それは別名を世界の劇薬という、狂気
「なに・・・?転生者と右翼団体が連携してIS学園を襲う計画をしている?」
「はい、現在事実上の密約状態ですがこの動きは非常に危険です」
PMCの本部にある会議室での会議中にその議題が上がったのは僅か二日前だった。
つまり今、襲われている
「俺はここで迎撃する、千冬、今回は俺が前線作戦指揮を行うがいいな」
「法外な料金でないのならな」
「ケチる気か?」
おいおい、一応俺のPMCと緊急時対応の署名をしただろう、敵一人倒すあたり20万でさぁ・・・
「今回は数が数だ、特例A-3を適用してくれ」
「・・・仕方あるまい」
特例事項A-3、敵勢力が一師団以上の場合一人当たりの換算でなく1000万を成功報酬とする
これを適用するしか今回はないだろう
「IS委員会への根回しは?」
「緊急回線で連絡、許可を得ている」
「了解、迎撃部隊を派遣する」
迎撃部隊を取りまとめるのはナターシャ、その後方に俺の指揮する掃討部隊を配置し迎撃の網を潜ってきた連中を殲滅、残りの別ルートからの侵入者はIS学園側が対応することで話は纏まる
そして・・・
「ナターシャ、迎撃任せる」
「了解です、取りこぼしの掃除はお願いしますね?」
「任せろ」
信頼には答えようじゃないか、俺なりにな!!
「行くぞ、掃討部隊、出撃!!」
「
装備品が最新鋭であろうとなかろうと、俺の部隊の練度は一国の軍隊のそれと変わらない。
いいや、世界の警察を自称ししている太平洋を挟んだ隣の国とは違うレベルだ
「A中隊は右翼に展開、C中隊は左翼に、B部隊は中央で一時停止後A・C中隊に押し出されて分断された敵部隊を撃破殲滅せよ!!」
「「「了解!!」」」
各中隊の長が俺の指示に応答し即座に行動を開始した
それを見ながら俺は更に細かく指示を出す
「A中隊は一時的に戦速を低下させ、C中隊と連携して敵を挟撃、B部隊は現地点で停止!!」
これで鶴翼陣形を完成させる事に成功した。さて・・・
「殲滅開始!!」
「了解!!」
一気に敵を倒して残りは離脱させた
あえて見逃したのはこちらの戦力にまだ余裕があると見せかけるための
「っていうかこっちにダダ漏れしているぞナターシャ!?」
「え、余裕でしょう?」
あのー、結構余裕ないのよウチ?
「貴方が出ればいいじゃないですか、それぐらいできなくてどうするんです?」
「解せぬ・・・」
なんでこんなに問題児なんだろうか・・・まぁ、問題児だらけだけどさ、俺のPMCは
「俺が出る、総員下がれ」
「了解・・・ご武運を」
「あぁ」
ブラックフレームを展開、敵陣に迫る
「俺はこれから君達を掃討する、逃げるならば即座に逃げろ。繰り返す、俺は君たちをこれから掃討する、逃げるならば即座に逃げろ」
「それでも我らには、なさねばならぬ大義がある!!」
大義・・・?それが今のコレと何の関係がある!?
「そうか、現世界秩序の歪みの極点であるココを消し去ることが目的!!」
「その通り!!世界は今、女性が統べている!!男はそれに甘んじろというのか!?そんな秩序を認めない為に我らは今日、行動を起こしたのだ!!」
「ふざ・・・けるなぁ!!」
キレた、完全に
「秩序がどうのこうのとバカじゃないのかお前らはっ!?そんなんだから女に負けるんだろうが!!性別で区別しているからその様になるんだよ!!」
そんなものがどうしたという!!馬鹿だろこいつら!?
そんな感じで違う性別や違う人格、ひいては民族を差別するからやがては自分だって差別されるんだろうが!!
「だから、俺は今から、お前たちにとっての災禍となってやる!!」
沸点を突破した怒りは完全にオーバーフローした、ここに俺の最悪最強、経験してきた転生の数だけ展開される
「ふはははは、ははははははっ!!」
「なっ・・・!?」
全ての敵が俺を見る、それを見て俺は更にテンションを上げる
「そうだ、いいぞ、俺を見ろ!!好きなだけ仁でも義でも奮い立つがいい!!勇敢だな、眩しいことだよ羨ましくて仕方がない!!」
そこから始まるのは、俺の最も忌避する力、それは・・・
「
最悪のパターン、その効果を一口で言えば、「対象の持つ"輝き"と、術者の"病み"の等価交換」というもの
悪辣過ぎるがゆえにこれまで封印してきたものだが、こうなった以上猶予なんてない
本気で行かせてもらう
「擬似ワンオフアビリティ、発動」
ここに最悪の力を解放すると決めたのだ、悪の側の人間として
「
この擬似ワンオフアビリティが奪う"輝き"は有形・無形を問わず、肉体のパーツといった物理的なものから始まり、感情・記憶・技量・勘といった精神的なもの、異能や才能等の概念的なものまで含まれる。奪うことに特化している擬似ワンオフアビリティであるため、対象が自覚していないものや、忌避している美点までも簒奪でき、更には転生者に対しては転生時の特典ですら簒奪が可能である
ただし問題の奪える輝きは指定出来るわけではなく、肉体の表面から順次奪っていくしかないため、他者の才能や技能といった精神や概念的なものを目的とした簒奪には時間がかかる。とはいえ、目的の輝きを奪うためにある程度は奪う輝きの取捨選択をすることはでき、無差別に奪うよりも時間の短縮を行うことはできるが、今回はその限りではない
そもそも、それは今ここに攻め込んでいる敵から奪おうと大した価値はない。奪ったところで何の意味のないものに俺は興味を持たないのだ
ならばなぜ発動したか?簡単な事だ、かつて負った負傷の傷を再現して、押し付けるためだ
「さぁ、お前たちの"輝き"を、俺によこせぇぇぇ!!」
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!」
そこから始まったのは阿鼻叫喚の地獄絵図、全身に裂傷を負った敵の中心で笑う俺という構図は、"血雨を降らす者"と言われていた過去の俺を思い出させるのには十分だった
「あぁ、自力でこれは少々キツい。今も俺自身に来ているのだから」
女性体としての俺の体は健康そのものだ、故にこの擬似ワンオフアビリティは俺自身にも適応される
しかも今回は敵側に傷を負担させた故に即座の行動がしづらい、窮地にあるのは変わらない。
それは相手も同じ、今の世界秩序を認められない、それを壊すことを夢としてここに攻め入り、また叶えようと良心の呵責に苦しむ者もいるのは事実だが・・・
「諦めん、諦めんぞ見るがいい、俺の辞書にそんな言葉は存在せん!!何故なら誰でも、諦めなければ夢は必ず叶うと信じているのだァッ!!」
負荷が多大にかかると分かっていて、精神論で突破する。ここに生ける伝説が、再誕するのだ
「
世界を新生させる極大の
「
これこそが
全部が神話の神格の名を持つ攻撃で、その先にがちゃんとある
「神話を・・・破壊している!!」
誰かがそう言った、それはそうだろう。なんといっても今、俺は大元の設定を無視した大戦争を起こしているのだ。神話はキリスト、イスラム、ヒンドゥー、マヤ、エジプトetc・・・およそほぼ世界中のモノをフル動員している
それを北欧神話で、こう呼ぶ・・・
「
主人公の圧倒的強さ、それは完全に全てを吹っ切った状態でこそ発動されます。
つまりやらかすのです、しかもとても取り返しのつかない状態になります
感想ください、作者の栄養源になります