禁忌として封印してきた力が解放される
「なんでそんな早く復活できたのかなぁ?」
「気合と根性で何とか出来る」
「うわぁ···」
そう、俺は
かなりギリギリだったがそれでも問題は起きていない···一つを除いて
「あなたのそばにいた女の子はどうしたのかな?」
「つっ···!!」
そう、イセリアが肉体を再び放棄した
それは俺にとって最悪な結果だった、故にもう負けないと誓いを立て直す
「勝手に殺さないでくれる?」
「あぁ、すまない、イセリア···一緒に終わらせよう」
「えぇ、私たちの
俺を倒した武器で攻撃して来るジークフリートに、とった行動は殴打だった
しかもただの殴打ではなくプラズマを纏っている
「あははははっ!!」
「・・・」
笑いながら自分のダメージを気にしていないジークフリートに俺は告げる
「お前、痛覚が無いな?」
「それだけじゃないよぉ!?」
全身が凶器とも言える魔改造を施された
「味覚もないよ!!」
「知るか」
味覚がない、だからなんだと言う?
視覚を除いた全てがなくても、1日1日を大切に、真剣に生きていた少女を俺は知っている
お前のような人間が自分のエゴで世界を壊すというのなら···!!
「カズマ、やりましょう?」
「あぁ、やろう。イセリア」
俺達は封印してきた最後の力を開放することを決めた
「かつて何処かで、そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか?」
「あなたは素晴らしい!!掛け値なしに素晴らしい!!しかしそれは誰も知らず、また誰も気付かない」
俺の言葉から始まり、しばらくはイセリアの独唱があるこの詠唱
その力は転生前の世界で、欲しいものから無くしていく、そんな不幸な運命に対する憤りから発現したものだった
「幼い私は、まだあなたを知らなかった。いったい私は誰なのだろう?いったいどうして、私はあなたの許に来たのだろう?」
最優の能力であるが故にバランスだけは非常に良い
それゆえに決定打にも欠けるが構いはしない
ここに2人で使う事にこそ意味があるのだから
「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい。何よりも幸福なこの瞬間、私は死しても 決して忘れはしないだろうから」
「ゆえに恋人よ、枯れ落ちろ。死骸を晒せ」
これから先は俺の詠唱になる
とても少ないが、この瞬間、俺とイセリアの同調率は最高レベルとなっていた
「何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい」
「本当にこれでよいのか?私は何か過ちを犯していないか?
かつて間違えた未来を作ってしまった清算をし続けた俺達だからこその言葉
その力は···
「恋人よ、私はあなただけを見、あなただけを感じよう」
「私の愛で朽ちるあなたを、私だけが知っているから」
そして詠唱は最終段階に入る、二人で同じ言葉を言い、終わらせるのだから
「「ゆえに恋人よ、枯れ落ちろ」」
急激に膨れ上がるエネルギーは外部から吸収を始めたモノだ
この合同ワンオフアビリティはその力を有している
「コンビネーション、ワンオフアビリティ···」
その名は···
「「
ここに薔薇の夜が再現された。
この合同ワンオフアビリティは、敵の弱化と自分の強化を超効率で行い、攻撃の死角がなくなり、時間が経てば経つほど有利になっていくという凄まじい性能を誇る
「くあぁぁぁっ!?」
「おらァ!!」
顔面を蹴飛ばし、逃げようとした所で足をつかんで地面に叩きつける
立ち上がったところでラリアット、そこから畳み掛けるようにアームストレートとアッパーカットを浴びせ昏倒寸前に追い込む
「う、くっ!!」
「そぉらよっ!!」
「かはっ!?」
逃げようとして後退したところを、後ろに回り込んでボディブローキックで中断させ、その間に見えない衝撃の波状弾幕を形成する
「うぁ!!くうっ!!」
「そこだぁ!!」
「けはっ!?」
コアが露出したところで鷲掴みにする、そしてそのまま···
「やめろ、やめろ、ヤメロォォォ!!」
「何をだよ、あぁ?」
ギギギッ!!と軋み、破損していくコアを握りつぶしながら俺は答える
「戦争を生み出せなくなるか?」
「そう、私はもっと人の!!」
「
握りつぶし、後ろを向いた
精神崩壊したジークフリートは、無言のまま倒れ、気を失った
主人公が主人公してる、だと!?
馬鹿な、ありえんッ!!
そんな冗談はさておき、次章より急展開があります(予告)
次章は何と、( )が( )に行きます(ネタバレしないように空字です)
感想ください、作者がエキサイトします