「疑いをかけられている事はわかっているな?」
「あぁ···」
ついにこの時が来てしまった
WALRUSの仕事とIS学園との軋轢が生じ、疑心が疑惑となったのだ
予測こそしていたが今暴発するとは想定していなかった、それでも即応しているだけマシだとは思っているが
「藍澤、まだどうにか出来るぞ?」
「言葉だけ受け取っておくよ、織斑·千冬」
「···敵と、なるのか」
そう、これからIS学園とWALRUSは敵同士となる
WALRUSは既に、拠点機能を
「あぁ、済まんな。これも性分だ」
「お前とは、末永く付き合えると思っていたのだがな····」
この話がされていたのは、IS学園より数km離れた洋上だった。つまり、WALRUSは拠点を宇宙に置いたのだ
本来はレーダー監視網がある宇宙に拠点を置くのは自殺行為に等しい
それを可能としたのは、WALRUSの規模がなせるパトロンの多さにある
WALRUSは現在、12ヶ国の軍の軍事顧問並びにアグレッサーを、更には300近くの組織への協力をしているため、所属員は極少数でも、圧倒的な戦力となっている
それを極限まで利用したのが今回の出来事となったのはある意味不運だが
「お前を止める、それで全てを」
「終われると、思うなよ?」
ブラックフレームを纏い、構える。すると
「ならば、力ずくだ」
彼女はISを纏った、しかもそれは···!!
「
彼女が現役時代に纏っていたISだった!!
「束に無理を承知で復元してもらった。これで現状はイーブンだろう?」
「つっ!!」
そう、現役時代の彼女は世界最強だ、故に
「他者の心を掌握し、その先の行動を操るのは容易だ」
「つっ!?」
俺の得意とする嫌がらせの一つ、過去を紐解いた上で最大限まで利用することを今回もしている
「過去を紐解く。ただそれだけで、対象者が選ぶ選択肢の予想は簡単につく」
今ここではないどこかで行われている戦争だってそのせいでもある
それを彼女に分からせよう
「嫉妬、憎悪、汚辱に恥辱」
「貴様···!!」
「消えない過去に縛られて、輝かしいはずの未来は、全て、愚かしい過去の精算ばかりに消費される」
そしてそれは、過去の俺も同じことで···
「それは俺とて同じ事···なぁ、千冬。お前達が踏み出すその脚は、前に進んでいると思うか?」
俺からの問いに千冬は即座に言い返せなかった
「もし、本気でそう思っているのなら」
武器を構え直し、静かに俺は告げながら彼女を見た
「見せてくれ、俺に」
次話、波乱の戦闘シーンだ!!(予告)
世界最強VS最優の勇者の戦いがはじまるぅ!!
感想ください、作者がハイテンションになります