IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは敵の力、赤色の人工ダイヤを三態(気・液・固)で駆使する最新鋭機
迷いも取れ、霧も晴れ、何を見出し何処へ行く?


紅きダイヤの女騎士

「敵IS、サードシフト!!」

「問題ない、どうせナノダイヤだ!!」

 

リーナの叫びに近い声に俺はそう答える

これから先は最新鋭機VS歴戦機の戦い、同じ傭兵でも、ここまで違うのかという驚きを見せてやろう

 

「あぁぁぁ!!」

「急激な変化に脳の処理能力が追いつかないか?」

「逆です!!余りにも高すぎる適合率で、限界を連続突破しています!!」

「これまた意外な」

 

意外な出来事、限界突破という驚きを俺に与えてくれた

それでもなお、あぁ・・・

 

「っと危ない!!」

 

それでも戦闘は行っている、先程から打って変わって近接戦特化

恐るべき加速度に驚きこそするが

 

「やはりまだ甘いな、油断していない分、隙がないのが救いといえば救いか」

 

どこぞの一時を除いて完全に油断ばかりをしていた奴とは桁違いだ

・・・それこそ俺の戸籍上での姉だが

 

「思い出すな、あの戦いを!!」

「なに・・・を!!」

 

おや、自我が戻ったらしい。脳細胞にかなりの負荷がかかっていたはずなんだが・・・

 

「はぁっ!!」

「脆いっ!!」

 

水晶剣を切り捌いて破壊し、距離を取る

 

「お前はまだまだ基本動作が甘いッ!!」

「うるさい!!」

 

滅多には使わない実体剣と、敵の水晶剣が激しくぶつかり悲鳴を上げる

かたや金属、かたや鉱物、共に材質は違えど硬度は同じ

唯一の違いは密度、金属は満遍なく平均的な密度をしているのに対して、鉱物は偏りがある

つまりどういうことかというと

 

「おぉぉっ!!」

「なっ!?」

 

弱点が多いということ、衝撃により破損してしまう弱点(ウィークポイント)を突けば砕くこともできる

 

「こい、小娘・・・俺はそんなものを開発するずっと前から戦ってきたのだ」

 

両手を雄々しく広げ、挑発する

何年どころの話ではない、何十年・・・ブラックフレームの雛形であるゼロフレームの開発前から俺は戦っていた

その歴戦、今や数える事もできない。それほどに多く、俺は常に()()という山の頂点に立っている

 

「確かにお前は強い、過去、自分の直接開発機の中で世界を破壊した男が言うのだから間違いない。が、その程度だ、単に強いだけ。ヒネリもなければクセもない、よく言えば教科書通り程度の戦い方で俺に勝てるとでも?笑止、その程度で俺は止まらん」

「つっ・・・」

 

これまで、展開したことのない感覚を解放する

それは覇気、誰にも負けんという心意気、凄まじいまでの覇気は殺気と勘違いするほどだ

 

「バケ・・・モノめ!!」

「結構、そう言われようと構わん。むしろその人間に伍する君も五十歩百歩だ」

「つっ・・・!!」

 

敵が繰り出したナノダイヤの輝きで、あたり一面がまるで"死の森"と化している

現にこれは、領域内に侵入したISからシールドエネルギーを吸い取り、自機のエネルギーへと転用する結界領域でもあり、攻撃して範囲が広がるとともに効率も上がっていっている

 

「性能にかこつけていないのは褒めてやろう、だがどうやったとしても結果は変わらん、貴様の敗北だ」

「そんな事!!」

「ありえない、なんてことは有り得ない。これは誰かの名言だったが、この場においては相応しかろう」

 

剣戟からの突撃(チャージ)に対応して掴みとり、水晶を赤熱化して熱崩壊させ、爆破、距離を取ってドラグーンによる精密射撃で領域を刈り取る

 

「くっ・・・!!」

「サードシフトで進化したのは単なる偶然だと思うかね?」

「仕込んだことだというの!?」

「そのとおり、仕込んだことだ。最終的にどのような機体を扱うことになろうとも、君の脳はそれに適応する。なまじ素の適応性が高すぎる故に起こり得る現象だが、方向性を持たせれば今のように、専用機でも達したことのない位階に達する」

 

それがマドカに施した施術の一つ、マドカ本人に関しては後付けのような形だったが、目の前の敵に関しては最初からだった

故にマドカとは比べ物にならないほど早くすみ、勘違いも起こしているが構わない

科学で測れない存在、それこそが人間という・・・俺が信じ続ける種族なのだから

 

「お喋りはここまでだ、終わらせるぞ」

 

剣を納刀し、構える・・・抜刀居合、その最速の一閃は音速を超える

 

「はあぁっ!!」

 

敵も最大出力で答えるようだ、かなりの出力を収束し巨大な槍を作っている

 

「砕けて、散れえぇぇ!!」

「シッ!!」

 

一閃のほうが早かった、縮地と同時に抜いた剣先は正確に装甲を破壊し、その衝撃で敵は吹き飛んで気絶する

 

「これでいいかな、リーナ?」

「お見事です、全距離対応とは思えない剣さばきでした」

「なに、大したことはない」

 

通信を切り、気絶している敵を抱える

 

「さ、君の旧友と再会させてやろう」




終わりはや!!味気ないっ!!
次話にて問題発生の模様、これまた嵐の予感ェ・・・



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