奇跡を破壊する人間の登場に、動き始める者がいる
少し連休がある初秋の頃、家に帰れる時間のあった俺は、千冬姉ぇと一緒に帰っていた
「千冬姉?どうしたんだ?」
帰宅途中のふとした
「いや、ちょっとな・・・少し急用が出来たのでな」
「・・・?、なんか作っといてやるよ。どうせ今日もカズマ達と飲むんだろ?」
そういえば今日はカズマとの飲み会という名の会議だ
もしくは会議という名の飲み会なのかな・・・
「••知ってたのか?」
「帰ってきた時に、いつも酒の臭いがすれば誰だってわかるさ。それより何がいい?」
幼い頃から様々な料理をしてきたので、同級生から上級生まで料理上手と呼ばれている
それでもまだまだと思っているんだが・・・
「そうだな、今日はあっさりしたもので頼む」
「分かった、刺身にしとく。はやく帰って来いよ」
そういえば冷蔵庫(今日の朝買ったものが入っている)
「あぁ・・・」
<IS学園校門前、織斑・千冬>
「じゃあな」
・・・これが私と一夏の最後の会話だった・・・千冬は学園の敷地を出て佇む
「おい、少し前から見ていた
しばらくしても反応が無いため振り返るが気配はあったのに誰もいない
「つっ!?」
奴はいつの間にか目の前にいた。千冬は瞬時にブレードを呼び出し構える
「・・・貴様、何者だ?」
「•••」
気づかないほど速い動き、只者ではない・・・一瞬だけだが、勝てるか?
「ダンマリか、何が目的だ・・・?」
「復讐のために不死の英雄は立ち上がる・・・」
どういう意味だ、それは?何を言いたい?
「なに・・・?」
「何も恐れる必要は無い、復讐という喜劇は
いつの間にやら部分展開された腕で人差し指を向けていて
「!?っ」
体から大量の血が吹き出し倒れる、痛みすらない、一瞬の出来事に気がつかなかった!!
「・・・人間が英霊の心臓に剣を突き立てる事など出来ない」
奴はその場から歩き霧の中へ消えていき・・・
「まず・・・い・・・逃げろ、一夏・・・」
その声はいつの間にか降っていた雨に消されて、意識が黒に染まった・・・
<数十分後、カズマ>
「なに!?千冬が刺された!?」
「はい!!瀕死の重傷です!!」
「ちぃ!!医療班は既に動いているな!?」
「はい、動いています!!」
WALRUSの通信回線、しかも秘匿回線の緊急連絡が来たのは、会議開始30分前だった
「対外的には行方不明にしろ!!何なら殺されたことにしていいっ!!敵の動きが掴めるまでなっ!!」
「了解!!」
この敵は、最凶の部類だ。過去最悪・・・最強の敵・・・
「クソッ!!これは・・・詰んだッ!!」
ギリッ!!・・・と歯軋りの音が室内に響く
「まだ、大丈夫だよ」
「そうだ、万に一つの可能性は残されている」
篠ノ之・束と風鳴・翼の参加者二人がそれぞれ自分の見解を告げてくる
「あぁ、詰んだ程度で諦めるかよ!!詰んだんなら木っ端微塵に粉砕してやればいいだけのこと、掃除は任せるぞ?」
「うん、任せて」
「あぁ、任せろ」
これから先、次々と仲間を傷つけられていくと、この時の俺には考えが及ばなかった
最強の敵出現!!その名は次話にて明らかに!!
最凶の敵は何が目的で何をなそうと言うのか・・・謎だッ!!
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