IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは主人公が自らの半身と語るほど大切にして来た存在を失う事
その喪失は、主人公を狂わせた


半身喪失

「イセリア···由宇···」

 

ベッドで眠る二人を見ながら、俺は名前を呟くことしか出来なかった

 

「カズマ、奴が動いたぞ?」

「そうか、今行く」

 

セリアからの連絡に答え、俺は司令室に入る

IS学園、ひいては国連を裏切ったWALRUSではあるが、その業務は山積しており、まだまだ組織規模は拡大中である

特にいまは大きな策戦の前だけあり人員が足りないため追加増員を決定していた

 

「シェイドの動きは?」

「最近の目撃情報から推測されるのは、WALRUSの地上基地への強襲です。既に三つの基地が奴の手で落とされています」

「そうか、地上基地への軍備を拡充しろ、本部は手薄になろうと構わん」

「はっ、取り計らいます」

 

報告を聞き、俺はそう指示を出す

一見、とんでもなくおかしい指示であるが、それほどコチラには余裕がある

幹部の戦闘能力ははっきりいってチートクラスであるからだ。

亡国機業(ファントム·タスク)実行部隊、モノクロームアバター、スコール隊隊長、スコール·ミューゼルを代表とした第三小隊影雨(ファントム·レイン)だけでも5大国のうちの一つと争う事が可能である

そして、代表である俺の直属部隊、第一小隊天秤(ライブラ)の場合はそれをさらに上回れる

 

「シェイドとの交戦からもう1週間か、二人は目を?」

「覚ましてない、だからこうして狂っている」

 

自分で自分が狂っていると自覚できているのに治さないのはそうしてはいけない理由があるからだ

俺はここで立ち止まれないのだ、二人がどれほど大切であったとしても、組織を率いている以上、仲間の事も考えねばならない

それゆえに···

 

「俺が死んで、二人が目を覚ましても真実は伝えるな。余計な心配はさせたくない」

「断る、真実を告げて、それでお前を地獄の底から引き摺り上げてやる。俺の時のようにな」

 

俺はかつて、セリアを死の底から蘇らせた上で半殺しした事がある

その時俺が言った言葉は···

 

「家族を見捨てる気か、お前は?」

 

家族···共に戦う仲間をそう言いかえていた

その時と全く同じ言葉をよりよってその時の相手に言われると···

 

「笑えんな、全く」

「あぁ、全くだ、この大馬鹿者め」

「お前に言われたくねーよ」

「ふん···」

 

意識の戻らないイセリアと由宇、2人の事を強く思いながらも俺は歩み続けるしか今はできない

もし立ち止まりでもしようものなら、2人に殴られるだけで済むかわからないし···

 

「2人がお前を半殺しにするかもな?」

「勘弁してくれ、好いた女にはめっぽう弱いんだぞ?」

「知るか」

 

セリアはそう言いながら笑い、俺をサポートしてくれている

そんな仲間に感謝しながら、俺は新たな始まりを告げる狼煙を上げる準備を始める




新たなる章の始まりに相応しくない展開だぁぁぁぁぁ!!
ネタが無いから早く終わるのでお付き合い下さいーッ!!



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