IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは最後になるかもしれない戦いの前の対話、戦いの中でその意味を知る原作主人公は···


白式との対話

「じゃあ、行ってくる」

「おう、頑張ってこい」

 

電脳ダイブを始める前に、俺は付き添いで来ていたセリアにそう言った

相変わらずサバサバしているセリアの方が、迷いもなくすんなり行けるだろうと思ったからだ

 

「うごあっ!?」

 

入った瞬間、水の中だった、やべぇ早く水面に出ないと死ぬっ!!

 

「···!?」

 

その瞬間、逆に水中へと引っ張られた

 

「落ち着いて···見苦しいよ?呼吸なら出来るでしょう?」

 

言われてみれば、水の中だというのに呼吸が出来た、とりあえず礼を言わないとな

 

「ありがとう、白式」

「・・・」

 

白式の人格が手を振るった瞬間、そこにあったのは···

 

「雪片弐型!?」

「なぜ武器を出せるのか、驚いてる?」

「無理もない、彼がここに訪れるのは二回目···展開状態で来るのは初めてなのだから」

 

白式の後ろにいたのは、千冬姉ぇの残留思念だった

 

「なっ!?」

「貴方の機体のワンオフアビリティの名前を、もう一度思い出しなさい」

 

剣戟から一気に押し出される、破壊力は···

 

「零落白夜···」

 

なんでだ、なんで俺を襲ってくるんだ!?

 

「待ってくれ、俺は戦いに来たんじゃない!!お前に聞きたい事があるんだ!!」

「最後の零落白夜の事?」

「つっ···!?」

 

分かっていて、なんで攻撃してくるんだよ!!

 

「俺の言いたい事、分かってるなら···」

 

次の瞬間には、剣が俺の首をとらえて···

 

「何すんだよ!?」

「貴方に、ソレを教える訳には行かない」

「そうかよ···」

 

なら、やりたくなかったけど!!

 

「けど俺は、教えて貰わないといけないんでなっ!!」

「それがなんだ?」

「なっ!?」

 

今度は千冬姉ぇの残留思念と入れ替わり、斬撃を防いでいた···

 

「お前の守りたいものがどうなろうと私たちが知った事か···」

「つっ!?」

 

そして斬撃をモロに喰らい、地面に叩き付けられる

 

「思い違うな、一夏···お前の守りたいものが、私達の守りたいものではない」

「つっ···うおぉぉぉぉっ!!」

 

その言葉を聴いた瞬間、頭の中で何かが弾けた、裂帛の声と同時に上段で一撃を叩き込むがそれをエネルギーベクトルを変える事でいなされる

 

「どういう事だ!?」

「なにが?」

 

冷たい目、これほどに冷たい目を見るのはいつ振りだろうか?

あぁ、力を望んで千冬姉ぇの残留思念に睨まれた時以来だ

 

「俺の守りたいものがどうなろうと私たちが知った事かって、どんな気持ちでそんなことを言ったのかって聞いてんだよ!!」

「・・・」

「俺の為に力を貸してくれているんだって、さっきまで思ってた!!それは、俺の勘違いだったのか!?」

 

 

答えない二人に俺は叫ぶ

 

「今まで何を思って俺に力を貸してくれてたんだ!?」

「···言葉通りの意味だ」

「なに!?」

 

白式が手を広げ、叫ぶ

 

「この世界を見て!!」

 

その言葉に俺は気付く、そうだ···前に来た時はこんな世界じゃなかった

 

「水の上にあり、反射する景色が美しかったこの世界は、貴方の身近にあった街の風景に成り下がった!!」

「・・・」

 

それは反論も出来ない事実だった、たしかにそうだったから

 

「全ては一夏、貴方が絶望して歩みを止めたから!!」

「つっ···!!」

 

剣戟のラッシュに耐えながらも勝機を探す、でも違和感を感じていた

何か、これまで戦ってきたのと違うのだ

 

「まだ倒れないのか、一夏···」

「つっ···」

 

その声を二人が出すときには、全身にダメージを負っていた

無事な所はない、裂傷だらけで、現実世界なら数分待たずに絶命しているだろう

 

「倒れねぇよ、最後の零落白夜を聞き出すまではな」

「教える気はないと···言っているっ!!」

 

そして攻撃が再開される、そこでようやく違和感の正体に気が付いた

そう、倒すのなら最初で倒せていたのだ。

それだけの実力差があるのにもかかわらず、二人はしない

 

「おぉぉぉっ!!」

 

本当に教える気が無いのなら、戦わずに隠れればいい。それだけの事は出来たはずなんだ

 

なのにどうしてだ···

 

「ぐっ···!!」

 

どうして二人から、寂しさと悲しさが伝わってくるんだっ!?

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

刺突が迫る、それを俺は···

 

「···良く、気がついた···ね」

「痛みが、無いのは当然か」

「えぇ、受け入れたのだから当然···」

 

うけいれた、反撃をせずに貫かれたのだ

 

「答えは、私達を受け入れる事、そして···」

「理解して使う事、そして···」

 

優しく2人を抱き締めながら、俺は呟いた

 

「ありがとう、二人とも···」

 

時間が来たのか、意識が薄れはじめる、戻る時間が来たのだろう

2人に感謝しながら、俺は···




まさかの展開になりました、これで主人公を倒せるぞっ!!
と意気込んでもなかなか倒せないのが主人公、シビアな戦いが始まります


感想ください、作者がオーバーヒートしていきます

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