IS Striker   作:アーヴァレスト

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それなんて最終決戦(?)


光を纏う者

「なんだ···その姿は!?」

 

一瞬の閃光の後に、織斑一夏の姿は変わった

黒く短かった髪は銀で長い髪になり、体つきも女性のソレに近くなっている

更には、その身を鎧う装甲も白と銀の二色になる

 

「最後の零落白夜、それは俺自身が白式となることで使えるワンオフアビリティだ」

 

そこに至っても織斑一夏からは何も感じない

 

「バカな···ありえんっ!!そんな事があっていい筈がない!!」

「・・・」

 

ゆっくりと腕を挙げていく一夏、その手には白い一条の光の剣が握られていた

 

「そんな事があっていいはずがあるか!!人が、人の作ったモノが神を超えるなどと!!」

 

しかし現実は変わらない、結果は···

 

月蝕(イクリプス)!!」

 

白色の閃光が、その身体を砕いた

 

〈戦場、一夏〉

 

月蝕(イクリプス)の一撃でカズマの偽物を消し飛ばした俺は岸壁に降り立った

その瞬間に何かが落ちた音がして、そちらに振り向く

 

「はぁー、はぁー!!」

「まだ、再生するか!!」

 

倒せたと思った、思っていた。

それでも予想を上回る回復力に心の底から驚く

 

「つっ···!?」

 

1歩、踏み出そうとした瞬間に全身を脱力感が襲った

同時に白式とのリンクが閉じていくのを感じた

白式との絆が、消えていく···!!

 

「どうやら限界らしいな、織斑一夏!!」

「くっ···!!」

 

カズマの偽物は立ち上がり、俺に剣を向ける

 

「そう、神に勝てるはずが無いのだ!!つっ!?」

 

その直後に変化が起きた、その胸部から、赤い光の柱のようなものが出てきたのだ

 

「なんだ、コレは!?」

「それは封印、だよ」

 

知らない声が聞こえて、二人してそちらを見る

 

「完全に取り込まれた場合にはソレを持って貴方を封印する、その様に開発したのさ」

 

そこには、和服を着た保健医、神主·鮮花(かみう·あざか)さんだった

 

「ふん、それもどうやら無駄のようだな!!見ろッ!!」

 

カズマの偽物が纏うブラックフレームが姿を消していく

 

「俺は今、織斑一夏と同じ位階に上り詰めたッ!!」

 

その瞬間、その装甲がかき消える

 

「なっ···にぃ!?」

「だから言っただろう、それは()()だとな」

 

鮮花さんの声が変わる、口調も

 

「元々、神様ですらない人間を懲らしめるための天罰としては凄まじいものだ、その強制力はすべてを上回る。チェックメイトだな」

「貴様···まさか!?」

 

鮮花さんが1歩進んだ瞬間、姿が変わった

服装はそのままに、よく知る姿に···

 

「そう、本物の藍澤カズマだよ。姿形を奪われたから身体は新たに作ったけど、そちらに移ってくれたのが僥倖だな」

「まさか、この身体は!?」

「サブボディさ、本体はこちらだよ?」

 

俺には付いてこれない話がされている、体が違う?サブボディ?

えぇ···と。俺がしていた事は無駄だったのか?

 

「無駄じゃないさ、一夏。お前がここまで敵を圧倒してくれなかったら奪い返せなかったものもあった」

「その先読みやめろよ、カズマ」

「はははっ!!」

 

俺の横を通り過ぎ、カズマは敵の前に立つ

 

「藍澤カズマ!!」

「君には封印されてもらうよ、人が神になろうなどと、おこがましいにも程がある」

 

ヤレヤレ、といいながらカズマはさらに一歩敵に近づく

 

「それにこの世界のバランスは安定している、お前がやろうとしているのは···」

「それは敗者の理論だッ!!」

 

敵はカズマの声に叫び返した

 

「お前は勝者なのに、なぜ敗者の側に立つ!?勝者とは常に、世界をどうしようかと考えるのに!!」

「それこそが間違いだよ、勝者が考えなくてはいけないのは、世界をどうするかなどではなく、未来に何を残せるかだ」

 

悲しげな目でカズマはそう言って、敵に背を向けた

 

「少し目線が違うだけで、こんなにもすれ違うなんて···虚しいな」

 

その瞬間、敵は完全に封印された




という訳で一度も出番のない新キャラ(と見せかけた主人公)が根こそぎ持って行きました!!
何してんだが、作者は



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