IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは隠れ続けた男の物語
ここに、新たな戦いの種火が産まれる


謎が暴かれる時
亡霊(レイス)


〈WALRUS基地、???〉

 

「···っう訳で、アレのワンオフ試作機をくれよ」

「まるで世間話のようなノリで言うのな、ソレを」

 

俺はWALRUSの基地に来ていた、目の前にはその代表、藍澤·カズマがいる

 

「レイス、Ζ1(ゼータワン)·(アマツ)のワンオフカスタム試作機とは言えアレはお蔵入りしたモノだ、簡単には渡せんぞ?」

「そこを何とか頼むよ、代表さん」

「・・・」

 

無言で睨まれた、どうやら無理っぽいなコレは

 

「はぁ···がっかりだぜ」

「諦めろ、アレはアメリカ軍との共同資産だ」

 

それは知ってたけどよ···まぁしゃあねーか

 

「大体そもそも、お前は二人の子供の親のクセして···」

「その二人に危機が迫っているんだよ、お前は分かっているだろ?」

「・・・」

 

再び無言。そう、伊達にアイツらを放っていた訳じゃない

この数十年、ずっと俺は探してきたモノがある

そしてついに知ったのだ、それが何処にあるかるか

知ったのは、三年前···それからずっと準備してきた

 

「聞かせてくれないか?」

「何をだ?」

「夏と冬、二人になぜ、季節を表す言葉を付けた?」

 

ソレね、よりによって聞くのが

 

「俺が生涯で唯一愛した、(アイツ)の名前の一部だからだよ」

「そうか、冬夏と言うのか」

「あぁ···」

 

懐かしいな、もう死に別れて20年か···

 

「馴れ初めは?」

「任務でミスって血ィドバーってしてた所を拾われた」

「うわぁお、何てグロテスクゥ···」

 

喧しいわ糞ガキ黙って聞けよ

 

「で、拾われクマーした後に護衛の仕事が」

「よりによって本人から来たのか?」

「そうだよ」

 

出されていた酒を飲み、グラスをあける

すぐに注がれた新たな酒は、かなり高級なモノだ

 

「それで恋仲になってめでたくゴールイン、な訳はなく駆け落ちして結婚というわけね」

「なんでそこまでわかる?」

「俺も似たようなものだからな、結婚はまだだが」

「しろよ」

「まだ若い」

 

精神的には既に成人のクセしてまぁよく言うわ、呆れて言葉が詰まったぞ?

 

「それで、あの2人が生まれたという事だな?」

「正確には違うな、夏の方はとある任務で見つけた赤子だ」

「拾い子か···」

 

正確には"助け出した"が正しいがまぁいいか

 

「夏を付けた子供が最後で良かった、あんな非人道な計画は何が何でも破棄すべきだ」

「アイツが生命の危機に無意識で発動した力はそういう裏があったのか···」

 

そう、俺が親になれず戦い続けている意味はそこにある

アイツを最後の犠牲者にしなければならない。

それが今を生きている大人として、未来にその選択の正しさを問いかけるために出来る事と信じて

 

「あと一つの切り札があれば···いいんだがな」

 

そう言って俺は部屋の扉の前に立つ

 

「コレは独り言だ、聞き流してくれ」

「?」

 

独り言をわざわざ聞き流せ···?

あぁ、()()()()()か!!

 

「二日後に、ココからある試作機が出される、卸先はアメリカ軍···黒い装甲色に展開装甲が特長だそうだ」

「・・・」

 

それだけの情報があれば十分だ、後は

 

「大層な()()()だな?」

「ふん、さっさと帰れ」

 

さて、そう言われたら帰るしかないですかねっと




最終章開始まで、残り僅か!!


感想ください、作者が歓喜に涙します

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