IS Striker   作:アーヴァレスト

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過去と現在が衝突し、未来になる
その中で、世界を壊した男がついに牙を向く


クロスオーバー

「織斑·千冬」

「十年ぶりか···懐かしいとは言わんぞ」

 

俺がそこに来たのは、戦闘が始まる少し前だった

 

「はいはーい、ちょーっと待とうか」

「「つっ···!?」」

 

二人が同時に俺に振り向く

 

「「何のつもりだ藍澤(転生者)?」」

「何のつもりも何も、君たちが戦うのは少しアレでね」

 

ブラックフレームを展開し、構える

 

「だからここで、裏切ることにした」

 

ドラグーンを展開、全武装をスリープモードからアクティブモードへ固定し二人に襲いかかる

 

「やはり貴様はそうするか!!」

「するとも、俺が何回世界と、国を破壊したと思う!?」

 

二人を同時に相手し、俺は有利な状況を作り上げていた

 

「一つや二つじゃない、世界なんていくつも壊してきた、数なんて数えるのも億劫な程にな!!」

「くっ!!」

「貴様ッ!!」

 

織斑千冬の剣戟を左手で白刃取り、もう1人の敵の攻撃はドラグーンの一斉射撃で対応する

 

「さぁ、来たまえ···俺を倒して見せてくれ!!」

 

今まで隠してきた全てのスペック···ブラックフレームの真価を見せる

 

「その姿は···!?」

「これこそが、ブラックフレームの新なる姿だ」

 

今までの姿はシステムではなく装甲で抑えてきた

余りにも高すぎるスペック故に、開放するだけでも莫大なエネルギーを放出してしまう

だからスリムでありながらマッシブな体型の機体として封印してきた

本来の姿は、服そのもの

黒に金の線が入った長袖·長ズボン、腰にはサーベルとアサルトライフル

人機一体型戦闘支援システム·STRIKER(ストライカー)の融合形態だ

 

「さぁ、足掻いてくれ···時の魔神の前で!!」

 

黒き光を纏う、時を伴侶とした覇道の神の息子が叫ぶ

 

時よ止まれ(レース·ノウァエ)君は誰よりも美しいから(アルゾ·シュプラーハ·ツァラトゥストラ)!!」

「くっ···!!」

 

ギリギリでその効果範囲から抜け出した織斑·千冬ともう1人の敵は、同時に攻撃する

 

「はあぁぁぁぁ!!」

「うおぉぉぉぉ!!」

「アクセス·我がシン!!」

 

その瞬間に、藍澤·カズマは攻撃手段を変える

 

AGLA(アグラー)、来たれ太陽の統率者!!」

「まさか···!?」

「貴様ッ!!」

 

ここでそんなものをやらかすか!?という驚きが織斑·千冬ともう1人の敵にある

そう、この攻撃は···

 

「モード、パラダイスロストより···ウリエル実行ォォォ!!」

 

莫大なレベルの熱エネルギーの開放、そこから起こる破壊は桁の時点で比較できるものはない

唯一わかりやすく説明するのならば···

 

「ツァーリ·ボンバ4発分の破壊力、その身に受け切れるか!?」

 

皇帝爆弾が早いだろう、それの数発分が僅か一回の攻撃に費やされている

 

「さぁ、魅せろ···君達の輝きを!!運命に足掻くその姿をォォォッ!!」

 

全ての楔から解き放たれた藍澤·カズマを止めるものはここに居ない

この姿こそ、普段の彼が最も忌避する姿

感情よりも抗い難き衝動に流されている状態なのだ

 

「やがて夜が開け闇が晴れ、お前の心を照らすその時まで、我が言葉を灯火として抱くがいい」

「まさか···!!」

「コレは···!?」

 

天元突破、すべての物理法則を無視して彼は更に高い出力を出していく

 

「神話の再現だ、神代の時代に生まれた業火を受けるがいいッ!!」

 

その名は···

 

ロッズ·フロム·ゴット(神の杖)!!」

 

コレが、世界を破滅に導いた男の本気···

人を超えてしまった者の姿だが

 

「止めなさい、バカッ!!」

「ぐほぁ!?」

 

それを見事に止めたものがいた、何を隠そう、藍澤·カズマの恋人···イセリア·アンクフレートと峰島·由宇だった

このふたりは彼に対する抑え役である

 

「っとアレ!?どーして俺はここに!?」

「「記憶してないのか!?」」

 

立ち塞がれた織斑·千冬と敵は同じ言葉を紡いだ

 

「いやはや済まないな、どうやら記憶が飛んだようだ!!」

 

ブラックフレームも元のIS近似の姿に戻り、今まで起きていていた現象が嘘のように消え去る

 

「さぁ、再戦といこう···あの時の」

「あぁ···」

「審判員は俺がしよう」

 

織斑千冬と彼女を襲った敵は互いを睨むかのように見ながら距離を取る

 

「では、始めッ!!」

 

ここに、人類最強の女の戦いが始まった




よし、次に行こう···トラヴィスさんとの話が書けない

次話から急展開の開始予定です

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