IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは最期の始まり、残された絶望の前に転生者が選ぶ答えとは?


物語の終わり

「なんてものを残していきやがったんだ、あの敵は!!」

「コレをどうしろってのよ!?プロテクトがっちり過ぎて解除できないじゃない!!」

 

現場は騒然としていた、あるものは解析して内部から自壊させようとハッキングを試みているが出来ず

あるものは残していったものの破壊力に驚きの声を上げる

 

「みんな、どけてくれ」

「一夏・・・」

「カズマもついてくれてる、俺にならできる」

「その通り、俺のいる限り不可能なんてないさ」

 

電子の海に溶けているカズマの声が聞こえて、みんな安堵したようだ

俺は目の前にあるG-FLEIAに向かって剣を構える

 

「ってまさか!?」

「斬るの!?」

「これしかないんだよ、止める方法は」

 

白式の零落白夜で斬り、ブラックフレームにあるアンチプログラムを同時に展開してウイルスによって機能を停止させる

現状取りうる最も安全な方法がこれしかなかった

 

「はあぁっ!!」

 

そして斬り、全てが終わる

 

「・・・終わったな」

「あぁ・・・」

 

俺とカズマは不思議な空間にいた、カズマは笑っている

 

「あぁ・・・一つだけ嘘をついていた」

「なんだ・・・?」

「アンチプログラムなんて実はない」

「・・・え?」

 

ケロッとした表情でそういうカズマに俺は驚き

同時に納得した

 

「お前・・・自分の命がないと」

「あぁ、随分と前に悟っていた。今度の戦闘が俺の命の最期だと」

「それなのに・・・なんで!!」

「君たちに、未来を託したかったから」

 

カズマはそう言って、ため息をついた

 

「そのためにはこの方法しかなかったんだ、今まで嘘をついていてすまない」

「だったら・・・!!」

「君たちは生きて、守ってくれ・・・この世界を」

 

ブラックフレームの解除をしようとするカズマを俺は止める

その言葉の意味がわからないほど、俺はバカじゃない

だから最後は俺の手で・・・

 

「俺に・・・やらせてくれ」

「・・・任せる」

 

カズマは俺に話しかける

 

「泣いているのかい?一夏」

「バカ言うな・・・泣いている訳無いだろ」

 

泣きながら、俺はそう言う

これが最後なんだ、カズマ達との毎日が・・・日常が

 

「カズマ・・・」

「後悔はない、今も、これからも・・・心残りはあるけどね」

 

俺にそう返すカズマの声は、泣きそうな感じだった

カズマ自身も別れとなるのを分かっていて、感情を抑えているのだ

だから、俺がここで泣いていい理由はない

 

「閉じるぜ・・・」

「あぁ・・・さようなら・・・一夏」

 

ゆっくりとブラックフレームとのリンクを断ち、元の風景(せかい)に戻る

 

「みんな・・・」

「カズマは、満足そうに消えたか?」

「あぁ・・・笑顔で」

「そうか・・・」

 

すると、セリア達、残った転生者メンバーの体が透け始めた

 

「俺達とも、別れが来たようだな」

「やっぱり、敵がセリア達をこの世界に転生させたんだな?」

「そういう事、だからその存在が消えると私達も消えるのよ。死ねばもろとも、という事ね」

 

イセリアがそういい、少しだけ寂しそうにする

 

「最後の最後に、教えられなくてごめんね?」

「いいさ、わかっていた」

「ふふ・・・そういうところ、カズマに似てる」

 

彼女も、そしてカズマの仲間達も全員、俺達に笑顔を向けて消えていく

 

「ありがとう・・・俺達はこれから、掴んでいくよ・・・自分達の未来を・・・この手で!!」




作者から次話にて重大発表

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