IS Striker   作:アーヴァレスト

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戦闘は終わり日常へ、その日常のある一幕


戦闘終了後

「ん···んぅ」

 

寝言のような呻きが聞こえたのは、戦闘終了から半日後だった

副作用で女性化している藍澤·カズマは、時たま苦しい表情をする他は普通の状態と言えた

 

「こうしていると、本当にカズマだが分からなくなってくるな」

「そうでもないぞ、一夏」

 

看病の手伝いに来た一夏の言葉を俺は否定する

理由はこれからわかる、俺の持つリンゴで

 

「これをだな」

「あぁ」

「投げる」

 

ぽいっ、と投げたらカズマはすかさずキャッチしていた

目覚めたのと同時でされた事で少しご立腹のようだ

 

「セリア、嫌がらせか?」

「起きたようで何より、で、気分はどうよ?」

「最悪に決まっているだろう、頭は痛いし、今の状態だからな」

「いいと思うけどな、俺は···」

 

一夏がそう言うと、カズマは拗ねた

この状態になると途端に可愛らしくなるから困る。可愛らしくあるが、毒舌はいつもより倍増しだ

 

「ふん···セリア、酒」

「頭痛のクセして酒飲むのか?二日酔いになりたいのかよ」

「やけ酒ぐらいいいだろう!?」

 

ガバッ!!と豪快に布団を剥がしたら···ふくよかなお胸様が···

 

「一夏···」

「なんだよ、セリア」

「何カップあると思う?」

「つっ!?」

 

己の失策を悟ったようだ、だがもう遅い。からかってやろう

一夏も俺の言葉の意味がわかったらしく、ニマニマしながら答えた

 

「D、ぐらいかな」

「俺としては、Eぐらいだと思うぞ?」

「人の胸をジロジロと見るな!!女性化していると恥ずかしいんだぞ!?」

 

嫌がらせだもん、それぐらい楽しませろや

 

「しかしまぁ、この素晴らしき···」

「何かしら?」

 

その声と同時に、後頭部に冷たいものを感じた

はい、どう考えても銃口です、ありがたくないです

 

「イセリア、俺が許可する、遠慮なくやれ」

了解(ヤー)

「ちょっ!?ま、待て!!いくら何でもやりすぎた、すまない!!」

「んー、聞こえないなぁ、最近耳が遠くてねー」

 

イセリアめ!!わざと聞こえないふりするなよ!!

そう言われると···

 

「その歳で老害かよ···」

 

パンッ!!という音と共に一夏が倒れた。容赦ねぇ、撃ちやがった!!

 

「っう!!()てぇ!!」

「訓練用のゴム弾よ、次は意識を狩るから」

「ひぇ···」

 

こ、こうなったら!!

 

「逃がすと思うか?」

「あ、アルェ?」

 

カズマも銃持ってた、しかもバッチリ照準は俺に向いている

 

「で、謝罪は?」

「申し訳ございません」

「どこ見て話しているのかなぁ?」

 

豊かなお胸様を、とは口が裂けても言えまい

本当にけしからんオッパイだな

 

「胸だね、よし撃とう」

「一夏、お前も早く言えよ!?」

「誰が諸原因だよ!?」

「俺だぁ···」

 

イセリアとカズマが向ける銃には殺傷能力は無いと分かっている

それでもやはり、反応が可愛いなぁ

 

「ま、そろそろこんな冗談はやめて、と」

「そうだな、本題に入ろうか」

「助かった···」

「後で今の状態のカズマの服を買ってきなさい」

「あっ、ハイ」

 

どうなるんだか、やれやれ

 

「俺の寝ている間に何があった?」

「特に動きはなかった。ダリルは急ぎ治療中、フォルテは看病している」

「そうか、ならいい。新生した亡国機業(ファントムタスク)は?」

「動きこそないが、怪しいな。動きがないのが怪しい」

 

やれやれ、どうするか。それが理由で困っているのだよ

 

「それでも近々動くだろう、それが来ないことを一番祈りたいんだが」

「無理だろうな、奴ら、何考えているか分からん」

 

考えが分からんから恐ろしいのだ、問題は山積みで多すぎる

しかも新生してからかなり秘密主義が徹底しているようで、ボロが出ない

 

「そうか、引き続き頼む···服もな」

「お前もかよ!?ブランドものとか言うなよ?」

「言おうか?自腹でやれ」

「ぎゃあぁぁぁ!!」

 

悲鳴を出すしかなかった、自腹とかふざけんな!!

ブランドものでないだけマシだろうが、我慢しろよとでも言いたいのか!?

 

「自腹って、マジで、言って!?」

「過呼吸気味だぞ、戻ってこい、足りないなら俺のから多少出しても構わんからやれ」

「つっ!!しゃあっ!!」

「現金な人ね、撃つわよ?」

「ひぃっ!!」

 

イセリアとカズマは同時に引き金を少しだけ引いた、もちろん反応しないギリギリで

 

「買うから、買うから撃つなよ!?なっ!?」

「うん、撃たない」

 

そう言ってイセリアはマジで撃ちやがった、そこで撃つかよ普通!?

かなり痛いんだぞ!?

 

「おい撃つなよ!?」

「いや、ゴメンゴメン、反応が楽しいからつい」

「イセリア、テメェ!!」

「次は肩かな?」

 

そう言って照準を俺の肩に向けるイセリアを見ながら一夏はカズマと話している

どうせイセリアの性格のことだろう、早くこちらをどうにかして欲しいものだがな!!

 

「ほら、早く行く、後でメールするから」

「ホイホイ了解、今すぐ行く」

「はーい、今から行きます!!」

 

すぐに立って走っていった、案の定メールが入る

 

「ふ···はははははっ!!」

 

メールの文面を見て思わず笑ってしまう、何故なら

 

「身体のラインが強調される、エロティックな服···イセリアめ酷い事をする!!」

 

思わず、腹抱えて笑ってしまう。これ程に傑作な事は無かった

 

「了解、その期待に答えてやる。っと」

 

返すメールの文面を確認してイセリアに送信、そして

 

「買いに行きますかぁ!!」

 

ハイテンションで買い物に向かうのだった




日常書くのしんどい!!とてもしんどい!!
でも楽しい、すごく楽しい


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