それは自らの罪の罰と、そこから生まれた後悔
「う・・・」
紅蓮の炎の舞う戦場の中で、私は目を覚ました。ふらつきながらもなんとか立ち上がり、歩き出す
「早く、しないと・・・ここも、危ない・・・」
服装は既にボロボロ、服としての機能を失いかけている
「はぁ・・・はぁ・・・」
それから数分後、まだ炎の地獄から抜け出せない
「あっ・・・うぅ!!」
腹部から激痛が走り、そのまま倒れてしまう
「うぶっ!?がはっ!!」
立ち上がろうとしたが、血を吐き再び倒れた
「まだ・・・死にたく、ない」
痛い・・・全身が痛い、いたい、イタイ・・・
「もっと、生きて・・・いたい」
どこかから足音が聞こえた、誰の足音だろうか・・・
それすらも、もう分からない。目もあまり見えないのだ
「もっと、話して・・・いたい。もっと・・・」
思っていたい、だからもっと、ここに
「いた・・・い」
だから再起しようとして、さっきよりも大量に吐血した
「げふっ!?けはっ!!」
その量は甚大なダメージを負っている事を証左していた
これだけの量を吐血したら普通の人間なら痛みを感じる前に死んでいるだろう
それでも死ねない、死にたくない・・・
「・・・」
でも、こんなに痛いと・・・泣いて、しまう・・・
<戦場、カズマ>
傭兵として個人的に受けた仕事で出向いた先は戦場になっていた
よくある事だが、今回は既に戦闘行為自体は終わっているという珍しいパターンだ
「な・・・」
そこで見つけた、因縁深い人間・・・キャロル・マールス・ディーンハイムを
「これは・・・」
状態は"酷い"の一言だった、吐血の跡が今しがたのものだとすぐに分かる
出血量は致死と言っていい、それでいてまだ呼吸はしているようだ
「・・・」
すぐそばまで移動して俺は彼女の反応を見る
「・・・」
なんとか仰向けになった彼女に俺は告げた
「苦しいか?」
「・・・」
無言のままだ、反応はない
彼女がこの世界に来るはずはないと思っていた、それでも来ているということは響達からの引っぱりだと思う
一時期は響達と一緒に行動していたらしく、彼女達からも見つけたら一報を入れてくれとお願いされた
"痛かったり、苦しんでいたら、助けて欲しい"とも言われていたな。つまりは押し黙っていたんだろう
「痛かったら・・・」
「・・・?」
「痛かったら"痛い"と。辛かったなら"辛い"と。悲しいならば悲しいと。言えば良かったんだ、お前は」
負の感情を押し込めて、自分は何でもないと自分も他人も騙し続けた結果がこのザマになるんだ
そう言いたかったが、今の彼女を見ると、言い出せなかった
「あぁ・・・」
涙を流した彼女に、俺はナイフを・・・突き刺した
まさかのキャロル・マールス・ディーンハイム様登場!!
しかも何やら綺麗になっているようだ!!
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