人をして呪いと言われるもの。
「あぁぁ···」
死にかけの人間が目を覚ました。
その人間の名は藍澤·カズマと言う。
間違いなく、俺自身の事だ。
「・・・」
体を起こそうとするが激痛に苛まれ、不可能と判断する。
同時にこうなった理由を探るが、一つにしか帰着しない。
「つっ···!!」
悔しい、腹立たしい、妬ましい!!
何故あの男はいつもいつもいつもっ!!
「あっ、ぐっ!!」
それでも何とかベッドから降り、歩き始める。
どのみちこの傷はここでは治せないのだから。
唯一の治す方法がある場所に向かうしかない。
「がはっ!!」
一歩一歩が今の俺には
歩けば歩く度に寿命が縮まる、死に近づいていく
「はぁ···」
そして、たどり着いた。
この世界での、俺の家に、その部屋に
「はぁ、はぁ、はぁ···」
部屋の中にある自分専用の治療用ナノマシンを連続3本投与し床につっ伏す
そして、暫らくの間意識が途絶えた
「つっ!?」
目が覚める、何かの気配を探知したから。
近くに誰かがいる。誰だ?
「目が覚めたのなら、目を開ければいいだろう?」
「織斑···千冬」
痛みがするなか目を開け、来ていた人物を見据える。
織斑千冬だけでなく一夏やその取り巻きである鈴、シャル、ラウラ、箒、セシリア、
それに、由宇まで来ていた
「聞いたぜ、お前の本当の姿と、状態を」
「どう思う、この死人の体を?憐れむか?」
「馬鹿でしょアンタ」
俺の質問にそう返したのは言うまでもなく鈴だった。
続く全員も否定せず頷いている
「愚弄、するか···」
「違う、尊敬しているんだよ!!」
な···どういう意味だそれは!?
この俺を、救うといいながら何も救えない愚か者をか!?
コイツは、馬鹿か!?
「そんなボロボロになってまで誰かの為に自己犠牲出来るヤツをここにいる皆、お前以外に誰も知らねぇよ!!」
馬鹿な、有り得ない
俺の記憶を垣間見ない限りそれを知る事は出来んはずだ、まさか、この世界から消えた時に織斑千冬はヤツから!?
「つっ···!!」
「もうわかったと思うけど、千冬姉から聞いたんだよ、お前の事を、本来の状態も」
余計な事をしてくれる。クソがっ!!
そう思いながらも、身体はやはり動かず、以前として回復する気配すらない。
「今、治療用ナノマシンを投与して効果が始まるのを待っているのだろう?だとしたら下手に動くな」
「くっ!!」
止血こそしているがあくまでもソレ止まりだから下手をすれば再度血反吐を吐く事になる
「学園に帰るぞ、幸いにも今はまだ警戒と管理のシステムの再構築中でお前は学園の中にいる事になっている」
「そう、かよ」
再び薄れ始めた意識の中で俺は思った
もう、騙すことは出来ないな。と
主人公が騙してきた真実とは?
かつての彼は何を目指して、何を成したのか?
謎が謎を呼ぶ回でした
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