IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは運命という限界の突破から超越へと至る道
人はそれを、奇跡と呼称する


OVER DRIVE

「ならば、死ねっ!!」

 

ゴルドフレームからの攻撃が始まると同時に俺は飛翔していた

 

「逃げられると思っているのか!?」

「ンなわけねぇだろ」

 

雪羅を砲撃モードに切り替え3連射すると同時に雪片弐型を片手に持つ

 

「うおぉぉぉッ!!」

「甘いわッ!!」

 

雪片弐型が奪われた瞬間、俺は逆の手···雪羅をクローモードに切り替えて敵を雪片弐型ごと切り裂いた

 

「なにぃ!?」

「でぇりゃあ!!」

 

そのまま空いた手で殴り飛ばす

 

「立て、お前と俺、どちらが強いか分からせてやる」

「いいだろう、神の怒りを受けるがいい!!」

「やれるものならなッ!!」

 

切り札を使うにはまだ早く、システムの最終調整もまだ出来ていない

 

「バカの一つ覚えがッ!!」

「はぁぁ!!」

 

剣戟のラッシュから距離を開けて砲撃戦、接近してからの殴打の連続を躱す

 

「うおぉぉぉッ!!」

「ちッ!!」

 

再び放たれた略取のエネルギー波に押し飛ばされ、白式ごと地面に叩きつけられた

 

「がはッ!!」

「織斑·一夏···お前の存在は私にとって唯一の欠陥だ」

 

だから、と目の前の敵は叫んだ

 

「醜く死ぬがいいッ!!」

「つっ···!!」

 

死ぬ、殺される···そう思った時、目の前に現れたのは···

 

「死してなお、私の邪魔をするか···藍澤·カズマッ!!」

「失礼だな、俺がいつ死んだって?」

 

光に包まれていながら、カズマは不敵に笑う

 

「立てよ、一夏···お前達の掴む未来を俺は信じる」

「あぁ···だから、カズマ···力を貸してくれッ!!」

 

デットヒートシステムの最終調整が完了したマークが現れた瞬間、俺は迷いなく実行した

 

「うおぉぉぉッ!!」

 

そして、白式の姿が変わる

 

「なんだ···その姿はッ!?こんな姿の白式など、有り得ない!!」

「分からねぇのか?コレが···」

 

そう、デットヒートシステムはあるモノと白式の融合した姿

そのモノは常に俺達より先に立ちながら導いてきた人物の機体

 

「白式とブラックフレームの融合体だッ!!」

 

装甲の一部が黒色に変わり、カスタムウィングはこれまでの大きなものからスマートで大出力のものへと変わった

それだけでなく···

 

「有り得ん···そんなこと、出来るはずがないッ!!」

「お前は、幾つも許せないことをした」

 

すべての元凶と言っても構わない、こいつが全て影から操っていた

カズマの最後の言葉は、ゴルドフレームが全ての争いの真犯人であることだった

 

「自分の良いように世界を歪めて、駒のようにカズマ達を使い捨てて、その発明品を悪用しているッ!!」

「・・・」

「だけど、いま一番許せないのは···俺の友達の生命を、奪ったことだッ!!」

 

そう叫んだ瞬間、一気に加速してゴルドフレームの懐に入る

対するゴルドフレームも対応しようと動くが、今の俺にはその動きですら止まって見えた

 

「たあっ!!はあぁ!!」

「ぐっ!?がっ!?」

 

蹴りを躱して後ろに回り込み、振り向いたところでそのガラ空きとなった腹に連撃を叩き込んで壁面に叩き付ける

 

「馬鹿な···有り得ない!!白式の性能が、ゴルドフレームを上回るはずがないッ!!」

 

武器を奪うエネルギー波が浴びせられ、身動きが出来なくなる

その間にゴルドフレームは雪片弐型を奪っていた

 

「はあぁ!!」

 

振り下ろされる瞬間、何処からともなく現れたのはカズマが開発した機体の特長的な武装だった

それがゴルドフレームの攻撃を防ぎ、白式に接合する

 

「雪片弐型を返してもらう!!それは俺の武器だッ!!」

 

そこから怒涛のラッシュを始める

セシリアのブルーティアーズから借りたBT兵器

ラウラのシュバルツェアレーゲンから借りたレールカノン

シャルのラファールリバイブカスタムⅡから借りたパイルバンカー

鈴の甲龍から借りた衝撃砲

箒の紅椿から借りた空裂

簪の打鉄弐式から借りた夢現

 

みんなの機体の特徴的な武装による猛攻でゴルドフレームを一気に追い詰める

 

「おのれ···許さん···許さんぞォォォ!!」

「俺もだッ!!」

 

零落白夜を過去最高出力で発動、敵と刀をぶつけ合う

 

「はあぁぁ!!」

「おぉぉぉ!!」

 

敵はまだ分からないようだ、俺の背中には!!

 

「まさかッ!?」

 

そう、今の俺はカズマの思いも背負っている!!

 

「やっと···くそぉ!!」

 

人間体を維持出来なくなったのか、機械の姿に変わった

これがコイツの正体なのか···

 

「一夏!!」

「勝ったのか···ゴルドフレームに」

 

千冬姉ぇとみんなが来た、俺はカズマの機体、ブラックフレームのコアを握りながら

 

「俺は、大馬鹿野郎だッ!!」

 

後悔していた、だって、自分が選択に悩んだせいでカズマが死ぬ事になったのだから

 

「こんな別れになるなら、はっきり言えば良かった···皆で一緒に闘おうって!!」

 

千冬姉ぇの顔にも苦悩の表情が浮かぶ。俺はみんなと一緒に泣いた

だが···

 

「ふは、ふははははッ!!」

 

突然体が重くなり、身動きが難くなった

 

「てめぇ···まだ···!!」

「間に合ったようだな、G-FLAEIAの臨界状態時に起きる重力場変容現象だ!!」

「こ···の!!」

 

ブラックフレームのビームサーベルを逆手に握り、俺はゴルドフレームに近づく

 

「ま、待て!!待つのだ、織斑·一夏!!」

「···断る」

「待ってくれ、織斑·一夏!!お、落ち着けッ!!」

 

振り上げるモーションと同時に最大出力に切り替え

 

「やめろ!!やめろおぉッ!!」

「・・・」

「ううぅ···あぁぁぁぁぁ!!」

 

そのまま一思いに突き壊した




呆気ない終わり方ァ!!いやこうなるとは分かってたけどね···
しかし最後に残されたのはとんでもない兵器の起爆までのタイムリミットとは嫌がらせがすぎるぜ···

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