その戦いの行く末に、何が待ち受けているのだろうか?
「いくぞっ!!」
「つっ!!」
踏み込みの速度に合わせるのがやっとな速さで織斑千冬が攻撃して来る
なんとか剣戟を捌き、距離をとる事に成功する
「厄介だな、その性能。復元ではなく強制解凍したのだろう?」
「つっ!!」
図星らしい、だと思えたのは余りにも人機一体だからだ。
復元であったなら習熟までの間、ほんの僅かだが動作に誤差があるのだが、彼女に限ってそれはなかった
だからこそ、強制解凍したという結論に帰着する
「やれやれ、だという事は零落白夜も使えるわけか。恐ろしいな」
「・・・」
剣戟を捌き、砲撃を行い、また剣戟を捌いて攻撃の繰り返しの中で俺は話す
余裕なんてない、あるわけ無いが、それでもしたい理由があった
「専用機持ちはそれぞれ部下が倒している最中だろう。そうしたら俺の出番だ」
「なっ!?」
そこからが俺の出番であるのは言うまでもない。そこから先が重要なのだから
「嘘···だ。お前は···自らの、学友全員の命を!?」
「・・・」
「藍澤ァァァ!!」
怒りの怒声と共に振るわれた剣戟は過去最速だった、やはり彼女も怒りで本来のスペックを発揮できるタイプか···
「一夏は、お前に憧れていたんだぞ!?」
「・・・」
「オルコットも、デュノアも、篠ノ之や凰も!!お前に憧れていた!!」
「一夏やセシリア、シャルルと箒、鈴音の事は任せるがいい。幸せは、保証しよう」
そうでなければここで戦う意味が無い。嫌疑を掛けられようと、非難されようと、存在し続ける事に意味があるのだから
「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁッ!!」
「つっ!?」
さっきよりも早くなった動きに驚きながらも対応し距離を取る
同時に彼女は、怒りにまかせて突貫してきた
「藍澤ァァァァァッ!!」
「そうだ、千冬、俺への憎しみを、怒りをぶつけてこい」
記憶を回想しながら俺は彼女の急所を狙った攻撃をする。それは機動性を殺す攻撃である
「友情、愛情、信頼···そんな生温い感情は、残念だが今の俺には届かない。半身を失った、俺には」
急所を攻撃し続け、機動性と身体の自由を奪われた彼女に最後の一撃を与える
突き刺した剣の感覚から致命傷であるのは間違いないだろう
「・・・」
最後の一撃を与える瞬間、彼女は涙を流しながら俺を見上げていた
その意味は分かっていても、今の俺は止まれない、止まるわけには行かないのだ
「千冬、貴女に語った言葉に嘘はない。俺の半身を取り戻すためなら、俺は何だってする。そして···」
彼女を見下ろし、俺は小さく呟いた
「貴女はこの世界で唯一、俺を超えられる女性だったよ···」
夕焼けを身にあびて、俺はそこから飛び立つ宇宙船を見ながらさらに呟く
「あとは任せたぞ、お前ら」
あれ、重要な事が語られていないぞ!?なんだこの不気味な話は!!(混乱)
そういう訳で今回の話となりました、次話から次章に突入です!!
感想ください。作者が暴走します