「カズマ···」
カズマが敵と交戦して死んだという報を受け、俺はすぐに遺体を安置している部屋に向かった
「お前···どうして」
その身体には、あちこちに出血の跡があった
そんな状態で半日近く戦闘を行い、敵にダメージを負わせたというのだからこいつの精神力に心底驚かされる
普通なら1時間で失血死の状態だ
「コイツは最後まで、お前達なら倒せると言っていた。自分の作った技術を悪用されたにもかかわらずな···」
「俺達に全てがかかっているんだな?」
「そう、全てを託してアイツは死んだ···だから」
「あぁ、必ず倒す」
そう、倒す
復讐などではなく、己の敵として
「コレを持っていけ、一夏」
セリアから渡されたのは、黒いバンドだった
「完成していたのか?」
「あぁ、カズマが最後に作り上げた、白式用の外付け武装コンテナだ」
ようやく完成した白式用の追加武装コンテナ
一切の追加装備を拒む白式に、外付けの追加装備として無理やりインストールしたシステムを利用して、今の俺が使える武装を限界まで保存領域に入れ込んだ試作品
性能を限界まで引き上げる事に成功した唯一の方法だった
「デットヒートシステム···うまく機能してくれるかは分からないが···」
「やるしかないだろ、俺達が」
この方法しか今は取れない、それ以外にあるとすれば、それは仲間の命との天秤だ
それだけは絶対に選べなかった、その代わりにカズマが死んだのだから遣る瀬無い気持ちだ
「託されたのは希望、繋がるのは思い···人だけが神を持つ生き物だから、その思いと共に紡いでいけるモノこそが未来で、それを次世代に繋げていく···それが継ぐということ、だよな」
夢も希望も何もかもを奪われてなお呵呵大笑しながらカズマは俺達の勝ちを叫んで死んだそうだ
それは即ち敵への挑発、
それだけ俺達を信じていたカズマの想いに、俺達が出す答えは一つだけだ
「アイツは···ゴルドフレームは俺が討つ!!」
それが、俺達がやるべき事。成さなければならない事だと信じて
「行くよ、カズマ」
親友の遺体にそう言って、俺は安置室を出た
「・・・」
そして···敵の前に立つ
「織斑·一夏、自ら生贄と成りに来たか?」
「いいや、俺は倒しに来た、てめぇを」
そう、この戦い、負けるわけには行かない
決して負けられない戦いが今から始まる
そして願わくば、この戦いが最後の戦争となる事を、心の底から願うほかない
(書いた文字数が)ちょうど1000文字いぃぃ!!