IS Striker   作:アーヴァレスト

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決戦を前に決意する主人公。
仲間を失わせないために己がすることは一つ。血路を開く事
その前にする事は・・・


決戦前夜

「後悔はないのか?」

「無いといえばない、だがこれ以上、俺が原因で生じた歪みを看過する事だけは出来ん」

 

会議の結果、ファントムタスクへの強襲はPMCエグゼとIS委員会から派遣される部隊の連合軍となった。

その連合軍の中には対黒騎士戦を想定して一夏を加えている。

一夏が来るということはIS学園の専用機持ち全員が来ることでもあり、それぞれ配置を決めてある

つまりは実質PMCエグゼとIS学園専用機持ちの部隊が完成したわけである。

また、前線指揮をPMCエグゼ(こちら)で行うことをIS委員会には了承させており、軍事作戦としては異例の15機の専用機だけという超少数である

これだけでも、国家転覆ぐらい楽に起こせる規模だが

 

「お前だけが原因じゃなかろうに」

「そうだな・・・」

「で、見つけたのかよ?」

「あぁ、希望は残る」

 

最後の希望は残った、うまくいけば俺はもう一度・・・

 

「行かなかった場合はどうする?」

「その時は全てお前に任せる」

「けっ・・・誰がお前の尻拭いなんてするかよ」

 

嫌そうな顔でセリアはそう言う、本当に嫌そうだ

 

「必ず、帰ってこい。本当に死ぬのだけは許さねぇからな」

「あいよ、死んでも戻って来る」

「やめろやめろ、縁起でもねぇ」

「ははっ、違いない」

 

俺はこの作戦を確実に成功させるために威力偵察に出る

いや、実際には敵の戦力を削ぐのだ、限界まで。それで死のうと、希望があれば戻れるだろう

 

「スコールと、戦うのか?」

「あぁ、奴だけが、余りにもおかしいのでね」

 

何の目的で戦っているのかわからない、そういう奴こそ本音を出すとマッドなものが経験則上非常に多いのだ

 

「一夏には爆弾がある。それを提示してやれば流石にマドカも考えるだろう」

「ひでぇやつ、手心はないのか?」

「ないさ、家族なんだからそれぐらいの甲斐性は発揮して欲しいものだね」

 

あいにくとアイツは唐変木だ、相手の感情の機敏に鈍感すぎる

まぁ、最近変わってきているようだが

 

「それぞれの役割に今回は沿ってくれ。本当に申し訳ないが今回は世話になる」

「本当にな、いつもなら世話させられる側だから驚きだぜ」

 

核心に入らないのは、どのみち変更しないと知っているから

変わらないと知っているからこそ、そこに信頼もしているからだ

 

「最後に、俺もらしくないことをするか」

「なんだ・・・?」

「なんで、自らを犠牲にする?」

 

確かに、らしくないな

 

「なんでだろうな・・・自分でもわからないんだわ」

「はぁ・・・?」

 

うん、実は俺にもよくわからない。モヤモヤとしているのだ

いや、決まっていても、否定したいのかもしれないな

 

「どうせお前のことだ、そういうとは分かっていたがな」

「すまんな、こうしか生きられんのだ」

 

部屋の玄関口に立ちながら、やれやれ・・・と言いつつセリアは告げる

 

「酒は貰うぞ」

「それは困る、俺の楽しみであり、コレクションだ」

「だったら必ず帰ってこい、ズタボロでも構わん」

了解(ヤー)

 

閉まった扉に、その向こうを歩いているだろうセリアに届かないことを祈りながら俺は一人、呟く

 

「約束は、守れないかもしれない・・・」




次話、ついに主人公死す!?
ブラフですよ、きっと

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