IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは学校の行事にかこつけて別の事をしていた時の話。



ある日のお仕事

俺はある施設に訪れていた、IS学園の卒業就職組の交流会の出向要員として任務に就いている。交流といっても実際は面接に近いのだがそれはそれコレはコレとして省く、問題は私的な事で出向いた理由。

それは懇意にしていた依頼主(エンプロイヤー)から渡された依頼内容だった、それに俺は完全にブチギレて拒否していた出向要員の要請を条件付きで受諾、今に至る。

まぁ、これは表向きの理由だ。実際には、その依頼主を放っておけないし、美人な人なのに俺に殺害依頼を出そうとしているみたいなので泣かしてやろうという理由が大きい。

ちなみに相手が今いるその場所も場所で、なんと軍事関連施設、演習場というから驚きでこそある

 

「聞こえるか、リーナ・ヴァスティ少尉」

「あ、藍澤さん!?依頼はまだ出して・・・」

「自分の殺害依頼でも出すつもりだったのか?」

 

彼女は驚きの声を上げかけ、堪えた。それでも恐る恐る聞いてくる

 

「と・・・言うことは」

「安心しろ、頼まれた依頼は先日、完遂した」

 

彼女の出してきた依頼は生命操作関連の研究施設の破壊、しかもピンポイントに人間の多い場所をしてきていた。

しかもその場所は、彼女の生まれた場所でもある。

 

「そうですか・・・ありがとうございます」

「いろいろ聞きたいが、答えないんだな?」

「・・・はい」

 

なら・・・!!

 

「何故、あんな依頼を出した?」

「貴方なら既に、承知しているはずです」

「生命操作の、愚かさをか!!」

 

確かにそうだ、俺もその手の技術で生み出されたのだから

だがな・・・!!

 

「そうです、あのままにしておけば、ただ戦うために産まれて。無意味に死んでいく子が増えるだけですから」

「気持ちはわからんでもないが、あそこだけを潰してどうにかなる問題か?」

 

なんとか怒りをこらえ、それでもなんとか冷静に質問する

 

「リスクは承知の上です。それとその、効率も」

「・・・なら」

 

次の瞬間、彼女は叫んだ

 

「それでも、許せないんですよ!!同じような技術で作られた貴方なら経験だってあるでしょう!?」

「あぁ・・・今、現在進行形で再認しているところだよ!!」

 

こちらも怒気を孕んだ声で返答する、怒りで握った拳から血の雫が落ちているが気にはしない

どうせすぐに治る

 

「少しでも、減らせて行かなければならないんです」

「どうせすぐに元通りだぞ」

「それでも、やっては頂けないでしょうか?」

「・・・わかった」

「ありがとう・・・ございます」

 

一回深呼吸してブラックフレームをエミュレートモードで起動、武器を構える

 

「これから学生を殺す。お前が、俺に殺されるのをやめない限りだ」

「・・・は?」

「何が殺してくれだ。誰かの為にせよ、死に急ぎはうんざりすんだよ!!」

「あ、藍澤さん!!待ってください!!」

 

そんなもの!!

 

「待たねぇよ!!心変わりなら早くするんだな!!」

「そんな・・・!!」

 

その理由を教えてやる、戦闘しながらな!!

 

「いいか、少尉。貴女が今、無意味に死んで行くって言った子はな、生きているのが楽しいって言ったんだよ!!何もしないで、ただ生きているのが楽しいと言ったんだ!!」

 

それはまだ、PMCを立ち上げてすぐの頃だった、ある任務で出向いた先で生命操作技術で生み出された少女を救ったのだ。

その少女はDNAのある欠陥で余命が短く、ここ最近では起きている方より眠っている方が健康維持に最適な状態である。

俺の試算では持ってあと、最大でも半年だ。

 

「つっ・・・!!」

「その子はもう、余命幾ばくも無いのにだ!!そんな子を見ておいて、まだ十分生きていける奴を、"はいそーですか"って殺せると思っているのか!?」

 

誰かの為になるんであろう、しかしまだ生きていけるのにも関わらずそんな事をするのは俺が絶対に許さん。俺の手に届くうちは絶対に!!

 

「貴方は、命を弄ぶ人間を嫌いではないんですか・・・?」

「あぁ嫌いだね!!嫌いだ!!だからあんたを残して全滅させてやる!!そしてあんたも除装させてお持ち帰りしてやる!!」

「残念・・・です!!」

 

結局は戦うはめになるのかよ!!まぁ最初からわかっていたがな!!

 

「かっ・・・はぁ!!」

「結局、最後まで音を上げないのかよ!!」

 

学生もろともタップリ15分間フルボッコにした。

案外しぶとかった、まぁその程度なら高が知れるというものだろう

 

「そうでなければ、こんな事を頼もうと思いません!!」

「そうか、まぁ、全員生かしてあるから後は好きにしてくれ」

「え・・・?」

「今までで一番難しい戦闘だったんだぞ、畜生め」

 

そう、殺すと言いながら殺していない

理由は由宇との約束、それにほんとに殺したら俺は最低の人間に成り下がるから一種の線引きだ

 

「な・・・何故、そんな事をするんですか!?」

「あぁ!?それとも本当に殺して欲しかったか!?」

「そんな訳がないでしょう!!本当に・・・生きて?」

 

そう言いながら彼女は生徒を見ていく、急所は外し、生身への傷はほとんどないだろう

大抵は感電してまともに動けないか気絶しているだけだ

 

「あぁ・・・みんな・・・よかった・・・っ!!」

 

だが、問題が解決したわけじゃあない

 

「これで貴女への疑惑の目が強まるな。ついでに俺たちに依頼したことから考えると調べられるのを恐れて自殺も無理」

「あぁぁ・・・」

 

あれ、泣き出した。まぁ泣かすのが主題だからどうでもいいけど

 

「さぁてどうする?早くしねぇとウチのこわぁい奴らが攫いに行くぜぇ?」

「卑怯ですよ、藍澤さん!!」

 

その言葉に俺は笑いながら答える

 

「少尉みたいな美人に泣きながら言われると、なんともそそるねぇ」

「そんなことを言われても、困ります!!」

 

え、だって

 

「困らせたんなら成功だ。大体、自分のやった結果が間違いだって分かっているから、泣くんだろ?そんな奴を殺したところで、理解も納得もできるか、胸糞が悪くなるだけだ」

「・・・」

 

泣きながらも俺を見る目は変わった、それこそ、少しだけ恨む目に

 

「なぁ、少尉。貴女は俺ならばやると見込んだんだろ?」

「えぇ・・・」

 

なら話は早い

 

「だったら、自分の命も賭けてみろよ。周りに害が及ばないようにして下さい。ってな」

「考えて、おきます。ですが藍澤さん」

「ん・・・?」

「・・・恨みますよ」

 

それはそれは・・・困るけど嬉しいねぇ

 

「あぁ、今度会うのはウチの基地だ。恨み言なら幾らでも聞いてやるさ」

「はぁ・・・」

「じゃあな、生徒連中、大事にしろよ」

「・・・はい」

 

よし、私事(仕事)は終わったな。残りはセリアにでも任せるか。

映像通信でいいか。面白い顔見たいし

 

「セリア、仲間が一人増えるぞ」

「あぁん!?聞いてねぇぞ!?」

「今言った」

 

ため息が流れた、相当長いものが

 

「とびっきりの高待遇でオ・モ・テ・ナ・シ、しようぜ?」

「・・・悪い顔だ」

「そうだとも、美人を困らせるのは俺の趣味だ」

「今の恋人が見たらなんて言うだろうなぁ・・・もう見てるけど」

 

え・・・何ソレ聞イテナインデスケド?

 

「カズマ」

「は、はいっ!!」

「後で詳しく、話を聞かせてもらうぞ」

「や、了解(ヤー)・・・」

 

その後はセリアとどうやって基地に()させるか話し合った




主人公はサド。これ以外になんと説明しろという?
次話は戦闘こそないですが急展開です・・・よ?


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