IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは最強の傭兵と因縁を持つ者の戦い
主人公に運命を狂わされた(と勘違い)する敵と、主人公の戦い
その強さは、未知数で・・・


傭兵VS傭兵

WALRUS主体による新生ファントムタスク掃討戦とその後のIS学園侵入者殲滅戦の一週間後、また面倒な事が起きた。例によって攻め込んできた奴がいるのだ

 

「この反応は・・・!?」

 

その迎撃に出て数分後、見知った反応を示す光点が現れ、戦慄した

まさかと思われる反応があったからだ

 

「おいおい、熱烈なファンがいるじゃねぇか」

「クソッタレ・・・吐き気がするぞ」

「マジで吐きそうな顔しているからやめとけ」

「ちっ!!」

 

こんな時になんて面倒な奴が現れるんだよ・・・あぁもうめんどくせぇ!!

 

「カズマ君、これって!?」

「あぁ、俺が開発して提供していた機体群の一つだ、たしか・・・」

我が国(ドイツ)だな、最近強奪されたようだ」

「なんで報告してこない、君伝いで提供したはずだぞ」

 

そう、ラウラを経由して提供した機体だ、しかもその際、強奪された場合は連絡するように契約もしたはずである

 

「すまん、箝口令を敷かれていたものでな・・・どうしても自国で解決したかったらしい」

「絶対に無理だろうが!!それにその場合は契約違反のため今後一切の契約を破棄するといったはずだ!!」

「私とて言いたかったが、国からの命令には逆らえんのだ!!」

「それが分かっているからお前を責められんのだろうが!!えぇいクソったれ!!」

 

ラウラと言い合いながらも状況を判断する、現状あの機体に対応できるのは遅滞減衰戦対応能力に優れる・・・

 

「俺しかいねぇ・・・」

「そうだな、頑張れ」

「他人事だなおい!?」

「お前ならどうにかできるだろ、開発者」

 

それを言われると非常に痛い・・・主に心が

 

「見つけた・・・見つけたぞ・・・藍澤・カズマァァァ!!」

「この・・・厄介な!!」

 

視界に入ってようやく照合ができた、機体名・・・クリフォト・ヴァチカル

機動性そこそこでありながら、支援機に自作の即席無人機(シーカー)を使用する後方支援特化機だ。それ故に撃破は難しく、性能自体もかなり高い

そもそもが俺の直接開発機であるゆえに第三世代機水準の中でも非常に高位に位置している

 

「あぁ、頭痛くなってきた」

「逃がさない!!」

「やかましいわ!!」

 

コイツの相手をしている暇はない、地雷原の餌にしてくれるわ!!

 

「あなたに仲間を殺されて!!その復讐に囚われて!!それでも生きながらえて!!そんな私を殺せるのはもうあなただけ!!」

「この・・・!!」

 

滅多には使わない機関砲を久方ぶりに使い、距離を取ろうとするが離せない

即席無人機(シーカー)を盾がわりに使い、逆に距離を詰めようとしてくるのだ

 

「目ざわりなぁ!!」

「離さない、絶対に離さない!!私に殺されたいと言いなさい!!さぁ!!」

「ほざけ!!鬱陶しいんだよ変態がぁ!!」

 

機関砲では埒があかない、しかし問題はなくなった

地雷原に到達したのだ

 

「観念したのね、それじゃあ・・・」

「ボム」

 

その瞬間、俺の周りだけ器用に爆散し、敵は爆煙に包まれた

 

 

<戦場、敵>

 

「きゃあぁぁぁ!!」

 

爆発が起きて、その炎に身が焼かれた

赤い砂嵐が目の前に広がって・・・視界が突如変わった

 

「あ・・・」

 

わかる・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

それだけがとても幸せで、()()()()でさえ、泣きそうになってしまった

あぁ、この人は泣かないで泣いているんだ、いつも、誰の前でも

 

「・・・ても・・・よ」

 

泣いてもいいよ、そう言ってあげたかったけど、口がもう、動かなくて・・・

 

「か・・・は」

 

それが・・・最後の・・・

 再び視線が変わると、くすんだ天井を見ていた

 

「・・・」

 

この手足は、もう思ったように動いてはくれない

 

「・・・だ、なぁ」

 

死ぬのは、嫌だなぁ・・・

でも生きてても、みんなに負担をかけるだけだ。少しでも負担が減って、少しでも助けられるなら、しょうがないかなって思う

 

 再び赤い砂嵐が目の前に広がって、また視る世界が変わった

 

「・・・」

 

準備は全て終えた、私に出来ることは、全て為したつもりだ

 

「・・・」

 

後悔はない、この研究に私は全てを費やした。結果がこの目で見られないのは残念だが、いくつもの予防線は張っておいた

彼は・・・彼女は取り戻さなければならない

 

「・・・」

 

口の端が引きつり、笑っているのがわかる。拳銃を手に取り、こめかみに当てる

あぁ、それと・・・あの子が無事、逃げ延びてくれればいいのだが・・・

 

「はは・・・」

 

笑える話だ、この私が今更、子供など・・・

 

初めて引いた引き金は、想像以上に軽かった

あぁ、軽いのは私の・・・いのち、か

 

 ・・・つっ!?私は何をしてるんだ!?ここは敵の・・・!!

 

「あ・・・あぁ」

 

 ()()()()()()()()()()()!!

 

「ぐがっ!!」

 

 そう思ったのに、再び赤い砂嵐に流されて、視界が変わる

 

「ダメじゃない・・・死んじゃうよ?」

 

今度は私を抱えている人物の視界・・・私を助けてくれた女の人の

 

「もう・・・無理、かなぁ・・・」

 

走りながら振り向くと、血がまるで線を引いたように広がっていた

流しすぎたからか、もう痛みさえない

 

「だから、離してよ、わたし、戦えないじゃん」

 

誰が、こんな風にしてしまったんだろう。私を、この子を、みんなを

きっと、()()()だ。あの上官が混ぜていたんだ。探して、殺してやりたい

 

 違う・・・ダメなんだ。誰かが止めないと、いけなかった

 

「もう、戦わなくていいの・・・!!」

「何言ってるの?まだ手も足も動くよ?」

「ダメ・・・死なせ、ない!!」

 

私はもう終わりだけど、この子の体は傷ついていない、まだ終わっていない

 

「おかしなことを言わないでよ!!死なせるのは敵だよ!!」

「このまま、味方のところ・・・までっ!!」

 

連れて行けば大丈夫だ、私が倒れたとしてもきっと止めてくれる

 

 ・・・やめ・・・て

 

「離してよ!!死に損ないのくせに!!なんで私の邪魔するの!?まだ進んで、殺さなきゃ、ついていけない!!」

 

あぁ、私にはもう、覆いかぶさることしかできない

 

「・・・生きて」

「生きるに決まってるじゃない!!あぁもうこんなところまで下がっちゃった!!後ろの味方に追いつかれちゃったよ!!」

 

 ダメッ!!その人を撃ったら、あなた(わたし)はッ!!

 

「・・・っ、はぁ・・・」

「邪魔だって言ってるのに!!もう!!」

 

 あなたは()()()()()()!!ずっと死に場所を探し続けて、死ぬまで走り続けて!!

 

「・・・ぁ」

 

そうなったから・・・私は?

 

「やめてえぇぇぇぇぇ!!」

 

<同 調(シュミット・トリガー)>

 

 

 

<戦場、カズマ>

 

「おいおい、俺やらかしたか?」

 

敵を地雷原でタップダンスさせた数分後、ようやく視界が晴れたとき、その姿は黒い球体になっていた

これは()()()()()()・・・?

 

「いえ、違います!!」

 

山田先生からの返答は分かりきっていた事ではあった、それでも・・・あぁ・・・

 

「わかっているから言ったんだよ、彼女は戦争の被害者だからな」

「知っているんですか?」

「粗方な」

 

そう、襲撃者の素性は知っていた

何せ・・・

 

「彼女が自分が殺したと思っている女性、実はかろうじて生きていてな、今もWALRUSで元気に働いている」

「戦争被害者なのに?」

 

一夏の質問に俺は簡潔に応じる、敵に反応はない

 

「元々戦争のために生み出されたような命だったから、それでしか食っていけいないそうだ、遠ざかるということが頭に浮かばないんだと」

「私達もあった事があるのか?」

「学友だぞ」

「え・・・?」

 

まだわからんか、あぁそれはそうだろうな、傷は全て消したし彼女もその素振りを一切見せないものだから

 

「リーナ・ヴァスティ」

「あの子が!?」

「リーナか、意外だな」

 

全員が驚きである、わかってて驚いている()()()もいるが

 

「敵に反応があります!!」

「おっと、ボンヤリしている暇はなかったか」

「お願いします、彼女を目覚めさせてください」

「了解だ、リーナ。合図しろ」

 

ここでいう合図とは、戦闘を開始するための仕切りのことだ

これから、再び戦うのだから

 

了解(ヤー)・・・戦闘開始(オープンコンバット)!!」




次話に続く!!最近これで話数を無理やり増やしている気がしなくもない・・・
それでも、今月中には動きがあるんだァァァァ!!(シャウト!!)



感想ください、作者の語彙が(多少)増えます

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