人を崇め、操り人形となった者と理想を求め、地獄を見た男の戦い
「相手がいない」
「ふぁ?」
ある日・・・というより学年別トーナメントのペアの締切が翌日となった時点で俺にそう言ってきたのは何を隠そう織斑・一夏自身だった。
一体どういう理由かというと・・・
「シャルルが教えたから出来るよね?って事で模擬戦だと思えばいいから敵となって戦いたいらしいんだ」
「教え子を鍛えるためには効率的だな」
つまりは卒業試験のようなものだと納得し・・・
「いいぞ、俺と組め。アヤナとシャルルのペアにする」
「お、わかった」
こんなんじであっさりと織斑・一夏と組むことになった俺は対ラウラ・ボーデヴィッヒの戦闘パターンを考えてきた
そして今。ジャストナウ。それが使われる日が来たのだ
「さて、俺は基本お前に合わせることに集中する。それまではお前がどうにかするんだな」
「カズマは約束通り箒を倒してくれ」
「あいよ」
ラウラ・ボーデヴィッヒのパートナーは篠ノ之・箒だった。
好都合にも俺にとってはとてもやりやすい相手だ
「試合開始!!」
スターターの号令と同時に二人同時に
「くっ!!おのれっ!!」
「すまんな、さっさと沈んでくれ!!」
フルブラストモードへ即座に移行し三連射、戦闘続行不能にしてすぐに一夏の方に転進し横からビームライフルでラウラ・ボーデヴィッヒのシュヴァルツィアレーゲンのアンロックユニットにあるカノン砲を破壊する
「お待たせしたな、一夏」
「待ってたぜ、全くよ」
そう言って横に立つ一夏の白式の装甲は所々が破損していた、余程の猛攻だったのだろう
「さて、反撃・・・行くぜ!!」
「死ね!!」
一夏が突貫しラウラに迫る、俺はソレを見るだけだ
「おぉぉぉぉ!!」
白式による一撃は決まった、たったの一撃・・・零落白夜の剣先が掠めただけのひと振りで落とされたのだ
「つっ!?」
「なんだ!?」
だが、変化が起きた・・・ブラックフレームにある機能の一つで解析せた結果・・・
「やばい、一夏・・・俺に変われ」
「だけど、アレは千冬姉の!!」
「わかっている、だからこそ俺に譲れ。最後の一撃は譲ってやるよ」
ヴァルキリートレースシステム・・・その名の通りのシステムは使わせる人間の心理状態に激しく左右される
ラウラの場合はおそらく・・・織斑・千冬への憧れ、いやいっそ崇拝とも呼べるモノによるところが大きいであろう
「夢のないやつめ、ならば俺が見せてやろう」
そんな奴にはブラックフレームによる悪夢を見せてやろう
「ワンオフアビリティ・・・
ワンオフアビリティ、ロッズ・フロム・ゴット・・・機体に循環するエネルギーをある一点に集中、あるいは複数箇所に点在させ物体を生成、コレを人類が誇る最高速度の砲撃装置を超える加速度で撃ち出す特殊状態を俺はブラックフレームのワンオフアビリティにした
これの威力は・・・軽く半径3メートルのクレーターが出来るほどだ
「夢を見ろ、それがお前に俺の教えること・・・。見れないというのなら見せてやろう」
さらに圧縮率を上げ、物体の強度を増し増しにする
「そうすることも、勇気だっ!!」
その言葉と叩き込んだ一撃でVTシステムだけを破壊してラウラを開放した
主人公やべぇ・・・と言う回でした。
感想ください、作者の栄養になります