「というわけで、転校生のナターシャ・ファイルスさんです!!」
「これから宜しくお願いします」
夏休み明け、約束通り一夏と同じ一組へと転入できたナターシャは微笑みながら挨拶した
しかもとても丁寧にお辞儀までして
「それでは、新しく転校生も入ったことですから、席替えをします!!」
みんなが叫ぶ、ちなみに今回の席替えの方法は・・・
「今回はくじ引きです!!」
「さっすが山ピーわかってるぅ!!」
「や、山ピー?」
ちなみに山ピーは山田先生の愛称だったりする。誰だ言い始めたの
「そら、時間はないぞ早くしろ!!」
何気なく笑いながらそういうのは鬼でも難易度イージーに感じるクソ教師こと織斑千冬先生だ
「藍澤、不遜なことを考えただろう?」
「いいえ、まさか」
ゴイン!!という音が聞こえた鉄拳を喰らう、とても痛い!!
「くそぅ」
「真面目にしている分タチが悪いな」
「サクサク進めようかーみんなー」
俺と一夏の号令でみんな順番にクジを引いていく。今回ばかりは運任せだが・・・
「よし、隣だな」
「誰の?」
「由宇とナターシャの」
確信した、
「やった、一夏君のとなりね」
「おぉ、そうか?良かったな!!」
この天然ジゴロ、しかも唐変木な上に無自覚ハーレム男はそれがどういう意味か分かっているのか!?
「リア充爆散しろ・・・」
「カズマ、何か言ったか?」
「特に何もー?」
このリア充は是非とも周りの女の子共々爆散してもらいたいものだ、そうすれば少しぐらいは女性に対して敏感な反応が出来るようになるだろう
「さて、放課後は実戦訓練だ!!夏休みで一夏がどれほどパワーアップしたか見せてやるぞ!!」
その放課後、一夏は鈴とセシリアを連続で相手して倒した。倒したはいいが残りのメンバーには負けた
いやはや、パワーアップには成功したが思ったほど伸びていないじゃないか。まぁいいけど
「なんでシャルには負けたんだ?」
「シャルの頭の良さと機転の速さだろうな、それから一夏の癖を分かっているからなし得たのだろう」
そのあとの反省会で俺と一夏は問題を考える
「ラウラと箒にはなんで?」
「ラウラとはそもそもの相性が問題だな、白式のポテンシャルから逆算すれば余裕で反応されるさ。箒の紅椿とは対の存在だからだろう」
紅椿と白式は
現に開発者である篠ノ之・束もそう言っているし
そして翌日・・・
「昨日に引き続いて、転校生です!!」
「うそだろ・・・」
俺の知らない転校生がやってきた!!
「フィーネさん、どうぞ!!」
入ってきたのはセシリアとは違った趣を感じる金の長髪に長身でモデル体型の女の子だった
待てよ、フィーネ?・・・まさかな
「彼女は日本の代表候補生だ、専用機持ちでもある」
その言葉を聞いた瞬間、専用機持ちの全員が警戒と驚きを示した
「では、席は藍澤の後ろだな」
「はい」
凛とした声、それでも滲み出る何かが俺には気になった。何故か、ここではないどこかで会った事があるような感覚がしたのだ
放課後にでも聞くとしよう
「俺と君はどこかで会った事があるのかな?」
「あるぞ、ここではないどこかの世界でな」
放課後、ようやく時間ができたので聞いてみたら案の定そう返って来た
つまり彼女は・・・
「転生とはこういうものなのだな。驚きこそあるがそこまでではないか・・・」
「転生者なのか・・・あえて聞くけど敵意は?」
感じてはいないが念のためでもある、隠せば何かがある
「ない。普通に生きたかったのに無理やりここにいるのは織斑・一夏と同じなんだ。むしろ同情してくれ」
「あぁ、ご愁傷様と言っておくよ」
どうやら本当に敵意はなさそうだ、今のセリフは本心だった
「それで、話とはこれだけか?」
「いいや、まさか」
そのまさかだよ、あぁ・・・
「模擬戦しようか!!」
「そうなるか・・・!!」
そして戦闘が開始される
「ほう、強いな!!」
「くっ・・・!!」
近接戦で俺はビームサーベルを即座に選択し切り込んだが、フィーネはカッターナイフをそのまま剣にしたような武装でそれに対応してきた
「その武装、名前はなんというのかな!?」
「単分子カッターだ!!」
「なら、次の武装を見せて欲しいな!!」
「言われずともっ!!」
次の瞬間、同時に離れ、武装を変える
彼女は十文字槍型の武器を、俺は素手
「はあぁ!!」
「おぉぉ!!」
「流石だよ、圧倒的だね」
「まだだっ!!」
高エネルギー反応に切り替わる、左腕のユニットが開いたと同時にシールドごと吹き飛ばされた
「つっ・・・!!」
あまりにも高出力で弾丸が見えない。これはまさか、甲龍の衝撃砲かシュヴァルツェア・レーゲンのAICと同じ技術!?
「行くぞ!!」
「来いっ!!」
それでもエネルギーの遷移から算出した弾道をもとに回避行動を取る
なんとか躱せているがそれでもシールドを用いてやっとだ、普通ならば余裕でよけられるソレは超々速度化した上に不可視状態であるために厄介だ
しかし、相手にも俺にも奥の手がある!!
「「ワンオフアビリティ、発動!!」」
同時に奥の手を使う、それこそが切り札で、最後の一撃となるだろう
「天魔覆滅!!」
「ロッズ・フロム・ゴット!!」
天空にあり空から落ちる神罰の如き砲撃と、神に仇なす存在を滅する一矢が炸裂し、爆散した
「
「どうやらそのようだな」
これはこれで楽しい模擬戦だった、思わず本気になりかけた
「後で話す事がある。部屋に来ていいか?」
「由宇に聞いてくれ、許可が出ればきていいよ」
「わかった」
それで一時的に別れを告げ、自室に戻ることにした・・・
戦闘描写って、大変だ・・・
いつもそう思いながら書き上げていく作者です。
感想ください、作者の肥やしになります