そして、決意の朝を迎える
「ここかぁ···」
夢の中の俺は試験会場でポツリと呟いた
そう、IS学園に入るきっかけになった場所で
「これ···ISか!?」
試験官どころか、警備すらいない室内にあったのは適性検査のために運ばれていたラファールだった
それに触れて俺は男性適正者となったのだ
そう、全てはココから始まったんだ
「箒···!!」
場面が変わり、シルバリオ·ゴスペルの暴走事件で、密漁をしていた漁師達を見捨てようとした箒を叱責していた
「箒ぃぃぃ!!」
攻撃をカズマと一緒に受けて、俺の意識が落ちる
そして再び場面が変わり、雪羅が追加された白式で再戦している自分がいる
「うおぉぉぉぉ!!」
最後の一撃を与え、シルバリオ·ゴスペルは落ちる
「かえ···せ!!」
今度は白式を奪われかけた場面になる、あの頃まではマドカもオータムもスコールも敵だった
今では共にいる仲間だが···
「こい、白式ッ!!」
カズマが窮地を助けてくれ、俺は再び白式を纏うことが出来た
「思いは届かなくても、願いは叶わなくても、そこに挑戦する意味がある、そして掴むからこそ未来となる」
「カズマ···」
再び場面が変わる。夕日を浴びながら、俺の横に並んでみんなを見ているカズマはそう言った。
自分が生まれた世界で、多くの人達を救おうと開発した兵器で戦争を起こされてしまった
その尻拭いと、開発してしまった自分への自罰として軍に協力して対抗策を開発したら、今度はそれが火に油を注ぐ結果となったのだ
しかも、その果てに自分の成り立ちを知ってしまった
絶望したカズマはそれでも戦い続けた、自分を犠牲に多くの人を救おうとした
「足掻くことにこそ、意味があるんだよな···?」
「そうだ、足掻き、踠きながら答えを探し続ける···その先にたった一つの答えがある」
カズマはこれまで、ずっとそうしてきた
そしてこれからもそうするだろう
それがカズマの強さだ、誰にも負けない権謀術数、手練手管···そんなカズマに勝つ方法は一つだけ、自分の強みを極限まで生かしきること
「世界はどうしても容赦ない、何処までも闇が広がっている事だってある」
「それでもお前は、その中に一筋の光を見た」
「だから、俺は諦めない」
諦めないから、掴めた選択がある
足掻き続けた先に、尊いものを見た
「俺も、お前のように強くなれるか?」
「それは知らんね、強くなるきっかけなんて人それぞれだから」
カズマは恥ずかしそうに笑って、少しだけうつむいた
「こういう時に役に立たねぇな」
「うるせぇ、激情熱血唐変朴念仁」
「殴っていいか?」
「2000倍で返してやるよ」
すぐあとにチャラけた空気にするあたり、カズマらしい気の配り方だ
「なぁ、カズマ」
「力を手にしたのは単なる偶然だ、そこに疑いの余地はない」
力はただ力でしかない、その使い方一つで世界すら壊せてしまう
「全てはお前の判断が成すことだ、その先にある答えがお前を導く鍵なる」
「そうだな、お前ならそう言うと思ってた」
「ふん···分かっていて聞くんじゃない」
「すまねぇな、聞きたい気分だったんだよ」
そう、全ては選んだから導いてきたものだ
だからきっと、この先もそうしていける
次話、ついに動きが!!
感想ください、作者が元気になります