも、あえてスコールが死んだ事にして1組で葬式らしい事をしたから。つまり俺は唯一に等しい賭けのような事をしたのだ

それは、スパイがいる可能性に賭けるというもの

そして案の定、見事に敵は動いてくれた

 

「黒羊歯、敵であるのならばここで容赦なく落とすがそれで構わんな?」

「えぇ、トゥーレの一柱憤怒(ツォーン)が相手になってあげるわ」

 

そう言って彼女が出したのはダイヤモンドカットの何かだった

 

「IS·SEジャマー、スタート」

 

その言葉を聞いた瞬間、システムの一部がエラーを出した

 

 

「なっ!?」

「これは···」

 

通信が妨害されたうえ、一部エネルギー回線が遮断された

一夏に至っては白式を強制除装させられている

これではおそらく学園の防衛システムから全てにわたり無効化されているだろう

とんでもないものだが、敵側がそれほどの技術を持っているのは先の戦闘で把握済みである

 

「ふむ、厄介だな」

 

量子転換も不可だが、これはISのシステムの一部を模倣したものだからだろう

本来のシステムであれば可能である

 

「相談を兼ねた最後通牒よ、私と共に、トゥーレに入る気は」

「ない、人の犠牲をなんとも思わないクズ共に身売りする気は毛頭もな」

「カズマ···」

 

一夏が俺を見る、現状ここで戦えるのは俺一人だけだからだろう

そして俺は、一夏達···本来の主役の支えでいたいのだ

 

「故にお前が本気をだそうと、俺には勝てない、勝てないように運命づけられている(・・・・・・・・・)

「そう···ならこれが貴方達の終焉ね」

 

そう言って彼女は右手をこちらに向け差し出す

そしてワンオフアビリティを発動した

 

「アジ·ダハーカッ!!」

 

莫大な出力のエネルギーが迫る、それを見ながら俺は

 

「擬似ワンオフアビリティ」

 

ブラックフレームで敵のワンオフアビリティをエミュレートする事にした

 

「アジ·ダハーカ!!」

 

相殺されるエネルギーが爆風となり吹き荒れる、同時に俺はその発生源である黒羊歯に迫る

 

「なっ!?機体は動けないはずよ!!」

「侮るな、高が数十kgの錘だろうが」

「つっ!?」

 

俺の筋力が同世代と違うことを彼女はいま知った

それも無理はなかろう、体つきはそこらの男性とあまり変わらないのだから

 

「ここは俺の距離だ、逃がさんぞ」

「しまっ!?」

 

その間にも接近しており、既に距離はない

 

「ワンオフアビリティ、ロッズ·フロム·ゴット!!」

「があぁぁぁ!!」

 

アームストレートと同時に放たれるようにデチューンしたワンオフアビリティがダイレクトヒットして黒羊歯に多大なダメージを追わせる

今回は追撃などせず、距離をとる

 

「くっ、ぐっ!!」

「ふん、逃げるならば逃げろ、追うことは出来んからな」

「そうさせてもらうわ」

 

すぐに逃げた黒羊歯に俺は笑いながら告げる

 

「が、逃がすとは一言も言っていない」

 

海上に出た瞬間、最大出力のロッズ·フロム·ゴットを満遍なく浴びせるように一斉掃射し戦闘不能に追い込んで鹵獲した




主人公は卑怯な手に出ました、でもこれから忙しくなるよ
はてさて、70話からの新章開始でどうなるか


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